猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ

<   2011年 07月 ( 29 )   > この月の画像一覧


2011年 07月 31日

Daughters of Darkness (Les Levres Rouges) を見る

e0030187_13492093.jpg









click to enlarge


 デルフィーヌ・セイリグ出演作品を探していて、
Daughters of Darkness (Les Levres Rouges)を見つける。
 暇なので全編見てしまった。

 70年代によくあった、お洒落な観光地・文芸(?)・エロ(!)映画で、
デルフィーヌ・セイリグはバートリ・エリザベート役。オステンドや
ブリュージュ風景が見られる。

 いつだったか、観光地ヴェネツィアを舞台にしたニコラス・ローグ
「赤い影」を見た。
 運河をよぎるシーンで高らかにクラシックが流れたとき、思わず
笑い出してしまい、これを笑いながら見るようになっては、おしまい
ではないかと反省したことを思い出す。

 経験を欠いた無垢はダメになるに決まってるが、経験が思慮に至らず、
ただのすれっからしになってもダメだ。





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-07-31 13:49 | 映画 | Comments(0)
2011年 07月 30日

「マーニー」を見る

e0030187_1259690.jpg









click to enlarge


 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄 

 最近、義母のためにヒッチコックを借りに行っている。返却ついでに、
わたしたちも見る。

 久しぶりの「マーニー」だ。ティッピ・ヘドレンの子どもっぽさと
大人の女性らしさの同居が、魅力的。
 昔は女優は美人と決まっていた。いまは圧倒的な美女の需要がない
とは知っているけれど、寂しくないかしら?

 黒髪の女性の後ろ姿ばかり見せ、ヘアカラーを洗い落として元の
金髪に戻り、頭を振り上げて初めて、ティッピ・ヘドレンの顔を見せる
演出は、大仰に遠慮なく、ヴィーナス誕生、ファムファタール登場を
告げる。
 
 ヒッチコック映画のほとんどが、冷感症の美女ほどセクシーでうつくしい
ものはない、というフェティシズムの表明だが、「マーニー」では特に
顕著だ。

 最初、グレース・ケリーのハリウッド復帰作として計画されたが、
モナコ公国に問題が起きて復帰どころではなくなり、出演不可能になった
とかいうことだけれど、脚本を読んだグレース・ケリーが、王妃の立場に
ある者として、出演は止めようと決めたのではないだろうか。
 だって、幼児期のトラウマで、色情狂や放火魔になる代わりに、盗癖に
走った女の話だもの。女優としてのやりがいはあっても、王妃としては
公国に及ぼすイメージを考え、躊躇してもおかしくない。

 マーニーの狂気の原因になる水兵がブルース・ダーンなのも、今と
なっては時代の方向をよく現している。ハリウッドにも、ざらついた
70年代が近づいているのだ。暗喩ではなく、より直接的な表現を求める
時代が。(と言っても、近頃の3Dやノンストップ・アクションを思えば、
まだまだ、「表現」に心を使った時代である。)

 義母が「ハリーの災難」に感激したのが、嬉しかった。





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-07-30 12:53 | 映画 | Comments(0)
2011年 07月 29日

方南通りのあの子

e0030187_11561873.jpg









click to enlarge


 店に来るときは裏の住宅地を、帰りは方南通りを使う。
 あの猫に気づいたのは今年になってからだろうか。西新宿に向って
左側の歩道、植え込みの中で、どうも見たところ、用を足していた。
 「道を渡ったりしちゃいけないよ!」と、声をかけて通り過ぎた。

 それからときどき見かけるようになった。注意して歩くようになった
からでもある。
 車道のすぐ傍、植え込みのあるガードレール脇で、車のヘッドライトや
テールランプなにするもの、平然と涼んでいたり、ビル脇の白い塀の上に、
擬態してるみたいに(白に少し茶が混じっている猫だ)蟠っていたり。
 いつの間にか青い首輪までしている。

 たまに昼間にビル前を通るときがある。印刷所かなにかで、日中はいつも
シャッターが開けっ放し、男のひとたちが忙しげに出入りしている。
 印刷物の山の脇で悠然と、あの子はお昼ね寝していた。ピンクの座布団も
敷いてある(春頃の話)。
 中年男性から、短い外箒でからだを掻いてもらっているのも目撃した。

