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2009年 05月 31日

M.R.とヘンリー、ふたりのジェイムズ併読中

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 天気予報が当ってしまって、外は大雨。商店街は早くから朝市で
にぎわっていたようだが、午前中のことは知らない。アトラクションの
踊りが雨の中、再開されている(3pmライヴ実況)。

 M.R.が半分強、ヘンリーが半分弱、といったところ。どちらもいまいち
ノッて読んでいない。
 ところでM.R.ジェイムズの文庫本は78初であるが、まだ奥付に翻訳者
住所が記されている。創元推理文庫のこの美風(?)は、いつ頃まであった
のだろう。

 昔の本では、前に書いたことがあるかもしれないが、「砂漠の息子」
(ルネ・モブラン 深尾須磨子訳 富山房百科文庫 1939初 帯 蔵印 栞欠)
の奥付が愉しかった。同じく翻訳者住所が記されていて、

<東京都渋谷区千駄谷五丁目九○二番地
  新宿ハウス (外遊中)>とある。  
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by byogakudo | 2009-05-31 15:15 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 05月 30日

3年前もヨレヨレ

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 今週の新着欄は、ややSerie rose bud風です。 
 新着欄

 3年前の今頃もヨレていたことがわかりました。進歩がない。 
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by byogakudo | 2009-05-30 14:58 | 雑録 | Comments(0)
2009年 05月 29日

ヘンリ−・ジェームズ/M.R.ジェイムズ併読中

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 写真は、六号通り裏路地のあの子。

 併読中とは言いながら、実体はM.R.ジェイムズ優先である
(「M.R.ジェイムズ傑作集」 創元推理文庫 78初)。読んだ
記憶があるけれど、再読すると憶えていない。

 うちのPCに尋ねてみれば、07年8月14日に重版が売れて
いるから、読んだのはその前だが、ブログ・タイトルでは出て
こない。07年6月くらいから全部、チェックするしかないの
だろうか。ブログ内の検索欄に<M.R.ジェイムズ傑作集>
と打ちこんでも迷った挙句、<ありませんでした。>と返事する。

 ヘンリー・ジェームズとは違って、しっかり幽霊の姿なり行動なり
描かれているのに、こんなに忘れるのは何故だろう。穏やかな
書き方が、淡い印象の元になるのかと、自分の記憶力を責めずに
作者のせいにしよう。何度でも楽しめるから、薄い記憶力だって
いいじゃないか? そうかなあ。
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by byogakudo | 2009-05-29 13:59 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 05月 28日

渡辺啓助「海底結婚式」読了

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 夕べはずっと、「海底結婚式」(渡辺啓助 桃源社 書下し推理小説全集
第12巻 60初 函)を読んでいた。進駐軍もそろそろいなくなり、高度経済
成長期も始まるころの風俗小説として楽しんだ。

 代々木の英語学校に通う20歳の女性が、同じ学校に通う4人のオンリー
さんの英文ラヴレター代筆を、アルバイトでやっている。4人のうちの一人が
自殺する。間もなく、もう一人も自殺したと見なされるが、ヒロインは他殺で
あることを知っている。

 彼女が素人探偵として活躍する様子が描かれるのだが、教会経営の英語
学校の人々__暢気なオンリーさんや諦め気味の受験生がいるかと思えば、
奨学金を得てアメリカ留学しようとする優等生、癖のある教師等__戦後
風俗が面白い。

 スキューバダイヴィングは70年代から流行ったと思っていたが、もう
この頃から、米軍の影響で日本人もやり始めていたようだ。タイトルは、
オンリーさんと黒人兵の結婚式が海底で行われることに因む。

 70年代初め、渋谷・百軒店の上がり端、右側に「英文手紙代筆」とか
書かれた細長い掲示を見たことがある。「『恋文横町』の名残か」と思った。
 まだパルコも109もできる前で、渋谷は戦後の空気を引きずったまま、
なんとなく寂しい町だった。今よりずっと我慢できる町だ。東京が残って
いた頃である。
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by byogakudo | 2009-05-28 15:17 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 05月 27日

野村胡堂他「捕物小説集1」読了/ヘンリー・ジェームズ「ゴースト・ストーリー」へ

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 「蟹のおかく」なる女性名は、岡本綺堂の短篇にも出てくる名前だった
と思うが、何というタイトルだったかしら? 

