猫額洞の日々

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2014年 02月 27日

ギャビン・ライアルは止めてジョゼ・ジョバンニにしようかな

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 Sが苦闘していたギャビン・ライアル「クロッカスの反乱」が昨夜、
廻ってきた。前に読んだ「マクシム少佐の指揮」も、あんまり楽しく
なかったが、今度も輪をかけて(?)楽しくなさそうで10数頁読んで
眠った。

 店の均一棚にジョゼ・ジョバンニ「おとしまえをつけろ」が、ずっと
置いてある。冒頭を読む。かっこいいじゃん。刑務所から脱走する
シーンからいきなり始まる。幅にして3メートル離れ、高さは4メートル
下の城壁に飛び降りなければならない。三人のうち、ひとりが失敗して
死ぬ、大胆な始まり方。
 こっちの方が向いていそうだ。アメリカン・ハードボイルドはあまり
得意ではなく、その大陸版なら楽しめる、ということかしら。

 「泥棒バーニイ・シリーズ」をさらに手に入れるのは、後日にする
ことにした。シリーズものはダレる可能性もあるし、先の楽しみ、
ということで。

     (HPB 1983再 VJ)





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by byogakudo | 2014-02-27 11:29 | 読書ノート | Comments(0)
2014年 02月 26日

ロバート・バーナード「雪どけの死体」読了

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 ここ二、三日は春めいているが、その直前、寒かったとき、
もっと寒い地方を舞台にしたミステリにしよう、比較して
暖かく感じられるかもしれない、と思ってこれにした。
 ノルウェー、しかも北極圏限界線を三度北上した都市、
トロムソだ。

 12月21日の真昼、闇とはいえない、薄ぼんやりとかすんだ
戸外。この後一時間かそこらで闇に包まれる。
 1月20日、わずかな時間だが雲ひとつなく、太陽がフィヨルドを
オレンジ色に染め、春が近づくのが感じられる。
 3月の第一週目、思いがけない早い雪解け。二週目、道路に黒い
土が目立ちはじめ、ラッパ水仙が咲く。まだまだ山は雪。
 今日は零度だ、暖かい、という箇所があった筈だが見つけられない。

 12月21日に失踪した外国人青年が、3月の第二週に雪中の遺体
として発見され、ゆっくりと進む雪どけのように、青年の身元や
背景、殺人事件に至るまでが綴られる。
 彼を見かけた人々はかなりいるのに、ノルウェー人は他人(ひと)の
ことに関わりたくない性向が強いのか、誰も警察に情報提供しようと
しない。
 トロムソにはイギリス人やアメリカ人も住んでいる。外国人青年を
最後に見かけ、その日時と場所を確定したのは、毎日歩き回り、行動
記録を詳細に書きつける習慣を持つモルモン教徒だった、というのが、
なんだかおかしい。

 ミステリの舞台が寒過ぎて温度変化について行けなかったようで、
風邪の前触れが本物の風邪引きになってしまった。

     (HPB 1985初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-02-26 00:07 | 読書ノート | Comments(0)
2014年 02月 25日

ローレンス・ブロック「泥棒は哲学で解決する」読了

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 第五作「泥棒は抽象画を描く」から第四作に戻って、
「泥棒は哲学で解決する」である。バーニイが古本屋に
なってからの泥棒バーニイ・シリーズ中いちばん、人情話風
ではないかしら。

 人情話といっても、ちっとも湿らず軽快に、でもじわっと
来るのは、バーニイが老故買屋に寄せる親愛感がよく伝わって
くるからだろう。
 ダッハウから生還した老ユダヤ人で、飢えの体験が彼を
砂糖中毒に走らせ、常時、甘いペイストリーがないと行きて
行けなくなった、要塞のような高級集合住宅に住まう故買屋である。
バーニイは敬意を持って彼とつき合う。ブツを買い取ってもらうときも、
故買屋の好きなスピノザ「エティカ」コンパクト版__
<ブルーの仔牛革表紙の、一七〇七年にロンドンで印刷された英語版>
(p43)をプレゼントとして持参する。

