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2013年 06月 30日

数冊諦め、D・E・ウェストレイク「殺しあい」にしよう

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 「おそめ」で中断したハドリイ・チェイス「フィナーレは
念入りに」は諦めて出品しよう。リチャード・スターク
「俳優強盗と嘘つき娘」は2冊あるから、読もうと思えば
いつでも再開できる。

 クリスチアナ・ブランド「招かれざる客たちのビュッフェ」は
全部は読んでないけれどもういいか、出しちゃおう。浅倉久志訳
「SF短編傑作選 きょうも上天気」は持ち出しかけて考え直す。
もう少し手元に置いておこう。
 「ネコ好きに捧げるミステリー」は読みたい作家のものは読了。
でも荷物が重くなったから、次回にまわす。

 途中で止めるのは不本意だけれど、読みたい気分が失せてしまえば、
しかたないじゃないか、と思っても罪悪感に似た何かを感じる。
 D・E・ウェストレイク「殺しあい」は長編第二作。第一章から銃声が響く。
先に読んだSによれば、登場人物が大勢だそうだ。あんまり軽妙過ぎない
タッチを望んでいるが、たぶん大丈夫だろう。
 
     (HPB 1963初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-06-30 12:47 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 06月 29日

ジョナサン・ラティマー「モルグの女」読了

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 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄  

 大昔に読んだかもしれないと思ったが、どうやら読んでなかった
ようなジョナサン・ラティマー「モルグの女」だ。
 ドタバタぶりがめんどくさく感じられるのは、時代的な差だろう。
悪くはなくって、読むのに時間をかけすぎた方が悪い。

 何か意味があるのか、わたしにもわからない我がライフワーク、
欧米人がメモを取るとき、封筒の裏を使う事例が出てきた。

 但し、今回はなぜ封筒を持っているのか理由がある。行方不明の
女性が、もしかしたらモルグから盗まれた死体の女性かもしれない
ので、写真を送ってもらった。そのときの封筒である。大抵は、なぜ
封筒を持っているのか不明で、この本でもまず、不明の方から書き
出すと__

< シカゴ・トリビューンのシャドウ・ジョーンズが聞いた。
  「あなたの従妹さんの苗字は何ていいます?」封筒の裏に書付けた
 名前を、ちらっと見た。>(p29下段)

 次は写真が入っていた封筒を使う例__

< 会ったうちの三人は、クレインが封筒の裏に書付けるだけのことは
 しゃべった。>(p90上段)
< クレインは困ったように唸ってみせて、いっぱいに書込みした封筒の
 裏を調べた。>(p94上段)

 終わりの方でも出てくるが、これも写真の入っていた封筒だろうか?__

<「さあ! ぼくはとても彼女に会いたいんだ」鉛筆を出して、封筒の裏に
 何か書きつけた。「彼女の行先をつかめそうなところが、これに二つばかり
 書いてある」>(p244上段)
< ウィリアムズはクレインが書きつけた封筒を、ジョンスンに渡した。「この
 しまいのアドレスはいったいどこにあるんです?」
  ジョンスン記者は面食らったような顔をして、封筒をながめた。>(p244下段)

     (HPB 1962初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-06-29 13:09 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 06月 27日

joe

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 久しぶりに晴れた。暑いけれど風はさわやか。店内にお客さまの
姿を久しぶりに見る。

 初めての(たぶん)お客さまが、スピーディに熱心に、ミステリや
幻想と怪奇系の棚をチェックして買ってくださり、領収証を求め
られる。
 宛先を伺うと、「ジョウで」と仰る。

 一瞬の後、頭の中で漢字変換。「上」だ。幻の「上」だ。ぐっと
来る。

 古本屋に成り立ての頃、領収証に「上様」と書くのは、「上に
同じ」「同上」の意味だから、「ウエサマ」ではなく「ジョウサマ」
であると、読んだことがある。
 酢豆腐なあたしは、もちろんすぐに使ってみた。もちろん空振り
して、「ウエでお願いします」と言い直した。

 その「ジョウ」にやっと、店側として対面した。感動するでは
ありませんか?