 「捕物小説集1」(野村胡堂他 鱒書房 軽文学新書 55初)所収の
土師清二「紅勘殺し」のヒロイン(素人探偵役)・おかくさんの彫り物は、
両太股を合わせると一匹の蟹になる、ちょっと色っぽい彫り物である。
 綺堂のおかくは、たしか悪女だったが、もっと穏当な箇所に彫っていた
のじゃなかったか。思い出せない。

 それはともかく、作者あとがきに依れば「蟹のおかく」は、「甲子夜話」
に二人、登場するそうだ。(「甲子夜話」、読んでいません。)
 ひとりは女ごろつき、もうひとりが火消人足の元締で、どちらも両太股
に蟹の半身を彫っていたらしい。

 土師清二のあとがきの終りを引用。
< 捕物小説の主人公を女にしましたのは、異色をねらった売らんかな
 意識です。それに、わたくしは年増の色気を好みます。>(p137)

 ヘンリー・ジェームズ「ゴースト・ストーリー」(角川文庫 63再 J画・
小悪征夫) は5篇中ふたつは既読だが、頭から読んでいる。
 「古衣裳のロマンス」は、こんなに風俗小説風だったかと再認識する。
 次の「ド・グレイ物語」途中だが、今日、「海底結婚式」(渡辺啓助
桃源社 書下し推理小説全集第12巻 60初 函 元パラ端糊付)が手に
入ったので、そっちが先になりそうだ。
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by byogakudo | 2009-05-27 12:55 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 05月 26日

宮尾しげを「旅に拾った話」読了/野村胡堂他「捕物小説集1」へ

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 あんまり面白がれないまま、宮尾しげを「旅に拾った話」
(中公文庫 90初帯)を読み終える。元版だったら、それなりに
楽しんだかもしれない。
 熊本県の通潤橋の技術が、明治になって万世橋や新橋を
架ける技術へと引き継がれた話(p30)と、ソーラン節を弾く
猫の絵が可愛かったくらい。

 「粋人酔筆」シリーズも、もし活字の大きい近頃の文庫本に
収録されたら、つまんなくなるのだろうか?

 そこで、という訳ではないが、雰囲気だけはある「捕物小説集1」
(野村胡堂他 鱒書房 軽文学新書 55初 印)の出番だ。煙管と
灰吹きセット(?)の描かれたJが気分を出し、各編に今村恒美・
三谷一馬他、挿絵もついている。
 短篇のあとに必ず、作者あとがきがあるのも嬉しい。

 作品はというと、期待せずに読めば楽しめる。第一篇の横溝正史
なぞ、「オリエント急行」そのまま。
 城昌幸「狂い恋」に添えられた木俣清史の挿絵は、女の首無し死体の
描き方がうまい。上半身を少し持ち上げた死体の、襟元だけ見える
アングルの選び方がいい。乱れた足下の描き方は、脚がどこかに
消えたような感じで残念だけれど、扇情的になるのを避けている。
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by byogakudo | 2009-05-26 13:19 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 05月 25日

ジェイコブズ他「イギリス怪奇傑作集」読了/「旅に拾った話」もう少々

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 「イギリス怪奇傑作集」(ジェイコブズ他 福武文庫 91初)では、
何といってもアルフレッド・エドガー・コパード「ハンサムな
レディ」とアンガス・ウィルソン「ラズベリージャム」が素敵だった。

 前者の、19世紀末イギリス・田園地帯に残るケルトの面影。
おもちゃのように小さな森で、村のトリスタンと街から来たイズゥは
妖精の話をする。
 < 彼女は棒切れを拾って地面に四角や星の図を描いていた。>
(p52)__彼女は魔女だったのだろうか。

 教会の敷地内にいつもいる山羊たちの話が、トリスタンの死後、
墓掘り人によって再度詳しく語られる。
<「[略]ある日、山羊が婆さんについて教会の中に入ってきて、
 [略]ついに説教壇のところへ行って前足を聖書に乗せて『メー』
 と鳴きやがった。婆さんは少し怖かったけれど、山羊の信心に
 うたれて伴奏にオルガンを弾いてやったんだそうだ!」>(p66)

 どんな細部も読み落とせない、完璧な短篇だった。

 後者は、カポーティ「クリスマスの思い出」みたような、少年と
老女たちの間に生まれる共感の話。多少狂っていようが、聖女は
聖女である。
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by byogakudo | 2009-05-25 15:07 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 05月 24日

