猫額洞の日々

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2013年 08月 31日

街(町)の空気は自由にする

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 写真は蔵前で。風通しがいい街・蔵前の空気がよく出ていると思う。

 郊外や郊外の気配がする街(町)ではなく、街らしい街(あるいは
町らしい町)に一度は住んでみたかった。もう遅いけれど。

 正金アパートに実際に住んだことがある方のブログ、
さようなら。お化けアパート。【正金アパート】
さようなら。正金アパート。その2【今までで最長かも】を拝見すると、
つくづく町歩きを始めるのが遅かった、と後悔する。

 現在、清洲寮に住んでる方だっていらっしゃるだろう。
 清洲寮 417 によれば、2K・南向きの33.33㎡((10.08坪)が、
家賃7万+管理費2500円で借りられるらしいが、エレヴェータの
ないビルの4階まで、毎日上り下りする体力は失われた。
 それに清洲寮にはお風呂がない。いま、お風呂屋さんに通う
生活ができるだろうか?
 必要に迫られれば、4階までなら今でも一息で上れる(と、
信じたい)が、5階以上は4~5階の踊り場で息を整えないと
上れない。これは20代からそうだった。

 足に合わない靴で歩き過ぎたせいで足裏を痛めてしまった。
目下、散歩ないし行軍はSに任せているが、回復して季節も
もう少し穏やかになったら再開したい。

 歩いていないからか、今朝方の夢は風景に出会う夢だった。
 夏草が生い茂る空地あるいは原っぱみたような土地に、小さな
一戸建て平屋が二、三件、ぽつんぽつんと離れて建っている。
どれも白い家で、開け放された室内から判断すると雑貨店にでも
使われていたようだ。
 再開発が近づいている、と感じて、Sに知らせて写真を撮って
もらおうとするところで目が覚めた。
 住宅地に住んでいるからだろうか、夢で見る土地柄まで自然が
豊かで(!)、そこまで実生活に影響されるのが問題だ。
 大川端の夢ならいいのに。


 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄  





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by byogakudo | 2013-08-31 12:57 | 雑録 | Comments(0)
2013年 08月 29日

ケストナー「飛ぶ教室」再読・読了

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 なんとなく店の本棚からケストナー「飛ぶ教室」を持ち帰り、
再読した。やっぱりいいじゃないか。

 初読のときの洋数字使用も気にならなくなり、歳月の経過を
思う。それに、書き取りの苦手なマティアスが単語の綴りを訊く
とき、
< 「[略]ウーリ、細切れ肉(フリカッセ)って、どんなスペル
 だったっけ?」
  「sがふたつだよ。Frikasseだから」と、ウーリが答えた。
  「sが4つくらいの細切れ肉(フリカッセ)にしてやったのに」と、
 マティアスが言った。>(p75)

 縦書き日本語の中で欧米語の綴りを書くとき、横書き綴りのまま
の方がすんなり行くし、上記の<ふたつ>と<4つ>の書き分けも
合理的な処理だ。

 じつは再読しながら、ちょっとウルっとしてしまい、もしかして
Sもこれには反応するだろうと思って勧めてみた。彼もちょっと
ウルっと来たそうだ。
 ふたり揃って素直にウルっなので、自宅用にしよう。

     (光文社古典新訳文庫 2006初 J)

 もうとっくに売ってしまった、ちくま文庫「ファービアン」がまた
読みたくなった。詳しくは覚えてないけれど、あれもよかったなあ。





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by byogakudo | 2013-08-29 13:40 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 08月 28日

フランク・パリッシュ「優雅な密猟者」読了

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 人間に化けた牧神か、あるいは読んでないけれど「真夏の夜の夢」
のパックみたような主人公の冒険ミステリ。

 クリスティのミス・マープルが住むセント・メアリ・ミード村にも
都会から移り住んできた人々と元々の村人との接触が描かれるが、
1977年刊の本書においても似たような状況は続いている。

 主人公ダン・マレットは、母の願いに応えて街の銀行員として
有能さを発揮していたのに、ある日、森番小屋で暮す、村の貧乏人
生活に回帰してしまう。
 村の金持ち階級宅で日雇い仕事をし、食べたいものは密猟で補い、
健康保険の病院の大部屋を拒否する母の手術のために大金が必要と
なると、盗みもやる。

