猫額洞の日々

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2010年 06月 30日

町山智浩「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」読了

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 かつてのファビュラス・バーカー・ボーイズのひとり、町山智浩
「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」(文藝春秋
08年3刷 J欠)をようやく買取りで入手。早速読む。

 2006年から2008年にかけての、近過去アメリカ史が、おさらい
できる。何かの間違いみたようなブッシュJrのアメリカから、史上
初めてカラードの大統領が執務している現在まで。

 ついでに同時期の日本のていたらくも思い出す。愚かなブッシュJrの
前で、エルヴィス・ファッションで腰を振って見せた(二人ともゲイ
ではなさそうだが)国辱ものの首相・小泉純一郎。あの衣裳はレンタル
なのか、買ったのか? 代金は国費(税金)から出たのか、自費か? 
 当時の新聞では、別に批判も疑問も出てなかったようだけれど、
忘れていない執念深い日本人も、ここにいますの。

 ああ、あれもいた。竹中平蔵。政界から引退後に、自分で改正した
法律のおかげで儲けた会社のトップに納まり、てんで恥じない男だ。

 そんなこんなの悪夢の記憶を呼び覚ます、優れたコラム集であるが、
眠る前には岩本素白を手にとり、気を静める。やくざなスピードボール・
リーディングだ。
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by byogakudo | 2010-06-30 13:18 | 読書ノート | Comments(0)
2010年 06月 29日

前川清治「鎌倉アカデミア 三枝博音と若きかもめたち」読了

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~6月28日より続く

 著者は性格がいいのかしら、学園のうつくしい面だけ強調して、
暗い話は書かないようにしているみたいだ。すてきな学校だった
のは伝わってくるが、読後の印象は淡白である。

 ちょうど戦前から戦後への学制改革期にあたり、新しい大学として
申請しながら土地や建物を探すという同時進行作戦の無理が、「鎌倉
アカデミア」のその後に影響する。 

 善意の出資者であり学園理事長を勤めた久枝武之助であるが、
1946年の「金融緊急措置例」で資金が凍結されたことで、まず躓く。
 いつまでもお寺に間借りして授業を続ける訳に行かず、新校舎の
建設に奔走するも失敗。経営が成り立たないことの責任を取って
理事長を辞任した久枝武之助について、もう少し頁が割かれても
いいのではないかしら。
 学園経営者側と教師陣、学生たち、三者が同等に係って作ろうと
した学園の物語なのだから。

     (サイマル出版会 94初 J)
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by byogakudo | 2010-06-29 13:14 | 読書ノート | Comments(0)
2010年 06月 28日

前川清治「鎌倉アカデミア」半分強

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 買取本から持ち帰って読んでみる。たしか「彷書月刊」でも特集した
「鎌倉アカデミア」だが、理想の教育を目指したものの経営難や何かで、
長くは続かなかった学校だ。

 敗戦直後、これまでの教育制度__結局、立身出世が目的の旧帝大
コース__を否定し、自ら考え、師弟ともに討議を重ね、自立した思考が
できる人間を育成する大学を作ろうという動きが、鎌倉に起きた。鎌倉
在住の文化人が多かったのも、アイディアの源泉であろう。
 彼らが講師になった。服部之総、林達夫、吉野秀雄、長田秀雄、高見順、
吉田健一、村山知義、等々。ゴージャス。

 敗戦直後の「民主主義」がキラキラ輝いていた時代ならではの試みだ。
講師陣が多士済々なら、学生たちも戦前戦後の学制変更により、年齢も
出身校や在籍会社もさまざま、それに男女共学!
 学生たちの一員としては、津上忠、廣澤榮、鈴木清順、いずみたく、
前田武彦、山口瞳、等々。講師に劣らず豪華だ。

 面白いテーマなのに、今のところ、おとなし過ぎる文体の聞き書き集
なので、ややもすれば退屈。

     (サイマル出版会 94初 J)

6月29日に続く~
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by byogakudo | 2010-06-28 12:34 | 読書ノート | Comments(0)
2010年 06月 27日

