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2009年 07月 31日

「私は猫ストーカー」を三度見た

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 写真は雑司ヶ谷で遇ったごきげんな猫。

 必死の思いで9時過ぎに起きる。5倍の大きさになると聞いては、
そちらの版でも見たくなるのが人情。

 三回見ても名作。字幕をつけてヨーロッパの映画祭に出せないか
なあと、費用のことなぞ、とんと解らない素人は、つい、そんな
ことを考える。(でも出したら、きっと愛されるだろう。)

 服や小物雑貨が、細やかに丁寧に選ばれていると書くのを、
ずっと忘れていた。

 ハルが猫ストーキングする場面で、不審者扱いされないよう
いかにも取材風に、黄緑色のノートを取り出す。画面左側の、
植木に水やりする男の手には、同じく黄緑色のプラスティックの
如雨露であるとか、ハルと猫仙人とがふたり並んでいるときの、
彼女の淡いブルーのマフラー対、仙人の紺の帽子とマフラー。

 僧侶らしい(?)男の自転車になぜか片方だけついているミラーの
裏側が細かいモノクローム・チェックであり、ハルのマフラーが
緑色のチェックであること。
 他の登場人物たちの衣装もどれも画面とマッチするよう、神経が
遣われている。見ていて嬉しくなる。

 見終わって御苑方面へ歩きながらSと話す。
 「音楽、やっぱりいいなあ」
 「劇伴じゃなくて、きちんと映画音楽なんだと思うよ。シーンに
ぴったりのタイミングで音楽が入るから、ここに響くんだ」と、Sは
左胸をたたき、
 「プロフェッショナルな映画音楽だね」とつけ加える。

 えっ、「私は猫ストーカー」、8月も上映されるんですって!
すばらしい。
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by byogakudo | 2009-07-31 18:38 | 映画 | Comments(0)
2009年 07月 30日

矢野誠一「落語長屋の商売往来」読了

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 水を入れた桶を担いで売り歩く「水屋」の項は、湯浅喜久治の話を
マクラに始まる。1950年代の若い男が、ミネラルウォーターを愛飲
する話である。下部温泉から「日本エビアン水」というのを取り寄せて
飲んでいたそうだ。どんな味だろう?
     (文春文庫 03初 J)

 お師匠さんがいらして、
 「フランス行きと気仙沼行きを誘われてるんだ」
 どちらも東京の蒸し暑さよりいいが、どっちになさるだろう。
両方行かれたりして。

 「年刊SF傑作選」に手をつけているのに、文庫本の袋から
「眼中の人」(小島政二郎 岩波文庫 95初 J)を見つけて
読み出してしまった。むかし単行本で読んだ筈だが、いい
案配に忘れている。
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by byogakudo | 2009-07-30 13:48 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 07月 29日

続 「ひち人」の話

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 昨日の、「七」が上方では「ひち」になる話の続きです。
microjournalさんや美咲歌芽句からのコメントに加え、
関西在住のお客さまからもメールをいただいた。

 近年では「ひちや」(質屋)は存在しないそうです。あくまでも
「七=ひち」であって、「七」は「質」ではないから、ということ
でした。

 故・飯島愛が「潮干狩り」を「ひよしがり」と発音して、なぎら
健壱にからかわれてるシーンをTVで見た覚えがある。
 日本語は様々だ。
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by byogakudo | 2009-07-29 12:25 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 07月 28日

矢野誠一「落語長屋の商売往来」を読み始める

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 上方落語にも、よく触れている本だ(文春文庫 03初 J)。
いきなり質屋のはなしから始まる。

 大阪では「七」を「なな」と読まない場合、「しち」ではなく
「ひち」と発音するそうだが、ほんとうかしら。あるいはかつての
話なのか。
 質屋を平仮名で書くとき「ひちや」にしないと、大阪では誰も
質屋だと理解しない、と書いてあるのだが。

 Sが反応して、
 「『ひち人の侍』とか『荒野のひち人』って言うのかなあ?」
 わたしも知りたい、『四十ひち士』かどうかを。
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by byogakudo | 2009-07-28 15:59 | 読書ノート | Comments(3)
2009年 07月 27日

ピエール・サルヴァ「切り裂く手」読了 他

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「映画化記念 私は猫ストーカーフェア」 神保町・三省堂本店4F
 6月26日(金)〜7月27日(月)
 