 但し、彼は教育を受けた森の男なので、街との交渉が必要な折には
いつでもミドルクラスの話し方や態度で交渉する。銀行員時代のスーツ
一式と靴だけは取っておいてある。
 街用の喋り以外は、もっぱら田舎なまりの演技で通し、都会からきた
金持ち連中をからかっているが、若くうつくしい人妻に会ったときは、
思わず銀行員英語に戻ってしまった。

 小柄でやせて筋肉質、運動神経良好。澄んだ青い目と母性本能を
くすぐる笑顔が彼の武器。どうも妖精的だ。
 密猟や盗みに関しては、富の再分配で理論武装している。

<この双眼鏡は、ジェンキン提督が戦争中に掠奪してきたものを、
 ダンがこっそり頂戴してしまったのだ。敗軍の兵から武力によって
 まき上げたものだから、いただいてもかまわないというわけである。>
(p77下段)

< かつて、二百エーカーの小作地があれば荘園主が紳士らしい
 生活ができた時代に、コックスモアは小さな荘園の屋敷であった。
 だがそれはもう昔のことで、今では、紳士たちはロンドンでサラリーと
 税金のごまかしと必要経費と銀行預金引き出しに頼って暮している。>
(p138上段)

 だから密猟や盗みなど小悪に過ぎないと、ダン・マレットは考える。
彼は田園生活が性に合っているので、それを続けたいだけだ。

 またケルト的自然観の持主にも見える。彼が惹かれた人妻(彼女も
彼に惚れ込む)の名前が思い出せなかったとき、カミラだとわかるが、

< そうだ、それが彼女の名前だ。カミツレと椿(カメリア)に似ている。
 ダンの母親はカミツレを煎じて飲んでいる。そして、ここの庭には
 椿の木がある。根を湿った泥炭入りの袋で包んで送られて来たのを、
 ダンが穴を掘って植えたのだ。>(p60下段)

 村を混乱に陥れた恐喝事件の犯人を暴き出すために、放火をさせる
策略を用いたときにも、人や犬や動物たちの無事を図るダン・マレット
である。やはり彼は牧神か妖精の化身であろう。

     (HPB 1979初 帯 VJ無)
 





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by byogakudo | 2013-08-28 16:35 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 08月 27日

ジョン・ボール「白尾ウサギは死んだ」読了

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 人種差別の激しい南部から、当時としてはリベラルな西海岸
パサディナ警察署__同僚には日系アメリカ人もいる。__に
戻ってきたヴァージル・ティッブス捜査官。
 今度はヌーディスト・クラブのプールに浮いた身元不明の死体を
調査することになる。

 黒人の犯罪捜査官と同じように偏見の目で見られやすい、社会的
少数派がヌーディスト・クラブだ。経営者の一家は平等意識が強い
ので、ユダヤ人や二世の参加希望者に門戸を開いている。黒人の
捜査官も拘りなく受け入れる。却ってティッブス捜査官の方が、
裸体の若い白人女性に対して困惑する。

 昨日8月26日付け「東京新聞」夕刊に、ワシントン大行進の記事が
出ていた。キング牧師の夢の実現例、黒人で大学教授である女性
(62歳)が紹介されている。
 南部育ち、父はたばこ会社の清掃員、父の勤め先から奨学金を勝ち
取って大学に入学、いまの地位にまで至った。その彼女が、
 「私が人生で二人目の黒人大統領を見ることはないだろう」と言う。

 「白尾ウサギは死んだ」原作は1966年刊行。ワシントン大行進は
1963年。まだ3年しか経っていない、そんな時期に、シャーロック・
ホームズ的頭脳を持ちながら、捜査の度に人種偏見に悩まされる
ハンディを克服しつつ仕事を成し遂げる黒人ヒーローを描く。
 画期的なことだったのだろう。

 話がずれるけれど、ヌーディスト・クラブってプロテスタン的だ。
カトリックのお坊さんは水着をつけて入浴するとか読んだ覚えが
あるけれど(ほんとかどうか知らない)、それもヘンだと日本人と
しては思うが、近代化され工業化された社会へのアンチとしての
自然回帰で衣服を脱ぐというのが、どうも短絡的過ぎて、この
直接的反応は、プロテスタンではないかと思った次第。

     (HPB 1967初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-08-27 17:04 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 08月 25日

谷中のヒマラヤスギは伐られなければならないのか?!