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by byogakudo | 2013-06-27 16:14 | 雑録 | Comments(0)
2013年 06月 26日

磯崎新 編著「建物が残った 近代建築の保存と転生」ほぼ読了

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 「銀座レトロギャラリーMUSEE」の若いオーナーは、大分で
代々、建設業を営む家系に属する。
 辰野金吾設計の「大分銀行赤レンガ館」は曾祖父、「宇佐神宮
宝物館」が祖父、「大分市美術館」を手がけた父は、磯崎新の
「大分県立大分図書館」の保存運動を指揮して、「大分市美術館
アートプラザ」として再生、そして現代表は、銀座の古いビルを
救った。
 「銀座レトロギャラリーMUSEE」見学に行く前に、一夜漬けだ
けれど、関連本として読んでおきたい。

 建築は建築家の作品であると同時に、実用に供されるモノだ。
メンテナンスが悪くて悲しい姿を晒したり、丁寧に維持されたと
しても、新たな設備の導入が難しかったり、耐震の問題などが
生じる。
 スクラップ&ビルドを奨励する税制の問題も、とても大きい。
詳しい税制を知る由もないが、じつはこれが、いちばんの問題
ではないか。
 銀行ローンと大手建設会社とがタッグを組む新建材住宅は
建てやすく、古いビルや住宅を手直しして使うことには冷たい
税制である。
 街並の保存、記憶の容れ物としての建築なぞという考え方は、
贅沢で無駄で感傷的だと言われているに等しい。

 建築を巡るそんな状況で、どうやって「大分県立大分図書館」が
「大分市美術館アートプラザ」に転生できたか。
 建物を残したいという意志が政治力と手をつなぎ、実現した。
(隣り合う「大分県医師会館」の保存にも、何か有効な手だては
ないだろうか。)

 読んでいてピンと来たのが、<パトロナージュの文化>だ。今なら
施行主である自治体と請負った建築事務所との近代的な(!)契約
関係になる県立図書館の建設だが、1960年代頃までは近世的と
言ってもよいだろう、旦那衆とアーティストとの関係が存在していて、
地元出身の若い建築家・磯崎新に話が持ち込まれた。
 そのパトロナージュ精神の遺産が、保存・転用が実現した、この場合
にも力を発揮したと思う。

 話が逸れるが、阿佐ヶ谷住宅の保存に手を挙げるIT長者はいない
ものかと嘆いたことがあるが、無理な相談だった。彼らの成長過程で
パトロナージュの空間に接する時期はなかっただろう。知らないものに
目覚めることはできない。

 アートや文化が、経済性を持たない不要なものと見做されてきた__
外国で評価され、換金できると解れば奉られるけれど__明治以来の
近現代日本だが、地方都市で生き延びたパトロナージュ文化、アートと
実業との結婚が東京でも有効であることを証明したのが、「銀座レトロ
ギャラリーMUSEE」であろう。

     (岩波書店 1998初 帯 J)





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by byogakudo | 2013-06-26 14:05 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 06月 25日

旧玉ノ井?

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 旧玉ノ井にしようか、鐘淵?、いや平井?と、行く当てが決まらなかった。
おとなしく蔵前、案も出たが、浅草から旧玉ノ井にしようと、昨日は午後に
出かけた。杉並からは地下鉄乗り継ぎで一時間かかる。

 浅草駅の地下街、顕在。よかった。
 東武伊勢崎線は名前が変わっていた。よくない。東向島駅下車。駅名に、
(旧玉ノ井)とある。

 暑くなりそうだ。着くなり、駅前のマクドナルドで休憩する。新宿辺りの
マックと違って、席と席の間が広い。窓から見える駅名「東向島(旧玉ノ井)」
を見ながら、すでに旅情を得ている。

 ここで散歩を終わる訳には行かないが、外に出てみると思った以上に暑い。
前にWEBで旧玉ノ井散策ルートを調べたことがあったが、前日の再確認を怠り、
あやふやである。
 古い商店街、たとえば鳩の街商店街はどこでしょうか?と、尋ねてみた。
詳しく教えてくださったのに、大通りを歩くのがいやで、手前の地蔵坂
商店街に日和った。
 あとで地図を見ると、明治通を越え、もっとずっと水戸街道を進まないと、
鳩の街には着かない。

 なんとなく地蔵坂商店街を過ぎ、墨堤通に出た。昔の通りの様子が写真版で
掲示されている。たしかに大川端の堤だったのだ。
 暑くてぼうっとする。ここまで来たから、やっぱり大川に行こう。堤通公園と
いうのだったか、小公園の案内を見間違い、高速道路の入口まで進んでしまう。
 公園に戻って見直すと、公園脇の細い道が大川に続いていた。