 何か他にも読んでいた筈だが__ピエール・サルヴァ「切り裂く手」
(HPB 78初 VJ)というサスペンスだった。しかし、こんなに、はらはら
しないサスペンスも珍しい。

 浮気相手が殺され、夫にバレやしないかと不安に陥る、パリ郊外に
住むブルジョア・マダムの、焦燥感に駆られた4日間の物語。
 ヒロインに感情移入できず、最後まで、
 「バレて家庭が崩壊するのが怖いなら、浮気しなきゃよかったのにね」
と思い続けた。まあ、ブルジョア批判に力を入れたミステリなのかも。

 「武満徹対談選」(小沼純一編 ちくま学芸文庫 08初 帯)、ほぼ終る。
寺山修司と話しているのが、いちばんおかしかったかしら。
 谷川俊太郎との対話で、
< [略]ほんとうの美しさというか澄んだものというのは、それこそ非常に
 猥雑なものの上にしかうまれないよ。」(p278)と、言ってるも好き。
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by byogakudo | 2009-07-27 14:24 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 07月 26日

「ボン書店の幻_モダニズム出版社の光と影」読了

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「映画化記念 私は猫ストーカーフェア」 神保町・三省堂本店4F
 6月26日(金)〜7月27日(月)
   いよいよ明日までです。

 17日に神保町へ行ったとき上記のフロアで買った1冊、「ボン書店の幻
_モダニズム出版社の光と影」(内堀弘 ちくま文庫 09再)を昨夜、読了。
 きれいで哀しい本だった。「短くも美しく燃え」という映画タイトルが
あったけれど、日本のモダーニズムにぴったり当てはまる言葉なのが
口惜しい。

 明治以来の息せき切った西洋文明の吸収がやっと少しこなれて来た頃、
壊滅的な負け戦への道が見え始める。

 「モダーニズムやシュルレアリスムはもう古い」「これからは新体制だ」
のかけ声に消されて、花開きかけたモダーニズム文化は忘れ去られる。
 内在化に時間をかけることなく、質の善し悪しが問われることなく、
新しいもの/ことがいつも正義でもあるような、いつだって普請中の
混乱に生きるしかない日本人であることが、つらい。

 一緒に求めた「猫の客」はバブル経済期が時代背景だ。これも又、
歯噛みしながら読むのかしら。
 なごみとやすらぎといやしが苦手なばーさん、という、己の存在形態が
問題だ。でも今更、直しようがない。
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by byogakudo | 2009-07-26 15:10 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 07月 25日

暑くて風邪気味

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「映画化記念 私は猫ストーカーフェア」 神保町・三省堂本店4F
 6月26日(金)〜7月27日(月)
 

 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄
 新日本出版社の「世界新少年少女文学選」は、あと4冊、
09aケセランパサランに入っています。

 汗をかいてはクーラーに冷やされ、どうやら夏風邪のようです。
皆さまも、お気をつけ下さい。
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by byogakudo | 2009-07-25 14:37 | 雑録 | Comments(0)
2009年 07月 24日

五反田と動物病院へ

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「映画化記念 私は猫ストーカーフェア」 神保町・三省堂本店4F
 6月26日(金)〜7月27日(月)
 


 折りたたみ傘をもって地下鉄で五反田へ。ぼうっとしていた。新宿で
降りて新宿線に乗り換えようとしている。神保町に行っちゃうじゃない。
 大江戸線に戻り無事、五反田着。雨が降っている。南部古書会館の
1F、いちばん前の棚にはブルーシート。

 あれこれ買う。これだけで充分送りの重さだ。2Fでも、うろうろ。
お金が足りなくなり、引出しに行く。

 レジで代金を払い、本を受取るのを忘れて戻ろうとする先客がある。
湿気のせいで皆、ぼうっとするのかしら。わたしもいつか、やりそうな
気がする。本を探してお金を払うと、やるべきことは完了した、とも
言える。

 1、2階分合わせて一箱に入りきるだろうか。__単行本であと何冊か
入る隙間があったが、もう探す元気がない。
 駅前のヴェローチェで休憩。4:30pm頃、部屋に戻る。ひといきついて、
さあ、今度は近くの動物病院へ行かなくっちゃ。

 14歳になるモノクローム猫のNim(♀)だが、このところ食べた後で
口の中を気にすることが多い。食べ物が歯に引っかかっているのか、
虫歯かなにかあるのだろうか。口を開けさせてくれないので、確認
できない。