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 今週の新着欄です、よろしく。
 新着欄  


 「私は猫ストーカー」でハルたちが休憩する谷中の大きな 
ヒマラヤスギが伐採されそうだという。「東京新聞」2013年
8月23日(金)夕刊の記事だ。

 小さなパン屋さんの敷地内にあるあのヒマラヤスギは、
樹齢90年、幹周り約3メートル、高さ約20メートル。
 パン屋さんの前身である甘味処主人が戦前、鉢植で
育てたヒマラヤスギが成長した姿である。

 2000年、谷中地区町会連合会などは、住民自身で
町並みを守ることなどを定めた、まちづくり憲章を宣言。
 また2006年、台東区はこのヒマラヤスギを「保護樹林」
に指定している。

 しかし昨年3月、大阪市の不動産業者が宅地造成目的で、
土地所有者から一帯の土地約500平米を購入した。
 パン屋さんの土地は借地であり、不動産業者との立ち退きの
やり取りの中で、業者はヒマラヤスギ伐採の意向を示した。

 まちづくり憲章や保護樹林指定に法的拘束力はない。不動産
業者は、「不透明な面もあるが、基本的には木を切り、すべての
土地を更地にする方針だ」という。

 ヒマラヤ杉と寺町谷中の暮らしと文化、町並み風情を守る会
ホームページで、木を守るためのオンライン署名ができます。
 ぜひ、あなたも。





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by byogakudo | 2013-08-25 13:59 | 雑録 | Comments(0)
2013年 08月 24日

ディクスン・カー「火刑法廷」読了

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 ヤケの強さに閉口しながら、なんとか読了。ほとんど字面を追ってる
だけみたいな読み方だったけれど。つまり、あんまり好みではなかった。

 主人公はニューヨークの出版社に勤めているが、彼ら夫婦の郊外の
別荘地で、隣家の老人が死亡する。最初は病死と思われていたが、
どうも砒素で殺されたらしいとわかる。そこから両家の人々、警察、
主人公が担当する怪奇実話作家たちが、喧々囂々、長々しい討論を
重ねてゆく。

 何しろ砒素中毒かどうかを調べるために墓所を改めたら、棺には
死体がない。隣家の雇い人が老人に薬物を与えた女の姿を目撃した
が、女は壁の中に消えてしまったとしか見えない。主人公の妻は、
毒殺魔ブランヴィリエ侯爵夫人の生まれ変わりみたいで主人公が
悩んだりと、怪奇の要素はたっぷりだが、怪奇風味は少ない。

 登場人物たちはしきりに、怪しい、不可解だと騒いでいるが、読んで
いる側にそれが伝わって来ない。記号化された人々が出てくるTVドラマ
でも見ているような感触で、本格ミステリに向かない体質なのだと、
あきらめもつく。

 謎が合理的に解決された後に、怪奇小説的ひねりが加わるところが、
ミソなのかしら、たぶん。

     (HPB 1955初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-08-24 15:10 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 08月 22日

08/23(金)~24(土)と連休いたします

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 明日8月23日(金曜日)~24日(土曜日)と連休いたします。

 週末の新着欄、どうしましょう? 25日(日曜日)に上げるか、
いや、今日上げる手もありますが、もしお問合せがあったときを
考えて、やっぱり一日遅れの25日にいたします。

 よろしくお願い申上げます。





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by byogakudo | 2013-08-22 13:15 | 告知 | Comments(0)
2013年 08月 21日

ディクスン・カー「火刑法廷」が進まない

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 映画雑誌ファンだった十代のころ、デュヴィヴィエ「火刑の部屋」の
写真を切り抜いた記憶がある。ジャン・クロード・ブリアリたちが棺を
担いでいるシーンで、緑色のモノカラー地だった。スクラップ帖の同じ
頁か見開きの隣頁には、青いモノカラー地のマリー・ラフォレ(横縞の
Tシャツだから「太陽がいっぱい」のときだ)が貼ってあった。他にも
こまごまと切り抜いていたが覚えていない。

 近所の貸本屋で売っている古雑誌を買って切り抜きしたような記憶が
あるけれど__古本屋は歩いていくには遠い場所に一軒あった__、
衛生マニアの実家で、どう目を盗んで古い映画雑誌を入手したのか、
覚えていない。

 田舎町のこととて映画館は父兄同伴が原則だから、映画への憧れは
映画雑誌への愛に変換され、見られない映画への夢は続く。
 映画「火刑の部屋」は見ていない。DVDもないようだ。いま見て
面白そうとは思えないが。

 せっかく原作があるのだから読んでみようと思ったけれど、ヤケが
ひどくてLEDランプの威力をもってしても老眼にはきびしい。やっと
墓暴きシーンまで来た。
 怪奇小説なのか本格ミステリなのか、いまだ不明。