 脇道を歩くと、奇妙な場所だった。公園の奥に普通の住宅、そのすぐ先の
雑草が繁る空地に高速道路の支柱が建ち、上を車が通っている。
 東京オリンピックの無茶ぶりの遺跡だ。これを目にしても、東京にもう一度
オリンピックを呼びたいと思う人がいたら、それは街並殺しのヘンタイだ。

 「隅田川」の掲示があっても、しばらく歩かないと大川は見えない。やっと
テラスに降り、陽射しにめげる。ダブルの脚を持つ桜橋のラインがきれいだ。
 疲れが出ているから、そろそろ戻ろうと思うが、言問橋を渡るためには、まず
テラスを上がり、道を渡って言問橋である。

 橋の上で、Sがいま何時かわかる?、と聞く。1時に出て着いたのが2時、
マック休憩後歩き出したのが、3時前だろうから、たぶん、5時くらい?
__なんと4時だった。一時間しか歩いてなくて、このへたり様。

 帰る前に浅草駅近くのドトールでまた休む。ここは好きだ。駅の待合室
みたいで。

 行きと同じ地下鉄乗り継ぎで帰る。体力のなさがショックだ。
 





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by byogakudo | 2013-06-25 15:20 | 雑録 | Comments(0)
2013年 06月 23日

Terrain vague (曖昧な土地)展 写真集

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Terrain vague (曖昧な土地)展

テクスト   鈴木創士
写真     S (Stue.N.Sugita)
絵画     楠森總一郎
オブジェ   本田一
香水     L (Mitsuki Kizashino)

於 GALERIE Malle
2013年6月11日〜16日





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by byogakudo | 2013-06-23 10:07 | アート | Comments(0)
2013年 06月 22日

恵比寿へ

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 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄  


 昨日は午後、恵比寿へ。
 まずgalerie Malleに、展覧会のお礼に伺う。今週は
「Masako Dohgu 磁器のしごと」展が開かれている。
 天井から吊るされた植物が描かれたシェイドは、ガラス
かと思ったら器や一輪挿しと同じく、薄い磁器だった。

 器なら器の型をつくり、その上にまた薄く粘土を置いて模様をつけ、
輪郭線を削りとって焼く。シェイドは片手で支えて模様をつけるので、
支えた手に力が入りすぎると、壊れる。やり直さなければならない。
 まめ球や蛍光灯、LED、各種の電球が使える。光源によって灯りの
表情がちがってくる。たのしい展覧会だ。

 まぁるを辞し、恵比寿駅西口へ。坂を上り、外階段を上って蔦の
絡まるビル三階のLIBRAIRE6へ。野中ユリ「本の博物誌」展を
見に行った。
 
 リトグラフと野中ユリ装丁本が紹介されている。稲垣足穂
「コリントン卿登場」の30部限定版や、プレス・ビブリオ
マーヌ版「狂王」がある。

 アートと骨董品の画廊なので、奥には細かい雑貨がたくさん。
 板枠に挟まれた地球と月と太陽のガラス絵は、横にある小さな
ハンドルを回すと、動く天体図が出現する。幻灯みたい。ファンタス
ティックだ。

 雨は降り続いていたが楽しかった。





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by byogakudo | 2013-06-22 10:03 | 雑録 | Comments(0)
2013年 06月 20日

梶山季之「狂った脂粉」読了

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 「坊ちゃん」(読んでないけれど)風の高校教師がスカウトされる。
 アメリカの大手化粧品会社が日本に上陸するという。その前に現在の
化粧品業界を攪乱して進出余地を整備確保しようとする産業スパイ組織に、
高給で誘われる。

 化粧品の流通や販売にはさまざまな様態があるが、産業スパイ組織は
それらをつぶすのに手段の是非を問わない。悪辣なやり方で既存業界を
かき回す。
 正義漢風の主人公だったが、仕事自体の面白さにのめり込んで、
スパイ活動・破壊工作の歯車と化す。

 もちろん犠牲者が出る。自分たちのせいで家庭が崩壊したり、仕事を
失ったりした人々に対して、後味の悪さを覚えながらも活動を続けて行く
ところは、穿ちがきいている(と、ヨタロー読みした)。
 日本人が戦時中は国威発揚ムードに浸って熱狂し、戦後は経済復興・
経済成長の熱狂に巻きこまれて行くのと、同じ構図である。
 そんなことは梶山季之は意図していなかっただろうが、いま読むと
図らずもそう読める。