 バーニイの古本屋は好事家向きの本屋なので、それっぽい客が来ると
カウンターの下に隠すが、ときどき、ペイパーバックを読むことがある。
ペイパーバックを売りにくる客があれば買いはするが店で売らず、専門店
に卸す。たまに、売る前に読む。

 第三作「泥棒は詩を口ずさむ」ではリチャード・スターク「悪党パーカー」、
本作では、
<ロバート・B・パーカーの、スペンサーという名の私立探偵が登場する
 やつ。スペンサーというのはファースト・ネイムがない分は、体で取り戻
 そうというタフな男で、何章かごとにボストンじゅうをジョギングしてまわっ
 たり、重量挙げをやったり、そのほか心臓発作かヘルニアになりそうな
 ことを片っ端からやってのける。私は読んでいるだけで疲れてしまった。>
(p7)そうな。

 物語に引き込まれて、あれこれ紙片を挟むことがいちばん少なかった
古本屋/泥棒バーニイだ。

     (ハヤカワ文庫 1995初 J)





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by byogakudo | 2014-02-25 16:56 | 読書ノート | Comments(0)
2014年 02月 23日

ローレンス・ブロック「泥棒は抽象画を描く」読了

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 ローレンス・ブロックに目をつけるのが遅かったので、2冊、
すでに売れていた。第一作「泥棒は選べない」と第四作「泥棒は
哲学で解決する」だ。後者は泥棒バーニイが古本屋になってからの
物語なので、新たに手に入れ、今は第一作も読もうかどうしようか
迷っている。古本屋バーニイ以前とはいえ、どんな話だか気になる。
 すっかり、わが隣人バーニイだ。

 「泥棒は抽象画を描く」は五作目。古本屋「バーネガット書店」を
経営するバーニイには、犬の美容院「プードル・ファクトリー」を
営むレズビアンの友人、キャロリンがいる。彼女は猫を二匹飼って
いるが、その一匹が盗まれた。しかも部屋の鍵が開けられた形跡
がない、密室誘拐事件である、おお!

 誘拐犯から脅迫の電話がかかってくる。猫を預かっている証拠に、
切られた猫のヒゲまで送られてくる。身代金として、美術館から
モンドリアンを盗んで来い、ですって。心友・キャロリンのために
バーニイは知恵を絞る。

 いつものように、のんきに軽口を叩き合いながら深みにはまる
バーニイの物語は、エンディングでどどっと謎解きが行われる。
今回のように錯綜した話だと、読み直した方がいいかしらと
思わせるが、眼目は謎解きにはない(と信じる)、細部に宿る。

 バーニイ・シリーズの眼目は、古本屋の日常描写を楽しんだり
__買い求めた詩集の一節を暗唱する女性客とのやりとりや、
図書館から盗んだ鱗翅目図鑑を買わないかと持ちかける客を
断ったり、お金持ちの家に査定に行きもするのだが、いつこんな
修行をしたのだろう?__、キャロリンの飼猫の名前を楽しんだり
するところにある。

 二匹の片割れ、誘拐されたビルマ猫の名前がアーチー・グッドウィン、
無事だったロシアン・ブルーがユービ(フルネームはユービクウィティ
ないしユービクウィタス)。第三作「泥棒は詩を口ずさむ」で二匹が
紹介されたときはフルネームではなかったと記憶するが、三作目で
「ネロ・ウルフ賞」をもらったから、ビルマ猫に名字が加わったのでは
なかろうか、と読者に考えさせたり。
 17~18カ所に紙片を挟んだが、一度に触れられる量の少なさよ。

 軽やかで気持ちがいいミステリ。いやなことばかり続く日本国から
一時逃避する。

     (HPB 1984 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-02-23 16:19 | 読書ノート | Comments(0)
2014年 02月 22日

「さわ ひらき| Hiraki Sawa |東京オペラシティアートギャラリー」半周

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 半周というのは、体調がちょっとよくなくて、個展会場を
半分くらい廻ったところで出てきたから。

 昨日Sとふたり、初台に行った。
 「さわ ひらき| Hiraki Sawa |東京オペラシティアートギャラリー」
である。銀座にも横浜にも行きそびれ、今度こそ見逃したくない。
工業試験所はうつくしかったが、初台オペラシティはコストパフォー
マンスだけが見える雑な建物なので、「さわ ひらき」展でなかったら
足は向けなかっただろう。

 ぐいと高い天井近くまでパネルを立て、空間をいくつかに仕切り、
部屋を作るように各コーナーがしつらえてある。

 最初のコーナーの、石膏で型取られた小さなオブジェの愛らしさ。
アンモナイト化石の石膏型取りから始まり、さわ ひらき氏のロンドンの
住まいにあるであろう、ヒーターや水道管、洗面台等の模型の型取りが
ドローイングの途中に挟まれる。

 次の部屋では、銀座で行われた個展で発表されたと思われる映像、
「Lineament」が流れている。記憶の物語だ。途中から見たので、
もう一度全部見ると、終わり方が違っている。
 最初に見たエンディングでは、壁の右側がめまいを感じさせるほど、
ぐっと大きく開かれ、左の壁に頭をもたせかける男の顔。
 二度目では、頭が準備していたせいかもしれないが、右壁の開き方が
穏やかで、男の顔の上に時計のゼンマイが置かれている。
 技巧を見せびらかさない、一見ナチュラルな、さわ氏の映像作品なのに、
余計なところに入り込んで見てしまったのかしら。ここで体力不足になった
ようだ。

 同じ部屋に衝立が置いてある。衝立の内側に、三つの異なる映像作品。

 奥に向おうとすると、時計のオブジェが高い位置にあり、角の小さな室内で
「Did I?」が流れる。入口から少し覗く。

 やや広い部屋で、「Elsewhere」だったか、小箱の中の映像世界に集中
して見入る。

 次の「Lenticular」へ。壁面では天文台の日々の映像、天井からは
大きな傘が下がり、見上げれば夜空。ここで残念だがリタイヤした。

 時間にゆとりを持って、もう一度見に行きたい。あまりのめり込まずに
映像が見られる体質になるのは難しそうだが。
 3月30日(日)まで開催です、ぜひ。

     (2014年2月21日 @初台・東京オペラシティアートギャラリー)





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by byogakudo | 2014-02-22 16:33 | アート | Comments(0)
2014年 02月 20日

GyaO!「私は猫ストーカー」終了間近

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 まだGyaO!で「私は猫ストーカー」が見られます。
 映画好きが喜ぶ、映画らしい映画だと、あらためて思う。
猫好きだけでなく。
 もし未見の方がいらしたら、急ぎご覧ください。ありふれた
東京風景を見たい、という方も。どこにでもありそうで、でも
東京、というしかない風景が日常から切り取られて、映画空間
として目の前に出現する。奇跡みたいに。





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by byogakudo | 2014-02-20 14:47 | 映画 | Comments(0)
2014年 02月 19日

表現者は不逞の輩ではなかったの?

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 今日2月19日付け「東京新聞」朝刊第一面は、都美術館が
クレームを恐れて、彫刻家に作品を改変するか、さもなくば
撤去するかを強要したというニュースである。

 「現代日本彫刻作家連盟」代表でもある、造形作家・中垣
克久氏は、連盟の定期展に、作品「時代(とき)の肖像_絶滅
危惧種」を提出、都美術館地下ギャラリーに展示された。

 どんな作品か、というと__
 竹を直径1・8m、高さ1・5mのドーム状に組み上げ、星条旗や
日の丸をあしらい、そこに新聞から切り抜いた特定秘密保護法の
記事や「憲法九条を守り、靖国神社参拝の愚を認め、現政権の
右傾化を阻止」と書いた紙を貼付けてある。

 写真で見る限り、直截ではあるが、作品と呼べるだけのパワーと
質には疑問がある。しかし、表現者が作品を公にする行為は、
どんなに好みが違おうが質がどうであれ、わたしは肯定する。
 表現の自由が全面肯定されなければ、制作の意味がない。

