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2014年 05月 31日

「アルトー24時++再び」の手前で

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 昨午後、都電荒川線・鬼子母神駅前で鈴木創士氏と待ち合わせる。
池袋「東京芸術劇場」の「アルトー24時++再び」の前座というのか
イントロダクションというのか、ロビーでピアノを弾く仕事を頼まれた
彼は、いま東京にいる。この日なら時間が取れるよ、ということで。

 暑くなかったら鬼子母神散歩をするところだが、陽射しが強烈だ。
近くの雑司が谷「さむしんぐ」でお喋り。住人がマリー・セレスト号
みたような消え方をした跡があってね、と京都に実在した廃病院の
話などに耳を傾けていると、佐藤薫氏から電話がある。もう4時。
そろそろ池袋に戻らなければならない。

 演劇を見る体力まではないが、鈴木氏の仕事場を拝見できないか。
一緒にタクシーで「東京芸術劇場」へ。二、三度行ったことはあるが
池袋を知らない。いつできたのか駅前(であろう)広場と劇場がある。
佐藤薫氏とBANANA UG氏が缶ビールを手に日陰に坐っている。
 まだ陽は高い。

 みんなで劇場に入る。天井の高い建物の中でさらに小分けされた
空間が、今回の会場だ。入口、エントランスホール、ドア、ロビー、
そして公演会場と続く。ロビーに敷物を敷き、客を誘導する。会場
手前に赤く塗られたグランドピアノが置かれている。

 鈴木氏がBANANA UG氏に弾いてみない?と誘う。BANANAが軽く
華やかに弾く。鈴木創士氏が替って坐る。鈴木氏が弾いているとき、
BANANAが高音部で加わるという場面がある。

 雑司が谷で喋っていたとき、大昔の神戸で酒場に飛び込んでピアノを
弾かせてもらったというアルバイト話をされたけれど、カクテルピアノと
いうのかラウンジピアノというのかしら、ときどきノイジックになったり
現代音楽調になったりしながらの、見事なレパートリーとアレンジ、腕前
を拝聴する。「宵待草」も" as time goes by "も" mac the knife "も。
極めつけは楽譜まで持ってこられて、まだ実際には弾いていないバッハ
「フランス組曲」!

 これも大昔、雑誌の吉田秀和のエッセイで読んで、きっと好きだろうと
見当をつけて買い、愛聴版になったグールドの「フランス組曲」以来の
感激と喜びだった。

 佐藤薫氏の案内で公演会場を少し見せていただく。赤坂のときの
空間とはかなり違う。横幅があって客席の縦列が短く、梁が交差した
天井が高い。役者の声は響くかもしれないが、EP-4の音はどう聴こえる
かしら?
 客席奥にパイプの台に載せた彼らの機材があるが、台が低いので
備品の箱に乗せて脚を高くしてある。いろいろ使えて便利そうな箱
だけれど、むかしのリンゴ箱やみかん箱風・白木の箱で、黒く墨文字
調で「東京芸術劇場」と記してある野暮ったさが愛嬌だ。

 またロビーに戻る。コンサート(?)もそろそろ終わり、伊東篤宏氏
が現れる。「今日は客としてです」
 全員で外の喫煙スペースに移動。伊東篤宏氏の参加された「ノイズ
列車とノイズ温泉」の話がおかしい。ノイズ系も高齢化が進み、客も
マイルドになってるそうだ。

 鈴木創士氏やEP-4 UNIT3は、本番の時間だ。「ありがとう、またね!」





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by byogakudo | 2014-05-31 13:44 | アート | Comments(0)
2014年 05月 29日

鹿島茂「パリ、娼婦の館 メゾン・クローズ」読了

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 単行本「パリ、娼婦の館」と「パリが愛した娼婦」の
<内容を一部シャッフルし、新たに二冊の>(p283)
文庫本にした一冊が、「パリ、娼婦の館 メゾン・クローズ」である。
もう一冊、「パリ、娼婦の街 シャン=ゼリゼ」を早く買わなくっちゃ、
読まなくっちゃと思わせる。それくらい、わくわくさせて面白い。

 こちらは売春施設であるメゾン・クローズと経営者、及び鑑札を持つ
娼婦について。「パリ、娼婦の街 シャン=ゼリゼ」は鑑札のない私娼と
彼女たちが歩き回るパリの界隈について、である。

 単行本が出たときも若い女性からの反響が大きかったそうだが、
その理由を鹿島茂は、
<社会の進化により、女性が自己実現のための手段を男性と同じ
 レベルで獲得できるようになった現在の環境が強く影響している
 のではないか?
 [中略]
 売買春が、もしかすると、自己実現を目指して進んできた女性の長い
 歴史の一行程、であり、とくに高級娼婦のような場合には、ある種の
 自己実現の形態ではなかったかという反省が女性のサイドにも生まれて
 きたからではないだろうか?>(p283)と考察する。