 そ知らぬ顔でバッグを用意。キャリーケースもあるが、猫の体重
4~5kgに加わるケースの重さが、体力的にきつくなった。なんとか
押し込んで動物病院へ。
 歯石ができていた。歯石が取れた痕が出血する。薬を飲ませるか、
注射にするかで、注射にした。食べ物の中に薬を入れても、彼女は
見破る。

 ヒトもネコも疲れて部屋に戻る。部屋猫歴14年なので、連れ出そうと
すると道中ずっと、「虐待されてまーす!」と言わんばかりの大声で
鳴き続ける。帰ってくればいつもの鳴き方である。
 いちおう信頼はしてくれているのだろう。バッグの中で爪を立てたり
噛んだりはしないけれど、大鳴きには弱る。ここは、ペット禁止の
アパートメントなのよ、ニム。
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by byogakudo | 2009-07-24 21:15 | 雑録 | Comments(0)
2009年 07月 23日

後藤暢子 他「中野本町の家」読了

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「映画化記念 私は猫ストーカーフェア」 神保町・三省堂本店4F
 6月26日(金)〜7月27日(月)
 

 1980年頃だっただろうか、地下鉄新中野の近くを歩いていたら
不思議な建物が蟠っていた。形状から「トーチカハウス」と呼んで
いたが、それが伊東豊雄の「G邸」(White U)であった。

 夫を亡くした姉とその娘たちのために、建築家である弟が設計した
家であることを、初めて知る。内省的な時空を求めて建てられた家は、
二十一年後の1997年2月28日に壊され、更地になる。
 母と娘たちの現在の意識や思考・生活にそぐわなくなったからである。
いわば家は、卒業された。

 建築家の作品として残し、次の住み手を探すこともできたであろうが、
彼女たちはそれを望まず、彼女たちの生きた記憶とともに在った家を
消滅させる方を選んだ。

 唐突に、皇后の実家が相続税支払いのために物納されると決まったときの、
地域の保存運動と、皇后の固辞とを思い出した。

 皇后が更地にする方を望んだのは、国民の税金が皇室費であると意識して
のことかと思うが、それと同時に、女性と彼女の家との密やかで親密な関わりに
理由があるのではないだろうか。
 自分が少女時代を過ごした家が記念館になり、人目にさらされて建物として
残り続けることを、女性は好まないのではないか。
 記憶が蹂躙されるというのは、大げさかもしれないが、それに近いものを感じて
固辞されたのではないだろうか。
 それに似たような意識から「中野本町の家」も残らなかったのではないかしら。

 もしも、配偶者を喪ったのが、建築家である弟の兄であったとしたら、内省の
家は建てられなかったかも知れないが、建物自体は作品として残されたのでは
ないか。男性と女性とでは家(houseでありhomeでもある)に対する感受性が
かなり異なる。

     (住まい学大系090 住まいの図書館出版局 98再 J)
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by byogakudo | 2009-07-23 16:20 | 読書ノート | Comments(0)
2009年 07月 22日

ジョン・ウィンダム「トリフィド時代」読了 

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「映画化記念 私は猫ストーカーフェア」 神保町・三省堂本店4F
 6月26日(金)〜7月27日(月)
 

 昨夜、ジョン・ウィンダム「トリフィド時代」(井上勇訳 創元推理文庫
66年5版)読了。

 第一章の終りにドレやモントゴメリ将軍についての脚注があり、末尾に
< なお、注はすべて訳者の恣意。>とある。
 第七章の最初の脚注は、
< 八月五日は広島のピカドンの日。>__ピカドン...。
 奥付の<訳者紹介>に<1901年広島県に生まる。>と記されている
のを見て、それならばと、了解する。わたしには使えない言葉だ。

 主人公とヒロインとが、文明に別れを告げる宵の場面がうつくしい。
 心ならずも盲人たちを見捨て、略奪行為に手を染め、ふたりともドレス
アップして、文明人として最後の社交的な会話や振舞いを交換することで
ひそかに、人類が築き上げた文明への別れを告げる。

 従容として死を迎えるのではなく、従容として野蛮状態へと向かう道を
選ぶシーンが哀しくせつない。イギリス的落着き、英国的良識というべきで
あろうか、一時の激情に駆られてヒロイックに行動するよりも、立て直しを
図る地道さを、彼らは選ぶ。
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by byogakudo | 2009-07-22 13:04 | 読書ノート | Comments(0)