 しかし、都美術館の小室明子・副館長は、東京都の運営要項に
<特定の政党・宗教を支持、または反対する場合は[注 美術館を]
使用させないことができる>と定めてあるので、靖国参拝批判は
それに該当すると判断して、撤去を求めたそうだ。
 都美術館は、東京都歴史文化財団が都の指定管理者として運営
している。
<「こういう考えを美術館として認めるのか、とクレームがつく
 ことが心配だった」>から、小室明子・副館長は撤去を求めた。

 モダーンアートと、いわゆる政治性とは切り離し難い間柄にある。
小室明子・副館長がどういう経歴の人物か知らないが、アートと
政治性の問題を考えることなく過ごしてきた人ではないかしら。
 だから小役人的に、(将来の退職金や年金の計算も頭に浮かんだ
のではないかと、推量する。)撤去がいやなら、改変しろと強要した
ものであろう。
 今回で7回目の「現代日本彫刻作家連盟」定期展だが、来年以降、
内容によっては使用許可を出さないことも検討する、そうな。
 不特定秘密保護法の精神は、かく、お先走りに遵守されている。

 そして又、改変に応じた造形作家・中垣克久氏は? 「現代日本
彫刻作家連盟」のメンバーに迷惑をかけたくないとでも思って、
靖国参拝批判記事を取り除いたのか? アーティストがそんなことで
いいの? 表現者が責任を持つのは作品に対してだけではないのか。

 記事の脇に別枠で田島泰彦・上智大学教授のコメントが載っているが、
これにも疑問がある。
<会場の使用権を持つ美術館側が、立場の弱い作者に撤去や改変を
 迫るのは、表現の自由の根幹の部分を抑圧している。>
 クライアントとデザイナの関係じゃあるまいし、アーティストは
保護さるべき弱者なのか。不逞の輩だと、思ってたのだけれど。

 サド裁判は猥褻か芸術かの不毛な論点で争われたが、時代が変わっても
アートと社会の関係は、相変わらず退屈な凡庸さに覆われている。
 何が悪いと、大きな顔して言わないのだったら、表現者であることなぞ
止めちゃったら?





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by byogakudo | 2014-02-19 12:38 | アート | Comments(0)
2014年 02月 18日

準備はできた

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 とうとう雪かき用具を買った。遠くはないけれど、うちからは
行きにくい場所にあるホームセンター(変な言葉。英語では何と
いうのかしら?)に昨日出向いて、わたしでも扱えそうなサイズの
ものを選んだ。
 金属のスコップは丈夫そうで結構だが、スコップ自体が重過ぎて
使えないだろう。凍りついた雪を剥がすときに必要になるかもしれ
ないが。

 さあ、いつでも降るなら降れ、積もるなら積もれと、準備万端。
すると週半ばの雪の予報が消えた。お酉さまの熊手みたように
かついで帰ってきたが、あれは呪術的行為だったのか?





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by byogakudo | 2014-02-18 13:05 | 雑録 | Comments(0)
2014年 02月 16日

ローレンス・ブロック「泥棒は詩を口ずさむ」読了

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 あら、泥棒なのに、バーニイは古本屋になっちゃった! 
おまけに、心の友であるレズビアンのガールフレンドは
犬の美容院を経営しながら、部屋で飼うのは二匹の猫。
 古本と猫のミステリになっちゃった。

 うーん、経緯を全部書き記したい衝動に駆られるが、ともかく、
古本屋を止めてフロリダで悠々自適しようとする人から居抜きで
買って、店名も品揃えもそのまま、バーニイは古本屋を始める。
 でも売った人はフロリダには行かず、セント・ピーターズバーグで
また本屋を開いたそうな。身につまされる方もおいでだろう。

 しかし、バーニイはどこで古本屋修行したのだろう? 本好き
なのは昔から。刑務所でも読書に励んでいたそうだが、読むのが
好きと売ることとは違う行為だ。
 冒頭から万引きを捕まえる。他の本屋で盗んだ本もあり、
<スタインベック『気まぐれバス』の初版本が出てきた。カバーの
 ついた完璧なやつで、十七ドル五十セントの値段がついていた。
 ちょっと高いように思われた。>(p12下段)
 バーニイの店で盗んだ本の代金を払わせ、スタインベックを買い取り、
十五ドルに値下げして棚に収める。そんなに古本に詳しい泥棒だった
のか。

