猫額洞の日々

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2015年 06月 30日

ポチ/bitch の群れ

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 なになに、処分を受けたばっかりの衆議院東京16区・大西英男が
今日も国会内で、
 「誤った報道をするマスコミに対して広告は自粛すべきだと個人的に
思う」と発言したそうで。
< 安保法案が徴兵制につながる恐れを指摘する報道に関し
「徴兵制は全く関係ない。そう報道している一部マスコミがある。
 懲らしめないといけない」と強調した。>東京新聞Web版より。

 今朝の東京新聞『こちら特報部』は、『百田尚樹氏考』。百田尚樹 他の
ポチ/bitch ストーリーだ。

 できるだけ端折って紹介すると、百田尚樹(59歳)は同志社大学生だった
1970年代後半、大阪朝日放送の「ラブアタック!」の常連出演者、大学
中退後に朝日放送の構成作家になり、「探偵!ナイトスクープ」を担当。

 "作家"としては2006年「永遠の0」、2013年「海賊とよばれた男」が
本屋大賞受賞。選んだ人たちは今ごろ悔やんでいる? 売れればいいから
かまわない? ノンフィクション「殉愛」が出版差し止め提訴。
 2012年7月下旬、野党だった安倍晋三が百田尚樹の携帯に電話したこと
から、ふたりの対談本「日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ」(!)出版。
 本の中で安倍晋三は、
<「(河野談話に代わる)談話を閣議決定すべきです」
 「靖国神社には(中略)いずれかのタイミングで参拝したい」と決意を>
語る。

 2012年12月、安倍晋三が再び首相になり、2013年11月に百田尚樹は
NHK、いえ、MHK(籾井放送協会)の経営委員に(2015年2月退任)。
 百田尚樹は日本会議が主導する改憲グループ「美しい日本の憲法をつくる
国民の会」__連中のネーミングセンス!__の代表発起人のひとりでもある。
 2014年2月の都知事選挙時、百田尚樹は田母神俊雄の応援で街頭に立ち、
<「南京大虐殺」について「そんなことはなかった」>。
 2014年5月3日の憲法記念日、bitch・桜井よしこが代表者である団体の
会合で、
<「護憲派の人たちは大ばか者に見える」と>放言したり、百田尚樹ツイッター
では、2014年9月に死去した
<土井たか子・元社民党党首を「売国奴」と>断定したり。

 bitch・桜井よしこは2014年11月9日、沖縄知事選の応援で沖縄に行った
際の講演会で、
<「琉球新報、沖縄タイムスの記事は『日本を愛するという気持はない』と
 しか読めない」
  「本土の比較的まともな産經新聞とか読売新聞みたいな新聞が、ここで
 もう少し定着していくといい」と主張した>そうな。

 百田尚樹と同時期にMHK経営委員になった埼玉大名誉教授(!)のbitch・
長谷川三千子は、新聞のコラムに、
 「女性の一番の仕事は子どもを生み育てること」と書く。

 馬鹿で気狂いの安倍晋三の取り巻き連らしい、馬鹿で気狂いの揃い踏みだ。
 安倍晋三・独裁政権を倒そう。





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by byogakudo | 2015-06-30 20:58 | 雑録 | Comments(0)
2015年 06月 29日

桃園川緑道沿いMOMO Gärtenに行った 他

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 梅雨の晴れ間であり、Sの微熱も少し落ち着き出したし、
どこか歩こうと、昨日は桃園川緑道から Thank you CAFE
目指すつもりだったが、その手前、古民家を改装した MOMO
Gärten
が珍しく坐れそうだ。何度か通ったが、いつも緑道に
沿った庭側にも客が坐っているので、まだ入ったことがない。

 どこでもお好きなところにどうぞと言われて、黒いヴィニルレザー
の椅子にした。70年代調だ。座面のヘタりを補うために置いてある
クッションを外し、背もたれにする。Sが腰骨を折っているので、
自宅以外の大抵の椅子が合わない。写真の古い安楽椅子など、
たぶん低すぎるし、座面が長過ぎる。