     (HPB 1955初 VJ無)





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by byogakudo | 2013-08-21 13:24 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 08月 20日

小林信彦「日本の喜劇人」再読・読了

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 読むのはたぶん二度目の、小林信彦「日本の喜劇人」だ。
今回はゆっくり読む。ゆっくり読んでも、知らない喜劇人の
名前と仕事については覚えきれない。
 大阪系の芸人はほぼ全員知らないし、「コント55号」と
「ドリフターズ」は、TVを持ってなかった時期なので見て
いない、というのを再確認した。

 死屍累々の喜劇人史だ。絶望の日本近現代史でもある。
 ドライな喜劇に人情味を混ぜなければ、けして一般化
されず、ドライでスピーディでピュアな喜劇を志しても、
肉体は老い易く、身体のキレや速度は落ち、意志が貫徹
されることはない。
 不可能への夢が喜劇の在りようなのだろうか。

 宍戸錠を考察する『第六章 醒(さ)めた道化師の世界  
日活活劇の周辺』から引用する。

< 日本の喜劇人の主流をなす発想のパターンは、まず
 珍芸で大衆を驚かし、人気が湧(わ)いたところで、少し
 ずつ、<演技派>に移行し始める。そして、うまくいった
 場合、晩年は、ポスターにずらりとならんだ名の最後に、
 筋一本へだてておさまる(トメというらしいが__)存在
 ......つまり、<重い脇役>になる。>(p144)

 __貧困から這い上がり、上流とまでは行かないが、まず
まずのところに落ち着くことを人生の上がりと信じる、近代の
日本人の肖像とも読むことができる。
 喜劇人と言わず元スポーツ選手にも見られる例だが、タレント
として名を売ったあげく、参議院議員になることを勧められて
ノッてしまうとか、文化人もどきの扱いに満足したりとか、憂鬱な
例はいくらでもある。

 宍戸錠はこれらの真反対から出発する。醜く整形することに
よって若手二枚目スターの道を自ら閉ざし、ハリウッドの脇役
スターの存在感を得ようとするところから始めた。

< 私の知る範囲において、宍戸錠はつねに醒めた人物であり、
 自分を突っ放して眺めることのできる珍しいスターである。>(p150)

< [略]ギャグを含めたさまざまなアイデアを持ち込むことによって、
 彼は、パターン化した日活活劇を冷やかし、批評し、真にユニークな
 役者となっていった。<笑わせる殺し屋>という、それ自体、矛盾した
 役柄を、極限までひろげることによって、<エースのジョー>という、
 いまだに通用するイメージを創造したのであった。>(p151)

< この章の初めで触れたとおり、日本の喜劇人は、テレビでの
 ハレンチな怪演から<演技派>へというコースを辿(たど)る人が
 多い。
  それは、いちがいに責めることはできない。怪演・珍演・体技を
 つづけるというのは大変なのである。[中略]
  宍戸錠という例外をわざわざ、私があげたゆえんは、二枚目、
 悪役から、主演スター、テレビでの珍演という、およそ類のない
 __日本の喜劇人の発想と正反対の道を辿って、いぜん、ドタバタを
 つづけている一つのケースを明示したかったからにほかならない。
  さまざまな運と不運にもてあそばれてきたこの役者の半生は、
 そのような外的条件にもかかわらず、一つの方向を、はっきりと
 もっていた。それは<アクションの魅力>と<ナンセンスへの意志>
 である。彼が、いわゆるコメディアン以上にコメディアン的なのは、
 その目標に向ってのつみ重ねが、方法論を踏まえており、莫迦(ばか)
 な真似をやっている自分をみつめるもう一人の宍戸錠の距離測定が
 しっかりしているからではなかったか。>(p158-159)

 群れない個人であって、しかもスターであり続ける "JOE, ICON"。

     (新潮文庫 1982初 帯 J)





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by byogakudo | 2013-08-20 13:21 | 読書ノート | Comments(0)
2013年 08月 18日

夏が凋落する

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 真っ盛りの夏は夏の終わりを秘かに告げる。何かが壊れると、
周りも何がなし影響を受ける。

 山口富士夫氏の死去に、思いがけないほどショックを受けて
いるのに気づく。特にファンだったわけでもなく、部屋が近くて
一時期知っていただけなのに。
 病が重くなって、だったら、まだ納得していたかもしれないが。





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by byogakudo | 2013-08-18 13:05 | 雑録 | Comments(0)