 以前、書いたと思うけれど、ジャズ喫茶「木馬」に長年勤めていらした
お客さまが、昔、コマ劇場でジャズ・ライヴがあったと仰っていた。
 女性経理課長の引き抜きのシーンで、興信所の調査記録としてその話が
出てくる。

<  17時45分 二幸の手前、銀行脇から右に折れ、都電通りを横切って、
  コマ劇場へ行く。
   18時4分 待ち人らしき若い青年来たる。大学生風。姉弟か? 紺の背広に
  赤ネクタイ。背は五尺七寸ぐらい。髪は慎太郎刈り。茶の短靴。
   18時5分 談笑しつつ、コマ劇場にはいる。実演は<春のジャズフェスティ
  バル>、併映は東宝<のるかそるか>。急ぎ切符を求め追尾する。>(p109)

 小説の時代設定は昭和三十何年、梶山季之が「のるかそるか」を地方紙に
書いたのが1963年5月〜64年2月(単行本は1964年 文芸春秋新社)、東宝での
映画化が1963年なので__掲載中に映画化してしまうって、どういう経緯か
よくわからないが__たぶん、お客さまが言っていらした話と同時期であろう。

     (光文社文庫 1987初 帯 J)





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by byogakudo | 2013-06-20 14:52 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 06月 19日

梶山季之「狂った脂粉」を読み始める

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 近々「銀座レトロギャラリーMUSEE」に行きたいので、下準備として
磯崎新「建物が残った 近代建築の保存と転生」を読もうとしていたのに、
一緒に持ってきた梶山季之「狂った脂粉」に手をつけてしまった。
 梶山季之は好きだ。「彫辰捕物帖」なんて、もう一度読み直したい。
なんと言おう、さわやかな作家だ。

 「狂った脂粉」は昭和三十年代、高円寺のトリス・バー(!)のシーン
から始まる。

< 「なにかおもしろくないことがあったの?」
  マダムが二人の前にやって来た。[中略]
  「おもしろくないことだらけさ!」 [中略]
  「そりゃァ、どこだっておもしろいことないわよ......。いうなれば、黒犬ね」
  「黒犬?」
  「尾も白くない......。オモシロクナイ。わかった?」
  「ちぇッ、江分利満(えぶりまん)氏の優雅な生活だろ? 映画で見たよ......」>
(p8)

 産業スパイ経済小説の始まり始まり。

     (光文社文庫 1987初 帯 J)





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by byogakudo | 2013-06-19 13:56 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 06月 18日

フレドリック・ブラウン「わが街、シカゴ」読了

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 大人になりかけたハイティーン(19歳)の少年の成長物語。
 息子は象徴的に父親を殺して大人になるものだが、この
ミステリ__ややゆるいけれどミステリだ。__の主人公は、
印刷工の父親が殺され、その犯人を捜す過程を経て大人になる。

 シカゴのような大きな街では、酔っぱらって家に戻る途中で
殺された事件などものの数にも入らないと、見なされがちだ。
 主人公は、子どものときに会ったきりのおじに父の死を知らせに
行き、おじから、一族の名にかけて犯人を追いつめよう、と
言われる。
 彼らは"ハンター"一族なのだから、と。

 大人になりかけの頃、周りの大人はうとましい存在だ。だが父親が
殺されて初めて、主人公、エド・ハンターは自分が父のことを何も
知らなかったのに気づく。
 後妻とその連れ子の娘、自分の息子(エドも父と同じ仕事場で
見習い工として働き出した)の一家を養うために毎日働いている、
ごく平凡な男と思っていた父親の、若い頃の冒険好きなエピソードを
初めて知ることになる。

 私的な捜査を進めるうちに、エドは初恋を知る。ギャングの情婦
である、年上の美女だ。彼女との会話のやり取り、ジミイ・ヌーンの
レコードをかけながら踊るシーンに、彼女の暗い、匂い立つような
うつくしさが感じられる。

 ミステリよりも教養小説の趣きの強い、しみじみとした物語だ。
 エドとおじは犯人を追いつめ、エドはおじの仕事場であるサーカスで
働こう、とするところで終わる。
 (そして、エド・ハンターとアムおじ、ふたりが活躍する「三人のこびと」
などが書かれる。)

     (HPB 1964初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-06-18 14:59 | 読書ノート | Comments(0)