 メニューの最初に、昭和23(1948)年に建てられたらしい二軒長屋
を改装して、キャフェを作ったと書いてある。

 まだ暗渠になる前の桃園川に面した二軒長屋、貸家だ。写真手前の
柱のところで縦半分に区切られた二軒であるのは、緑道側から入って
奥を見ると、左右の端に戸口が見えることから分かる。緑道から見て
左側のカウンター部分は左の家の半分以上を占める。カウンター上に
天井が一部残してあって、二階か中二階があったことを示す。

 右奥の扉から外に出ると、ここは桃園川で終わる袋小路にあったの
だと分かる。ひっそりした小さな界隈である。

 散歩を始めて早々、休んでしまって、あとは熱気と湿気の中をさまよう。
 中野一丁目11辺り、なつかしい空気だ。正面と左右に木造モルタル
アパートが奇跡的に残っている広場(?)の左手には大きな銀杏の樹が
そびえ立つ。

 道を曲がり損ねて東中野に出た。中野に出て「古本案内処」に寄る
はずではなかったのか。

 湿気は嫌いだ。熱気と一緒になるともっと嫌いだ。ヨレて戻る。





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by byogakudo | 2015-06-29 20:44 | 雑録 | Comments(0)
2015年 06月 28日

広津和郎「年月のあしおと」を読み始める/「文化芸術懇話会」参加者

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 文庫本だったらなあ、寝床でも読めるのに。しかし、2段組みの
軽装版単行本を文庫化すると、上下巻になるかしら?

 ちゃんとした都内の地図帳も欲しい。「群像」昭和36(1961)年
正月号から連載された「年月のあしおと」は、『一 私は牛込矢来町
で生れた』と始まる。

<今の新潮社(その頃は無論新潮社はなかった)の東側の裏通の、
 新潮社とウラハラになったあたり[中略]
 昨夜その附近を歩いて見た。
  神楽坂の方から行って、矢来通を新潮社の方へ曲る角より一つ
 手前の角を左に折れると、私の生れた家のあった横町となる。>
(p9)__これをパソコンの地図で読み取ろうとすると、すぐマウス
に手が触れて画面が散らかり、めんどくさいので。尾崎紅葉や泉鏡花
の住まいも近い、この辺りを歩いたことはあるけれど、地図上でも
確認したい。

 明治24(1891)年から9歳(明治33=1900年)まで住んだ家の
間取りを、作家はさすがによく覚えていると感心したが、我が身を
ふりかえってみても、子どもの頃の実家の様子は正確に言えるから、
これは関心がどんな方面に向かうか、ということだろう。

 明治27、8(1894、95)年、広津柳浪宅を訪れた泉鏡花が、3、4歳
の広津和郎を抱いて庭に下りたら、青桐の
<枝にとまっていた雨蛙が小便をした。それが鏡花さんの手にかかった
 のである。>(p13下段)__この事件は大正8、9(1919、20)年、
大作家・泉鏡花と新進作家・広津和郎の再会時に、どちらも記憶に残る
できごととして話頭にのぼった。
 19世紀末の東京、牛込矢来町には、庭が50、60坪ある借家があった
のである。

     (広津和郎「年月のあしおと」 講談社 1971年3刷 帯付き/たぶんVJ欠)

7月2日に続く~


 「文化芸術懇話会」に参加した輩の言動を今朝の東京新聞から引用
する。

 「文化芸術懇話会」は衆議院熊本1区・木原稔が代表者であった。

 衆議院東京16区・大西英男は、昨年4月、衆議院総務委員会で
野党の女性議員に、「早く結婚して子どもを産まないと駄目だぞ」
と野次を飛ばした男。6月25日の「懇話会」でマスコミの広告収入
を断つべきだと発言した。

 衆議院福岡1区・井上貴博も、マスコミの広告収入を断つべき、
と述べた。

 衆議院比例近畿・長尾敬、沖縄県の地元二紙を「左翼勢力」など
と非難した男。この発言の趣旨は「反社会的な行動をする人がいる
実態がある。報道すべきことを報道してほしいということだ」と説明。
 どういう説明なのだ?