 梅毒の蔓延が少子化の原因であり、亡国の病いと考える衛生学者が、
管理売春の必要性に思い至る。経営者(売春業者)・労働者(娼婦)を
ともに許可制にして、警察と病院(と修道院)の管理下に置けば、梅毒は
このクローズド・サーキット内の問題で済む、と考える。

 どんなに細かく規定されたパノプティコン思考の成果であっても、穴や
死角は発生する。梅毒の原因も治療法も確立されない時期に夢見られた
ユートピアないしディストピアからの病いは、いくらでも健全なる家庭に
滲出し、厳格なる管理体制の実効性は限定的である。

 高級娼館は性行為をするための空間ではない。性的ファンタシーを売る
空間である。インテリアに凝り、どんな性的指向にも応えうるソフト(拷問
部屋や覗き部屋)を揃え、「物語」の中で欲情する変態たちの期待に応える。
 この辺りがいちばん華やかで読み応えがある。他は、労働と搾取の実体が
余すところなく記され、あらゆる労働のアーキタイプたる売春について、
観念的でなく、具体性たっぷりに考察される。

     (角川ソフィア文庫 2013初 J)





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by byogakudo | 2014-05-29 18:39 | 読書ノート | Comments(0)
2014年 05月 28日

東京憎悪・日本憎悪

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 おだやかではないタイトルだけれど、国会での論争(? 論点を
逸らす答え方ばかりして、ちっとも論争になっていないが、建前上、
論争)や、国立競技場を何が何でも建替えようとするニュースを
見ていると、東京を憎み、日本を憎む勢力が権力の中枢を占めて
いるのだなと、日本人であることが恥ずかしく無念だ。

 戦争を知らない爺どもが「戦争だッ、戦争だッ、うッれしいなー」
とはしゃぎ、広告業者と土建屋のまわしもので構成される委員会が
国立競技場の解体と、新国立競技場建設に邁進している。
 5m低くした? 何を寝ぼけたことをいう。マンション開発業者の使う
「フカシ」ではないか。

 建築と街並みに関しては、徹底した規制強化主義者である。
うつくしさを守るにはそれしかない。ひと月にも満たないオリンピックの
ために、戦前から守り続けられてきた神宮外苑のあの風景を殺すなど
とんでもない所行である。

 東京駅の真ん前が皇居に続き、丸ビル、中央郵便局と、日本近代化
遺産に囲まれた広場を無思慮に壊しまくった連中だから__ああ、
喪われてしまった三信ビルの無駄で豪奢な吹抜け! 吹抜けってあれ
でしょう。初台オペラシティの貧乏くさいアトリウムとかじゃなくて__、
自分の醜さをうっすら解り、反動的に美に嫉妬する連中がよってたかって
街を殺す。





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by byogakudo | 2014-05-28 19:34 | 雑録 | Comments(2)
2014年 05月 26日

橋本治・内田樹「橋本治と内田樹」読了

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 古本屋を止めたので古本屋の客に戻る。しかしながら病いの途中に
いるので遠出ができない。疲れたと思ったらタクシー初乗り料金で
戻ってこられる距離が、散歩の限度である。(行って帰ってくるのが
散歩、行きっぱなしは行き倒れだ。)

 近くのBOで100円になっていない本を買う。以前なら許し難い行為
だったが、今は読みたければ買って読む。そのうち図書館に通うように
なるかしら。グラシン紙じゃなく、厚手ヴィニルで息ができないほど締め
つけられた本、帯は半分ずつにカットされ見返しにびっちり張りつけられ、
時には前の借り手の誰かがお風呂で読んだのかと思われる、ふやけた紙面に
なっていたりするような本...。
 まあ、基本、読めればいいのだが、グラシン紙と厚手ヴィニルの違いだけ
でも、古本屋は品がいいなあと思う。
 借り手に本を丁寧に扱うことを教えこめれば__最初に貸し出す段階で
本のコンディションをデジタル・データ化しておき、返却時に劣化が見られ
たらペナルティを課すとか、いくらでも対策は考えられる。家庭で躾られない
なら図書館という公的機関がしつければいいじゃないか。__グラシン紙で
充分なのに。

 投薬の副作用でうつろになってるから読んでも、感想文を書くエネルギーが
出ない。それでも何かを読まずにはいられない。こっちの方が病いではないか。

橋本 「参考にする」というのがなくなってから、俺は人が本を読まなく
 なったんだろうなと思うんです。ストレートに自分にとって「わかる、
 わかる!」と言えるような本とか、即効的に役に立つ本じゃないと
 受け付けられないみたいなね。>(p188)

内田 だって日本人って世界で一番本を読むんですから。
 [略]
 内田 今だって全国民が週に二冊ずつ本読むらしいですよ。
 橋本 週に二冊本を読まないと、ていう強迫観念のようなものがある。
 そういう人にも読めるようなものを作っていかなくてはいけないから、
 本の質も変わるのではないですかね。俺の本を週に二冊も読んだら、
 頭がおかしくなる。>(p276)

橋本 みんなクリエイターになりたがるしね。
 内田 エンターテイナーになりたい人が多いですね。[中略]
 「いい観客になりたい」という人はいないのかしら。>(p320)
 __います、わたしの唯一の野心がそれ。

 この対談は2004年冬と2005年春の二回に分けて行われ、単行本は
2008年刊行。
 扉裏に<本書をコピー、スキャニング等の方法により無許可で複製する
ことは、法令に規定された場合を除いて禁止されています。>とある。
スキャナを持っていないので手打ちでブログにノートするのは、どう
なるのか?

 多田進のジャケット文字がむかしあった活字を思い出させる。

     (ちくま文庫 2011再 J)





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by byogakudo | 2014-05-26 21:44 | 読書ノート | Comments(0)
2014年 05月 25日

7、8冊読んだ筈だけれど

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 もちろん水星には本をもって行った。たしかに読んだ。だが覚えて
いない。二、三日で忘れるのは毎度そうだけれど、熱っぽいなかで
読むと集中がむずかしい。途切れながらなんとか読み終え、忘れる。
それでも読んだ、と言えるのか。

 タイトルだけでも書いておこう。
 ジェイムズ・マクルーアをありったけ。
「暑いクリスマス」(HPB 1984初 帯 VJ無)
「小さな警官」(HPB 1984初 帯 VJ無)
「日曜の絞首人」(HPB 1985初 帯 VJ無)
「英国人の血」(HPB 1982初 帯 VJ無)。
 ヒラリイ・ウォー「ながい眠り」(HPB 1974初 裸本)。

 ミステリはまだいい。怪奇小説が向かなかった。
 リチャード・マーシュ「黄金虫」(創元推理文庫 1986初 J)、古風な
怪談で好きなタイプだけれど、体調には向かなくて一部はしょる。
 エリアーデ「ホーニヒベルガー博士の秘密」(福武文庫 1990初 J)。
時間を折り畳む話であるとはわかるが入りきれず流し見る。味わえず。

 そうだ、ジェイムズ・マクルーア「小さな警官」の中に<ピーター・
スタイヴァサント(オランダのタバコ)>(p217上段)というのが出て
くる。何だったか忘れたもう一冊にも出てきたが、これはもしかして、
Sが調香師Lのおみやげでもらった「Peter Stuyvesant」ではないか。





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by byogakudo | 2014-05-25 10:43 | 読書ノート | Comments(0)
2014年 05月 24日

le journal Mercure 6

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 水星に着くや、ノートを取り出し線を引き、到着日から始まるカレンダーを
作る、10日後までの。ロビンソン・クルーソーみたいに。収監されてる訳じゃ
ないから、一日を終える毎に×印を加えたりはしない。

 つまり入院して退院してきた。めずらかな病気ではない。わたしにはそんな
才能はない。

 鈴木創士氏みたような天才なら、ワーゲンをバックさせていたときミラーを
見たら、後ろ向きに歩いてくるおばあさんが写り、彼女とぶつかる、という
アリス的交通事故も起きるだろう__記憶違いだったら失礼。たしか、こんな
話だったと覚えている__が、平凡な人間には道路のちょっとした高低差に
つまずいて膝を痛めるとか、ありふれた怪我しか起きない。

 病院や入院を演劇の比喩で考えていた。うまく考えられなかったけれど。
 病院は患者をパターナイズする(診断する)。パターンに当てはめてシナリオ
を書くが、作者(病院)と演技者(患者)の間の情報量の違いから、公演は
どたばたする。(しかし観客はどこに? 当事者ふたりきりの演劇レッスンか?)。
 いくら、ある程度パターン化され予測されたシナリオであっても演者の身体は
絶えず変化しているし、演技者はそもそもシナリオの全体を知らず、台詞の
受け渡しのきっかけも知らない。演者は作者の意図から外れてトチる、トチ狂う
こともある...。





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by byogakudo | 2014-05-24 14:25 | 雑録 | Comments(0)
2014年 05月 22日

le journal Mercure 5

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by byogakudo | 2014-05-22 11:30 | 雑録 | Comments(0)
2014年 05月 21日

le journal Mercure 4

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by byogakudo | 2014-05-21 16:21 | 雑録 | Comments(0)
2014年 05月 20日

le journal Mercure 3

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by byogakudo | 2014-05-20 18:45 | 雑録 | Comments(0)
2014年 05月 18日

le journal Mercure 2

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by byogakudo | 2014-05-18 08:36 | Comments(0)