E・V・カニンガム「おひまなペネロープ」読了

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 なんだかマン・レイ作品みたいな、咲きかけの桔梗。" Madam
Poitrine "とかタイトルされそうな。
 一昨日の相生橋近くの堤防裏で__古いコンクリートの堤防なので、
内側に狭い間隔の支え(胸壁?)がある。支えと支えの間を1ブロック
と勘定したのか、近所の人々がそれぞれの花壇を作っているようだ。
__Sが撮影。

 E・V・カニンガム、名前も知らない。タイトルは、後で思えば
聞いたことがあるような気もする。乾信一郎訳だから、好みの本では
ないかと見当をつけ、買って読む。

 まあまあ、愉しかった。大富豪夫人が夫の持つ銀行を襲い、成功
する。彼女は、同じ富豪仲間の友人から宝飾品を盗んだりもするが、
自己証明としての犯罪であろう。
 男のいう仕事や、女に要求される社交生活に退屈や疑問を抱き、
犯罪をやってのけるのが上品な中年(40代半ば)女性であるのが、
原作の発行年・1965年では、なかなかモダーンな設定だ。
 この延長上にウイメンズ・リブやフェミニズムがあるのだろう。

 夫以外の男性が警察関係者も含めて皆、彼女の若々しさ・愛らしさに
イカレて、彼女が犯人なのは見え見えなのにハッピーエンド。いい話だ。
     (HPB 68初 輸送箱ヤケ傷み)
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by byogakudo | 2010-06-27 14:36 | 読書ノート | Comments(0)
2010年 06月 26日

「ハーディ短編集 魔女の呪い」読了/「岩本素白随筆集 東海道品川宿」半分弱

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 写真は、昨日の「中の島公園」突端から河口を臨む。

 季節外れなのか、ハーディが合わないのか、面白がれないまま
読み終わる。最後の「マージェリと謎の男爵__ミルクしぼり娘の
ロマンティックな冒険」は、田園地帯に住むミドルクラスの娘が、
シンデレラになり損ねる話、と言ってしまっては残酷だが、
シンデレラを助けて王子様と結びつける善い魔法使いが、ここでは
外国人の男爵である。

 憂鬱症の男爵が、ひょんなことで自殺の危機を救われ、娘になにか
お礼をしようとする。けれども、ここはお伽噺の世界ではなく19世紀の
イギリスなので、彼の親切は却って、娘と同階級の婚約者との間に亀裂を
生じさせる。
 男爵はふたりの仲を回復させようと努め、婚約者である若いやり手
タイプの男も策略を廻らし、彼女は、とどのつまり、自分にふさわしい
元からの婚約者と結婚しました、とさ。という話。

 婚約者間のどたばたは、たぶんシェイクスピアでも読んでいれば、
ああ、あれねと該当本がありそうだが、なにぶん読んでないので、
なんとも言えない。
     (角川文庫 80年5刷 J)

「岩本素白随筆集 東海道品川宿」(来嶋靖生編 ウェッジ文庫 08再 J)、
すてきに落ちついた日本語だ。

 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄
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by byogakudo | 2010-06-26 15:51 | 読書ノート | Comments(0)
2010年 06月 25日

五反田から月島(佃)へ/すべての道は大川に通じる

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 ちょっと湿気が多いね、陽射しもあるなあと言いながら、とぼとぼと、
南部古書会館へ。Sは寝不足、わたしは湿度に弱く、呆然と本探しを
始める。いつも1階で買い過ぎる傾向があるが、今回も変わらない。
 2階でも買っていたら、一箱に収まらない量になった。なんてことだ。

 タリーズで休憩。先日「東京新聞」の航空写真で見た、船溜まりの
ある大川端に行くことにする。

 月島下車。地名で言うと佃3丁目辺りを歩く。大きな廃工場跡や
堤防の内側に作られた花壇を楽しんでから、川縁に降りる。
 水際までテラスが設けられているので、大波が来ると水しぶきを
浴びそうだ。幸福感に包まれて水と風を満喫する。
 左手を見ると、橋の下に小さな突端がある。あそこに降りてみたい。