 冒頭以外は非公開の会合だが、
<発言者と内容はマイクを通じ、室外まで聞こえていた>のは、
わざと聞かせる、"観測気球"のつもりだったのか?

 他の出席者は、
講師として百田尚樹、
官房副長官・加藤勝信や
総裁特別補佐・荻生田光一(三人とも安倍晋三のお友だちや側近)
の全部で37人。

 他の出席者のコメント/ノーコメントも記しておこう。

 途中で席を外した衆議院比例東北・藤原崇は、「私の考えとは
ちょっと違うが、意見を言うのは自由なので、良いとも悪いとも
言えない」。

 名刺だけ置いて出てきた衆議院富山1区・田畑裕明、「言論の
自由はあるので、政治家が弾圧してはならない」が、個別の発言
については「経緯が不明なのでコメントは差し控えたい」。

 衆議院神奈川12区・星野剛士は、「メディア規制みたいになるのは
ちょっと不適切」、発言の是非を問うと、「コメントする筋合いでは
ない」。

 衆議院千葉13区・白須賀(しらすか)貴樹は、百田尚樹の「沖縄の
二つの新聞はつぶさないといけない」発言を、「彼一流のジョーク」
と評価。
 「勇ましい発言が続いたので、私はもう少しソフトな言葉を使った
方がいいと言ったが、報じられなかった」。
 ソフトな言葉で言論弾圧!

 衆議院福岡2区・鬼木誠、「人の発言だから、ちょっと控えます」と
答える一方、「沖縄の二紙がひどいとは思う」と話し、「実際に読んで
検証していないので、あくまでもイメージですよ」。
 この期に及んで、こういう放言。

 衆議院千葉5区・園浦健太郎、「すぐ帰ったので、何も知らないし、
答えられない」。

 戦争法案を考え出した官僚たちの名前を知りたいのだが、どうすれば
いいのだろう。立案してサインなり、めくら判なりついた男がいるはずだ。
 名前が明らかになって経緯の説明を求めても、アイヒマン的な返答を
得るか、不特定秘密保護法下、ぬくぬくと潜んでいるかだろう。歴史の
検証を免れよう、って連中から匿名性を剥がしたい。





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by byogakudo | 2015-06-28 22:22 | 読書ノート | Comments(2)
2015年 06月 27日

正宗白鳥「思い出すままに」読了/谷垣禎一のボロの出し方

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 苦虫をかみつぶす系列の作家であろうと見当をつけ、
読んでみた。文庫本ジャケット袖の写真からして可愛げ
なく、愛嬌を封印したような顔である。いま、怖い顔を
した老人が減っている。お師匠さんは目が笑わず、バレエの
K・K夫人も、にらみつけるように歩いていられる。老いては
かくありたい。「かわいらしい、おばあちゃんになりたい」? 
なに、あまったれたことを言ってる!

 山田風太郎を思い出させるシニカルな感慨__というところで、
シニックの日本語訳は"犬儒"だが、今日の東京新聞、楊逸(ヤンイー)
のコラム・タイトルが『犬儒』、
<今の中国では、「犬儒(政権に迎合する知識人)」が増える
 一方で、学問にこだわる気骨を感じさせる人がうんと減って
 しまったようだ。>とある。
 御用学者・ポチ文化人の類いが中国語での"犬儒"らしい。使おうっと!