宮尾しげを「旅に拾った話」とジェイコブズ他「イギリス怪奇傑作集」併読中

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 写真は幡ヶ谷・六号通り裏の猫道で。あの辺りも長くうねった細い
路地が多い。

 「イギリス怪奇傑作集」(W.W.ジェイコブズ他 福武文庫 91初)が
手に入ったので持ち帰る。

 宮尾しげをは好きだけれど、できればオリジナルの朋文堂版で読む
方が、気分である。たしかに中公文庫に入っておかしくはないが、
ちょっと違うような気もする。中公ならもっと、ゴツいとまでは言わない
けれどもシブい本を収めた方が、フィットするのではないかしら。

 福武文庫の怪奇短篇集は、レ・ファニュも良かったし、ラテンアメリカ篇
もセレクトがいい。売れなかったから撤退したのだろうが、残念だ。

 ゆっくりとA.E.コパード「ハンサムなレディ」を味わう。コパード版の
「トリスタンとイズゥ」だった。

 鄙びた田園地帯に住む、役所の登録官(誕生と死亡の記録を司る)
がトリスタン、彼の妻と同じ名前の、街から来た借家人がイズゥである。
 ふたりのイズゥはほぼ同時に死に、トリスタンはその二十年後、穏やかな
死を迎える。棺に納められ、墓の中で本当に愛したイズゥと再会する。

 静かで、ひっそりした物語だ。
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by byogakudo | 2009-05-24 13:40 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 05月 23日

富岡多恵子「『英会話』私情」読了/宮尾しげを「旅に拾った話」へ

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 写真は、昼下がりの新橋・ネヴァモア小路。路地を覗きこんだ
途端、鴉が二羽、" Nevermore ! "と鳴いて飛び去った。

 忘れないうちに、今週の新着欄です。よろしく。
 新着欄

 昨日は暑過ぎて遠出する気になれず。店に来てPCを開き、数時間
過ごす。
 富岡多恵子「『英会話』私情」(集英社文庫 83初)と宮尾しげを
「旅に拾った話」(中公文庫 90初)を持ち帰った。

 「『英会話』私情」は、日本語を成分として出来上がっている
「あたし」なり「わたし」が抱く、外国語(英語)を喋っている
「あたし」や「わたし」への違和感の大元を考察する。

 巷にあふれる「英会話」教室の謳い文句、「『ネイティヴ・スピーカー』
による授業」の欺瞞を暴き、たんなるお稽古事としての「英会話」から
「たしなみとしての外国語(英語)」・実用としての外国語への道を示す。
 違和感から出発した、比較文化論だろうか。

 読み終わって、文化人類学というのは、カトリックの布教に始まる
植民地主義に対する、ヨーロッパ側の弁明として成立したのだろうかと、
やくざな感想を抱く。
 見る者は見られる者より、その場に於いては優位に立つ。
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by byogakudo | 2009-05-23 16:35 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 05月 22日

「ベルンハルト短篇集 ふちなし帽」/中原昌也「ソドムの映画市」読了

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 「ベルンハルト短篇集」が残り少ななので、何かないか。
買取本に「映画秘宝」が一冊。これにしよう。

 持ち帰ったら案の定、「ソドムの映画市_あるいはグレート
ハンティング的(反)批評闘争」(中原昌也 洋泉社 98年3刷)
を開いて読み始め、昨夜、読了。

 「映画秘宝」シリーズは全部読んだ訳ではないけれど、どれも
読後感がさわやかだ。

 そういえば、80年代には単館ロードショーが流行っていた。
あまり縁がなかったけれど(岩波ホールに「ルドヴィッヒ」を
見に行ったとき、古風なインテリ爺客の振舞いを目にした。
うんざりしてヒステリーを起しかけ、宇治晶氏にあやして
頂いたことがある。あのときは、ご迷惑をおかけして申訳ない)。

 くだらない映画を享受するのが知的でお洒落な行為みたいに
なってしまった80年代〜90年代の風潮に異議を唱える、誠実な
語り口の本である。

 今朝、「ベルンハルト短篇集 ふちなし帽」(トーマス・ベルンハルト
柏書房 05初帯)の残りも読了。

 ベルンハルト・フリークにはならなかったが、「イタリア人 断片」
に出てくる、旧家の家族のひとりが脚本を書き、家族で演じる劇の
話に心が動く。フェティッシュなオブジェ感覚が刺激されるのだろう。
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by byogakudo | 2009-05-22 15:36 | 読書ノート | Comments(3)