 2、3日前、早めに締めた帰りがけ、入口の土間は暗いが、まだビル奥の
部屋に明かりがついている。あの子は机の上でブラッシングしてもらって
いた。
 「ここかね?」 
 「ああ、そこそこ」、という吹き出しが聞こえそうな情景だ。女性の
いない中高年男性ばかりの職場で、完全にアイドルだ。
 やってもらってる猫と、世話をしている人間と、どちらがより幸福だろう。

 夕べも植え込み脇で会った。通りすがりの人間から声をかけられても
撫でられても、慣れっこなので、それがどうしたと言わんばかりの面倒
くさそうな反応をする。

 さっきも会った。小雨もよいなので、あの子のいる植え込み脇には、
ガードレールに結びつけた白いヴィニル傘がさしかけてある。
 あの子は夕べと同じように、働く人々にも通る人たちにも無関心そうに、
「のうのうと」を絵にした風情で坐っていた。





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-07-29 11:57 | 雑録 | Comments(0)
2011年 07月 28日

ジェームズ・ブリッシュ「悪魔の星」読了

e0030187_12305556.jpg






click to enlarge


7月25日の続き

 ああ、教養がないのが、とても残念。カトリックについても漠然としか
知らないし・・・。かなしい。
 調査に訪れた惑星リチアで「フィネガンズ・ウェイク」を読んでいる
イエズス会神父なんて、かっこいい主人公が設定されているのに、
ジョイスも読んでないし・・・。

 見た目は大きな蛇とカンガルーが合体したようなリチア人は、全員、
「スタートレック」(ブリッシュは「スタートレック」をノヴェライズ
しているけれど)のMr.スポックかと言いたくなるほど、理性的な知的
生命体。
 信仰なくして自主的・自律的で完全に融和した社会生活が営まれている、
理想郷・リチアを見て、生物学者でもある神父は不安になる。

< 彼らは暗い陰の思考をもったことがないのだろうか? 意味のない行動、
 盲目の知恵、生きることの空(むな)しさをうかがい知って、恐怖をおぼえ、
 急に疑惑にかられるような一瞬の無気力に襲われることのない、そんな
 理性的な生物がこの世に存在しうるとは、考えられるだろうか? 「この
 ゆるぎなき絶望という確固たる土台の上にのみ、魂の住かは無事に建つ
 のだ」と、かつてある有名な無神論者が書いている。>(p53)

 無原罪の知的生命体は、もしや悪魔の創造によるものではないかと考える
神父は、思考の果てに、悪魔にも創造力があると認めるマニ教的見解を抱く
ようになる。(ええと、これでよかったのかな? よく知らないもので・・・)。

 調査隊が地球に戻ってからの各人の行動など、もう少し細かく書かれていると
ストーリーに入りやすいんじゃないかしら。多少、肉付け不足に感じられ、後半が
急ぎ足に思える。
 リチア人の通信方法(地下の水晶に反響させる)や、地球の地下核シェルター
都市でのパーティ場面とか、すてきなのに、人間関係の描写はなんだか簡単
過ぎるような・・・。
 思弁的な事柄やイメージが膨らむ状景描写はきっちり押さえられているが、
人事にあんまり興味がないのかしら。

     (ジェームズ・ブリッシュ「悪魔の星」 創元推理文庫SF 67再 J)





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-07-28 12:19 | 読書ノート | Comments(0)
2011年 07月 27日

佐竹商店街 追記

e0030187_13574396.jpg










e0030187_13575472.jpg







click to enlarge


 昨日は「佐竹商店街」ホームページから商店街の歴史だけ紹介したが、
この頁上部にある「本に書かれた佐竹の話」欄の充実ぶりが素晴らしい!
のを書き忘れていた。
 高村光雲の佐竹原(さたけっぱら)での紙製大仏興行の話他がweb上で
読める。

 いいなあ、歴史のある町は。





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-07-27 13:59 | 雑録 | Comments(0)
2011年 07月 26日

佐竹商店街!

e0030187_13395917.jpg






click to enlarge


 体力確認のため、昨日も出かけた。大江戸線を新御徒町下車、鳥越から
蔵前コースだ。

 新御徒町A2出口から地上に上がり、蔵前方向を尋ね、いざ歩き出すと
すぐに面白そうな匂いにぶつかる。昔から続いてそうな店が並んでいる。
アーケードを見上げると、「佐竹商店街」。 佐竹商店街の歴史は、こんな
感じだそうです。

 義母へのおみやげを買った「(有)鳥越せんべい 加賀屋」の方に伺うと、
 「日本で二番目に古い商店街です。一番は石川県片町だったかな。
100年の歴史があります。もちろんアーケードができたりしたのは、
ずっと後ですが」とのこと。

道幅も各店舗もゆったりしている。アーケードの下、ハワイアンが流れる。
脇道にそれると、秋葉神社や大きめの竹町公園。
 東の東京は時間が堆積しているのが魅力だ。

 さらに道を渡り、鳥越1丁目、「おかず横町」に。アーケードはないが、
ここにもハワイアンが流れる。
 商店街の真ん中辺りに、マンションが建ちかけている。もったいない
・・・。脇道や路地が、こんなにうつくしいのに。

 初午のビラで知るだけの「鳥越神社」にやっと行った。境内には
虫取り網を持つ小学生の女の子たち数人。男の子はセミ取りしないの
かしら?

 3pm過ぎに出てきて、4:30pm、蔵前2丁目の「ドトール」で
休憩。22日(金曜日)の両国橋「モスバーガー」もそうだったが、
東の方はどこも節電意識が高い。冷房控えめなので、隣のサラリー
マンたちは、しきりと扇子を使っている。

 6月6日にも通った「楫取(かじとり)稲荷神社」、「首尾の松」の
ある広い通りから蔵前橋を下り、陽の当る側の隅田川テラスを厩橋
まで歩く。
 早く両岸ともテラスが繋がるといい。今は、どの橋から下りられるか、
考えて歩かなければならない。余計な施設抜きの単なる散歩道が、大川に
沿って連なる日が来るとうれしい。

 御蔵前書房、文房具の祥文堂、久しぶりのタイガービル__60年代
ヴィンテージ家具のHOWLING UNITYは相変わらず趣味がよく、反対側
のNOCEの60年代風復刻家具も、若いひとが買える値段なのがすてきだ
__、6pm頃、大江戸線・蔵前駅A7から戻る。





..... Ads by Excite ........
  
[PR]

by byogakudo | 2011-07-26 13:40 | 雑録 | Comments(0)
2011年 07月 25日

ジェームズ・ブリッシュ「悪魔の星」1/3

e0030187_123469.jpg









click to enlarge


 やっと読み出したジェームズ・ブリッシュ「悪魔の星」(創元推理文庫SF 67再 J)
だが、惑星リチアの調査隊員で、イエズス会修道士・生物学者の主人公は、ピエール・
テイヤール・ド・シャルダンをヒントに創られているのかしら。

 原罪を持たないリチアの住民を目にして、主人公は神学的な不安に駆られる。
 リチアの風景はレメディオス・バロが挿絵を描けばぴったりだし、ブリッシュは
ほんとに変な作家だ。

7月28日へ





..... Ads by Excite ........
 
[PR]

by byogakudo | 2011-07-25 12:04 | 読書ノート | Comments(0)
2011年 07月 24日

本郷館も殺される・・・

e0030187_14392498.jpg






click to enlarge


 7月いっぱいで本郷館も取り壊されるそうだ。今の所有者は会社組織だが、
元のオーナーは、おそらく相続税の問題で売却したのではないだろうか。

 歳月を経てきた建築物には、今では資金的にも技術的にも造れない建物が
ある。長年その地にあり、地域の風景を創り、界隈の人々や訪れた人々に
親しまれ愛されている建物が、戦火や大災害に遭ったわけでもないのに
取り壊され、殺されて行く。

 相続税による富の再配分の理屈は解る。けれども、風景や景観的な価値を
まったく認めず、杓子定規に固定資産税や相続税を賦課するのは、観光立国
とかなんとか言ってる国家の趣旨に反する、という議論も立てられる。
 今すぐ税収として入って来なくとも、景観や風景を将来的な観光資源として
見てみるなら、古くてうつくしい建物の維持保存にむしろ、お金を投資する
方法もあるだろう。

 石の建物と木造建築物は永続性が違う、と言われかねないが、古刹はすべて
木造建築物だ。個人所有の住宅やビルであっても、美の観点からの保存が
あっていいんじゃないか。

 役人の天下り先になり得ない、個人住宅や小規模商店のビルなんぞ存在理由が
ない、と思う人たちの手によって、今日も東京から欠片さえ奪われて行く。
 ゼネコンや金融を儲けさせない、天下り先にもならない「美」なんて、意味
ないんでしょ。

 古泉改革のときだったと思うが、小規模な有限会社を減らして、株式会社設立を
押し進める法案が通った。倒産の自由に溢れる、無限責任の会社や商店ではなく、
有限責任で、特定集団にとって使い勝手の良い株式会社を増やそうという意図だろう。
 自己責任は、貧者に押しつけられた言葉である。