 本筋はキプリングの稀覯本を廻るミステリである。依頼されたバーニイは、
ただその一冊を求めて盗みに入る。ニューヨークからほんのちょっとなのに、
<木々が港湾ぞいの騒音をさえぎっている>(p32下段)静かな高級住宅地の
<ゴシック期の小説に出てきそうな>(p33上段)館に侵入するバーニイ。

 警報装置を処理してから、三つの錠がついたドアに開ける。ひとつは簡単、
次に、
<シーガル錠とラブソン錠。七つ道具を使ってそのふたつにとりかかった。
 片手にペンライトを持ち、ときどきドアに耳を押し当てながら(それはまるで
 貝殻のようだった。注意深く耳をすませば、森の音が聞こえそうだった)。>
(p34上段)

 あと20カ所くらい紙切れを挟んでいるのだけれど、全部紹介していたら
夜が明ける。興味を持たれた方は本文に当たってみてください。本好き、
猫好き(本ほどではないが、スパイス的に登場する)の方なら、心楽しい
数時間が過ごせます。

     (HPB 1981初 帯 VJ無)





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by byogakudo | 2014-02-16 19:06 | 読書ノート | Comments(0)
2014年 02月 15日

マイクル・コリンズ「恐怖の掟」/ローレンス・ブロック「泥棒はクロゼットのなか」読了

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 2週続けて週末の(東京にしては)大雪、来週は週半ばにまた雪
の予報である。
 去年で懲りたのに、雪かき用具を今年も準備してなかったので、
ちり取りに頼る。これを20数センチの積雪に用いるのは腰痛のもとで、
明日か明後日には雪かきシャヴェルを買おう。
 このまま高齢化が進むと、人手に頼らない積雪対策を考えないと。

 京都ではEP-4と鈴木創士グループ他のライヴの日。EP-4のダブル
ヘッダーみたいにも思える。今年も東京で演ってくれるかしら?

 さて、マイクル・コリンズ「恐怖の掟」だ。これが片腕の探偵、ダン・
フォーチューン初登場だった。ダンがポーランド系移民の子孫である
こと、若い頃の犯罪で左手を失ったことや、一時、地元を離れ、戻って
きてから私立探偵業を始めたことなどを知る。シリーズものは、やはり
最初から読む方がよさそうだ。

 犯罪に手を染めずに成長するのが困難な、ニューヨークの貧しい界隈に
生まれ育ちながら、真っ当な手段で成功しようと努力する若者が、事件に
巻きこまれそうになり、逃亡する。
 ダン・フォーチューンは、自分の過去を償うかのように青年の救出に向う。

     (HPB 1969初 VJ無)

 Sから何か軽い読物を頼まれ、ヤマカンでローレンス・ブロックの泥棒
バーニイ・シリーズを選んでみた。カンが当たり、なかなか快適だ。
 ドナルド・E・ウェストレイクをさらにノンシャランにしたような軽快さが、
ウェストレイクより、わたしの好みに合う。

 スリルと実績(収入)が忘れられなくて、刑務所に入ったこともあるのに、
ときどき夜盗を働くバーニイ・ローデンバー(何系だろう?)が、盗みに
入った先で死体に出くわし、犯人視される。警察に追われながら疑いを
晴らすために真犯人を捜し、事件を解明する探偵役も勤めるのが、
シリーズのパターンらしい。
 (じつは「泥棒はクロゼットのなか」をすぐに読んでしまったので、
今は「泥棒は詩を口ずさむ」半分強である。)

 ローレンス・ブロックの軽くユーモラスな文体は、たとえば、できたての
ガールフレンド・ジリアンに事件を説明するときの__
< ジリアンは小さな手でネイビー・ブルーのセーターの上から、自分の
 心臓のあたりを押さえた。彼女の話の聞き方は、私の話が古い映画で、
 それをテレビで見直しているような感じだった。>(p153下段)
 ウェストレイクよりもっと小声で語る文体だと思う。

     (HPB 1980初 帯 VJ無) 





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by byogakudo | 2014-02-15 12:17 | 読書ノート | Comments(0)