 橋は相生橋だった。橋の中頃に階段があり、「中の島公園」と掲示
されている。ここも水が近い。先端は水に洗われた跡がある。油断すると
びしょ濡れで帰ることになりかねないから、危うきには近寄らない。
 自転車で来た近所の小学生は、ジャボジャボと池(?)に入っていたが。

 もう少し路地を歩いてから戻る。川端で1時間以上過ごせた。うれしい。
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by byogakudo | 2010-06-25 21:21 | 雑録 | Comments(0)
2010年 06月 24日

失礼!しました

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 昨日は失礼しました。USBを渡してコピー&ペーストを頼み、
そのままふたりとも画面を確認せずに、送信してしまいました。
 今朝macを開けてみて、びっくり。同じ文章が反復されている
(なんの効果も上げずに)。慌てて訂正いたしましたが、昨日
読んで下さった方々、どうもすみません。

 今日も、明日の晴れと暑さを告げる、ピンクとブルーの夕空。
梅雨入りが宣言されると、なぜか雨が降らないことが多い。宣言
前の方がよく降っていたような。
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by byogakudo | 2010-06-24 13:26 | 雑録 | Comments(0)
2010年 06月 23日

落ち穂拾い?

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 読みかけて放っていた文庫本を取りあえず2冊、持ち出しては
再開する。

 「ウェストレイクの犯罪学講座」(ドナルド・E・ウェストレイク
ハヤカワ・ミステリ文庫 78初 J)は短篇集。悪くはないけれど、
ウェストレイク・ファンではないので、あまり愉しめず。サーヴィス
精神が発揮され過ぎる長篇より、いいかな。
 もう少しで事件が解決しそうなのに、大した事件じゃないから、
もう止めて未決処理しろと命じられる老刑事の話「<老刑事レヴィン>
ろくでなしの死」が好きだ。

 この蒸し暑い季節に読むには、物語に入り辛い「魔女の呪い」
(ハーディ短編集 角川文庫 80年5版 J)だが、どうやら半分以上まで
やって来た。怪談というよりイギリス田園小説みたい。 
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by byogakudo | 2010-06-23 14:57 | 読書ノート | Comments(0)
2010年 06月 22日

立川談志「談志楽屋噺」読了

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 「第二章 粋と爛熟__私の好きな芸人たち」中の「惚れるだけ
惚れまくった芸人__アダチ龍光」がすてきだった。敬愛の念が
すなおに伝わってくる。

 立川談志でひとつ解らないのは、<その頃、私達ゃ寄るとさわると
バクチでさあネ。[中略]カジノでいうトゥエニィ・ワン、21だ。>
(P47)。
 アダチ龍光の篇にも、< 楽屋のバクチはドボンが多い、つまり
21(トエニィワン)だが、世界のカジノとはチト、ルールが違う。>
(p128)と表記されている。

 なぜ西海岸米語でフリガナするのだろう? アメリカ語は大体
聞き取り難いが、なぜ選りに選って、あめ玉をしゃぶりながら話す
ような、西海岸米語のルビになる?
 もしや、談志のハリウッド映画への愛がそうルビさせるのか?

     (文春文庫 99年9刷 J)
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by byogakudo | 2010-06-22 13:08 | 読書ノート | Comments(0)
2010年 06月 21日

日本にしか存在しないパリ

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 日本にしか存在しないパリ、という時空がある。ある瞬間に、
そこがパリに他ならぬ地であると直観する。

 店を始めたころ、いまは倉庫兼作業室に成り果てた奥の部屋が、
パリの屋根裏部屋になった。このままここで本を読み、絵を描いて
いられないかとSは願った。
 この写真の古いアパートメントも、西新宿・成子天神界隈から
モンマルトルへとジャンプした。
 前にも書いた覚えがあるが、中野駅北口、サンモール街の脇に
入った中古クラシックレコード店のある広場も、かつてはパリだった。

 たぶん日本人にしか視えないパリだろう。1970年代以前の、
憧憬の的であったパリに対する思いが、街を出現させる。神楽坂には
あまり感じないのに。
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by byogakudo | 2010-06-21 12:36 | 雑録 | Comments(0)