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-07-24 13:40 | 雑録 | Comments(0)
2011年 07月 23日

アーウィン・ショー/常盤新平 訳「夏の日の声」読了

e0030187_12394252.jpg









click to enlarge


 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄 

 50代になり少し老いを意識し始めたロシア系ユダヤ人男性が、野球を
している息子の様子を眺めながら過去を振り返る、1964年・アメリカ
東部の夏の日の午後、の物語。

 イディッシュ語をほとんど解さず、アメリカ人として自己認識する主人公
だが、生きて来た折々には、ユダヤ系であることを意識せずにはいられない
出来事がある。

 主人公の父はロシア生まれなので、なおさらアメリカ人になろうという思いが
強く、第一次大戦に志願する。主人公とその弟は第二次大戦で戦う。主人公の
息子は小説では描かれていないが、近い将来、ヴェトナムへ行くだろう。
(あるいは反戦意識からカナダへ亡命するかもしれない。)

 父と息子の物語でもある。アメリカは歴史が若いから、伝統や繋がりの意識が
むしろ強くなり、父と息子の関係を主題とした物語が語り続けられるのだろうか。
 ユダヤ・キリスト教文明圏は、父と息子の物語を紡ぎ出す、とも言える。

 圧政から逃れて自由な国家を創ろうと建国されたアメリカにも、階級は
発生する。貧富の差と民族的な違いから階級が決まるのは、今にも続く。
 ケネディが暗殺された1963年秋のショックは、主人公から離れない。サッコ・
ヴァンゼッティ事件の記憶も離れない。上流階級の子どもたちが通う高校では、
サッコ・ヴァンゼッティ事件そのものが教えられていないことを知り、さらに
衝撃を受ける。

 個人の過去は、民族や国家の歴史と無関係ではあり得ない。それはよく解るが、
距離感が近すぎると感じた。構造がくっきりしている分、小説のふくらみが小さく
なるような気がする。

     (アーウィン・ショー/常盤新平 訳「夏の日の声」 講談社文庫 90初 帯 J)





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-07-23 12:36 | 読書ノート | Comments(0)
2011年 07月 22日

手帖は嘘つかない

e0030187_19365160.jpg






click to enlarge


 金曜日だ。地下鉄大江戸線に乗る。すぐ飯田橋方面行きに乗り換える。
そう、五反田の日であるにも拘らず大川を目指す、しょうもない古本屋
二人組である。

 蔵前下車。どんなルートを取るか、あんまり考えてなかったので、
取りあえず厩橋を渡り、対岸の隅田川テラスに降りる。
 忌々しいスカイツリーがほぼ完成し、その先には金色の雲虎(©岸田劉生)
オブジェが見える。用地買収が安く上がるように、あの細長い、仏具風・
燈明風フォルムが選ばれたに違いない。

 大川は水かさが増している。台風の余波で暗く濁り、船の陰には木屑や
ごみの溜まりがある。ブルーシートに今日付けで、「7月28日までに撤去
するよう」記されたビラが貼られている。ペットボトルの川の水(?)を
測定しているような中年男性グループがいた。

 右岸の柳橋を見て、両国橋から上がる。ときどき日が射して来た。
 竪川付近をうろつく。古そうな「絵島杉山神社」(墨田区千歳1丁目)、
千歳橋(墨田区両国4丁目)を渡るときに遇った、翼を広げ、羽に風を
通しているみたいな黒い鵜。

 3pm過ぎ、両国駅近くのモスバーガーで休憩。東の方のお店は、
しっかり節電しているのかエアコンが弱く、扇風機も回っている。
久しぶりの散歩だけれど、強行軍を避け、ここらで戻るべきか。
 このところ充分に歩いてないなあと、手帖を見てみたら、5月20日
には両国から森下へ、6月6日は蔵前。月に一度は大川行きしていた。

 交叉点近くにB.O.があったので、言い訳がましく寄ってみよう。
 ところが、手前に「US古着」の看板があった。店頭近くにオバマTシャツ
がぶら下がり、期待せずになんとなく入ってみたら、好みの服がある。
わたしは両国に服を買いに来たのかしら。

 B.O.にも寄ったが何もない。森下まで歩いて地下鉄で戻る。5:30pm、
帰宅。

 写真は、前回か前々回の大川端で。





..... Ads by Excite ........
[PR]

by byogakudo | 2011-07-22 19:37 | 雑録 | Comments(0)