 で正宗白鳥に戻る。「思い出すままに」はほとんど、紀行文集だ。
 『魯領通過』と題された中に、深夜、モスクワのホテルに放り出されて
困り果てているとき、ホテルにやってきた日本人に助けられる話がある。
 日本人は『大毎』[注:毎日新聞]の特派員であったが、前年、北京で
帰り道が分からなくなったときも、見知らぬ『大朝』[注:朝日新聞]
特派員に助けてもらったのを思い出す。

<あの時と云い、今度と云い、着いた日に偶然特派員氏に出会って
 便宜を与えられたことを思比べて、私は、これら二大新聞が世界的に
 活躍していることに感心した。人間は自分のたまたま接触したことに
 よって概括的に判断を下し、感心したり蔑視したりするのを常例として
 いるのだ。>(p43)

 偏屈なひとならではのヒューマーも好きだ。
 明るくて老若男女の客がいっぱいのキャフェ・クーポールで、
<我々のように明治の初期に生れた者は、栄華の光景歓楽の環境を
 心に映じさせるには、漢字を使用するのが最も有効なので、
 「葡萄美酒夜光杯」とか、「宮女花の如く春殿に満つ」とかいう
 簡単な言葉を聞いても心がときめくのであるが、そういう派手な
 言葉のあとには、きっと哀愁の語句が添うのである。>(p67)
 でも、クーポールの店内にも客たちにも哀愁の影だに及ばない。

 宇野浩二とか広津和郎、正宗白鳥は"自然主義"の作家なのかしら?
わたしならヒューマー作家に分類する。三人とも大真面目に偏った角度
で書いているように思われるが。

 フラン・レボウィッツ「嫌いなものは嫌い」という本があったっけ。
三人と山田風太郎に捧げたい言葉だ。
 しかし、山田風太郎は物事を眺めるシニカルな姿勢で正宗白鳥の
系譜につながり、小説の構想に於いて遠くエンリーケ・ビラ=マタスに
通じるのか。いったい、どんなレンジの作家だ?!

     (正宗白鳥「思い出すままに」 中公文庫 1982初 J)


 安倍晋三の三下奴であろう衆議院議員・木原稔を1年間、役職停止とする
処分を発表した谷垣禎一が、最後に決め台詞ばりに、
<与党の政治家は自分の思ったことを言えばいいというものではない。
 物事が進み、世の中がおさまる状況を作るのが、与党の政治家であり、
 そういう自覚に立ってもらいたい」>(キッパリ!)
と、やったのには笑った。

 <与党の政治家は自分の思ったことを言えばいいというものではない。>
と言った時点で、木原稔の言葉は自分もそう思うことだ(キッパリ!)と言った
ことになるのが、ほんとに分からないのか? 

 木原稔たちの"勉強会"「文化芸術懇話会」は、事前に自民党執行部と
首相官邸に開催を通知していた。自民党ハト派若手議員たちも同日(6月
25日)に勉強会を予定していたが、中止した。させられた?

 戦争法案を廻る一連のドタバタは逐一、英訳してツイッターやフェイス
ブックで拡散しておくべきではないか。いつなんどき不特定秘密保護法
をかけられるか、分かったものじゃないから。

 来年度の公立中学校の教科書展示会(これは東京都の場合)が行われて
いるそうだが、安倍晋三シンパの育鵬社版、特に公民教科書がおぞましい。

 たとえば"愛国心"に関しては、
<何か共通のものを軸にした「われわれ」という意識(略)や国家への
 帰属意識、国の名誉や存続、発展などのために行動しようと思う気持ち
 を愛国心といいます。この愛国心が、多様な人々をひとつの国民へと
 まとめる重要な役割を果たしています。>

 「われわれ」は何のために原爆を落され、原発という名のゆるやかな
原爆を使用させられ、3・11以来のここにいるのか。愛国心はならず者
の最後の砦、というのは真実極まりない。

 安倍晋三・独裁政権を倒そう。





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by byogakudo | 2015-06-27 21:13 | 読書ノート | