猫額洞の日々

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2012年 01月 31日

風の中の散歩/荻窪

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 今日と昨日のお天気が入れ替わっていたら楽勝だったのに。
 昨日はときおり冷たい風の吹く中、荻窪・大田黒公園を散歩。
角川庭園の案内表示を見て探したが、行き着いた先は前に入った
ことのある大田黒邸跡である。

 いつも変わらない静かな公園だ。広い池は、日影になった箇所が
凍っている。人の気配を知ると顔を出す、大きな鯉の群が見当たらない
と思ったら、凍った池面の下でゆっくりと泳いでいる。鯉は活動量を
減らして冬を過ごすのだろうか。

 洋館が公開されていたので入ってみる。一階・サロン部分だけ見られる。
ドアの高さが180cmくらいなのに驚く。ふすまサイズなのか?

 サロン天井は庭に面したところは低め、奥が高くなっている。家具やピアノ、
大田黒元雄の開催したコンサートのパンフレット(オリジナル)、第一書房刊の
著書のコピー、彼が撮った絵画調写真などが展示されていた。

 風が止まない。霜柱のある細長い道を戻る。霜柱を見たり踏んだりしたのは、
小学校以来みたいに思う。

 次は角川庭園の場所を確認してから、訪れてみよう。荻窪南口にはあまり
喫茶店がないのが、とくに寒い時期の難点だ。





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by byogakudo | 2012-01-31 15:20 | 雑録 | Comments(0)
2012年 01月 29日

ジャック・フィニイ「完全脱獄」を読み始める

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 読んでない筈なので、ジャック・フィニイ「完全脱獄」を
持ち帰った。たしかに読んでいない。ついでに、昔、「五人対
賭博場」を読みたいと思っていたことも思い出したが、果たして
読んだだろうか? 「ゲイルズバーグ」を読んでいないことは、
たしかだが。

 渡辺京二を読み続けようか、迷っている。まったく何もなければ
読むだろうが、「命短し 急げよ 老人」としては、そんな時間がある
かなあ? 死ぬ間際まで、何を読んでるか理解できる頭と視力が続いて
いることを祈る、業つくばりである。





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by byogakudo | 2012-01-29 17:07 | 読書ノート | Comments(0)
2012年 01月 28日

吉田健一「頭の洗濯」読了

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 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄 

 森茉莉のエッセイが熊本日々新聞だったかに連載されたことが
あると覚えているが(未確認)、こちらも1959年9月から11月に
かけ、熊本日々新聞連載のエッセイをまとめたものである。

 全国紙・地方紙を問わず、出版社の大小に関係なく、目のいい
編集者がいるかどうかが、作家に作品を書かせ、読者が実りを
味う幸運をもたらす。

 小説を書き出す以前のエッセイだが、吉田健一の変わらなさが
楽しい。要約しにくい文体なので、一部引用するのも難しいところが
あるけれど、あえて「暗君」から引用する。

< ヨーロッパの貴族は、自分が属している階級よりも下のものは
 人間ではないという考えから出発している。或は、それが人間ならば、
 自分はこれに更に何かを加えたものなのであつて、その何かは自分より
 下のものに對して生殺の権を持つことも許した。というのは、それは
 はつきりした権利だつたので、悪い人間は罰するというのと違い、気に
 入らない人間は踏みにじれるのが貴族だつたのである。そういう
 身分のものなのだから、或る種類のことはしないという道徳観も
 そこから生れて来る。>(p116~117)

 この前後に、東洋と西洋の貴族制度の違いが記されている。

 昔の読者層の水準って、今より高かったのだろうか?

     (文藝春秋新社 60再 J)





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by byogakudo | 2012-01-28 13:09 | 読書ノート | Comments(0)
2012年 01月 26日

吉田健一で口直し?

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 渡辺京二「逝きし世の面影」とあんまり相性が良くなくて、ちょっと
読んでは吉田健一のエッセイ集「頭の洗濯」を一回分だけ、と思い
ながら二、三回分読んで口直ししている。クールでいいな、吉田健一。

 文学者と歴史家の文体の違いと言ってしまっていいものだろうか、
渡辺京二の文体がどうも肌理が荒い。

 イギリスには産業革命の影響と言われるべき事態はじつはなかった
のが、近年の英国史の定説になっているようだとか書いたすぐ後で、
イギリス・産業革命当時の貧民街についての記述が続く。

 今、手元に本がないので、正確な引用ができないが、産業革命の影響が
あったと言っていいのか、言うべきではないのか、その議論を飛ばして、
同時代の日英・両国の貧民たちの差異を語るのは、彼もまた、彼の嫌う
左翼系歴史学者と同じ、自分に都合のいいポイントだけ選んで述べる
姿勢ではないかしら。

 もう一度、その件りを読み直してみるつもりだが、ブリリアントじゃない
文体なのが辛い。





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by byogakudo | 2012-01-26 13:09 | 読書ノート | Comments(0)
2012年 01月 25日

見回り

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 写真は、たしか、おかず横丁の路地。

 「PRISCILLA BOOKS プリシラブックス」の場所を間違って
書いていたので訂正しました。

 今日は、いらっしゃりそうとの予感が当り、お師匠さんが見回りに
来られる。店内がますます、けもの道化への道を辿っているので、
とても気が引ける。入荷と出荷のバランスが取れないので、とは
言い訳。売るのを諦めた本を、捨て続けるしか方法はない。

 帰るさ、お師匠さんの一言、
 「ま、がんばってね」

 大して代わり映えのしない本棚から、それでも見つけ出し、
買って行ってくださる、ありがたいお師匠さんである。恐縮。

 お師匠さんは、また、近々地震がありそうな気がすると仰る。
あれだけ大きな地震が起ると、その後2~3年間、大地震の
確率が高まる。

 地球に居候している人類のひとりとして、地震活動は受け入れ
ざるを得ないけれど、原発はひとの手で止められる。どれだけ
安定状態を保って止められるかは疑問だが、できることと言ったら、
それくらいだろう。





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by byogakudo | 2012-01-25 15:16 | 雑録 | Comments(0)
2012年 01月 24日

子母沢寛「お坊主天狗」読了

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 エッセイしか読んでいなかった子母沢寛の小説に初挑戦。
(「二丁目の角の物語」は小説というより自伝風エッセイに近い
だろう。)

 すぐに時代劇や歌舞伎に脚色できそうなストーリーだ。
 親の敵を討とうとする主人公の動きが物語のダイナモだが、
幕末の本所深川に暮す市井の人々が大勢登場して、いかにも
江戸の空気が伝わる。

 ストーリー背景は七五調の会話の中で過不足なく知らされ、
一応の仇討ちを果たした主人公が、物語の途中で姿を消して
読者と周囲の人々を不審がらせ、はらはらさせる、自由自在な
省エネ筆法だ。この手があったか。

 会話の中で、「味覚極楽」の作者らしく、食べ物の蘊蓄が語られ、
「愛猿記」を思い出させるお猿さんも出てくる。(「愛猿記」、また
読みたくなった。)

(徳間文庫 1990初 J)





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by byogakudo | 2012-01-24 13:44 | 読書ノート | Comments(0)
2012年 01月 22日

慌ててお知らせ

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 昨日は鈴木創士氏の「サブ・ローザ」に熱狂するあまり、新着欄の
お知らせを忘れていました。もちろんあります。よろしく。
 新着欄





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by byogakudo | 2012-01-22 14:58 | 告知 | Comments(0)
2012年 01月 21日

鈴木創士「サブ・ローザ」読了__すばらしい!

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 鈴木創士氏には縦書きハードカヴァがよく似合う。

 webで読んでる第一部がメインなんだろうと油断しているあなた、
本の形で再読してごらんなさい。書き手の思考の速度に引きずられて、
読み手もスピードアップする気持良さは、開きのいい単行本の形である
からこそ得られる。横組のwebでも内容理解はできるが、身体的読書の
快楽は、単行本ならではのものである。書かれた言葉が読者の身体へと
浸透する。

 音を聴いているときの状態にも似た読書体験だ。彼は日本文学史上
初めての、音楽の感じられる作家ではないかしら。クラシック・ファン
の小説家は多いだろうが、作家の身体にしみ込んだ音楽性という面では、
誰も鈴木創士氏には敵わない。近代文学に疎い奴の言うことだが、直感的
真実って存在するの!

 そして、ビート。彼の文体を特徴づけるものである。
 ジグザグにヨタりながら(?)、読者を阿呆船に乗り込ませる魔術的
レトリックの乱打__快楽には素直に負けましょうね。

 「ルネッサンスについての若干の覚書」二篇が、今回、面白かった。
エートル叢書14巻/イヴ・ボヌフォワ「ありそうもないこと」が
読んでみたくなった。

     (現代思潮新社 2011初 帯 J)





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by byogakudo | 2012-01-21 14:23 | 読書ノート | Comments(0)
2012年 01月 19日

入江相政「城の中」/山田太一 編「浅草 土地の記憶」読了

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 「城の中」は昔読んだ筈だが、すっかり忘れていた。敗戦後は、
天皇のリベラルさ、皇室と国民との距離の近さを訴えていたけれど、
近頃はなんて変り様だろう。
 女性宮家を創るったって、維持費の元は税金だ。世界恐慌の怖れや
東日本大震災と原発事故の後始末に追われている現状で、どう予算を
絞り出すのだろう?
     (中公文庫 78初 J)

山田太一 編「浅草 土地の記憶」は、浅草への思いを手放しでノスタル
ジックに語るのではなく、しょうがねえなあと言いつつ愛する姿勢が
窺われる編集である。

 安藤鶴夫「敗戦直後」より引用する。
<[略]オペラ館に「葛飾情話」が上演された時、舞台稽古の夜の
 永井荷風を見たい一心から、私は夜ふけてオペラ館の一隅に席を
 占めた。
  あとにもさきにも、自作を上演される事の喜びを、舞台稽古と
 いう特殊な衆人の中で、あれほどまでに思い切りむき出しにして
 見せた作家を、私はみた事がない。
  その夜の偏奇館主人は、世にも幸福そのものであった。客席の若い
 女優達に一人一人サンドイッチを配って歩くかと思うと、立見席と
 立見席の柵と柵の間に両腕を突っ張っては、鶴のように美しい長身を、
 子供のようにぶらぶらさせてみたり、菅原明朗の指揮するオーケストラ
 ・ボックスの傍から、青年のような身軽さで舞台を通り抜けてゆくかと
 思うと、道具の飾ってないまる見えの楽屋で、踊り子達と声を立てて
 笑ったりしていたその夜の荷風散人を、私は生涯忘れぬであろう。私は
 ほとんど舞台の稽古をみる事なしに、一と夜ほしいままに、"永井荷風"
 を堪能した。>(p179)

     (岩波現代文庫 2000初 J)





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by byogakudo | 2012-01-19 13:30 | 読書ノート | Comments(0)
2012年 01月 18日

鈴木創士「サブ・ローザ」を頂く

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 石井恭二の四十九日・1月17日に合わせて刊行された、鈴木
創士氏による追悼本「サブ・ローザ」がさっき届いた。
 いつもありがとうございます。

 鈴木創士氏が現代思潮新社のサイトに、毎月1日に出されている
コラムをまとめた(手直しもあり)ものが第一部、いろいろな媒体に
書かれた文章を集めたのが第二部の、二部構成である。

 第一部の、webで読んだ文章が本の形で再読できるのはうれしい。
落ちついて読める。

 第二部の冒頭はEP-4のCDに付けられたリーフレットから始まり、雑誌や
新聞に寄せた文章が続き、香水echelleのリーフレットで終わる。
 音で始まり香りで終わる、いかした構成だ。

     (現代思潮新社 2012初 帯 J)





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by byogakudo | 2012-01-18 14:34 | 読書ノート | Comments(0)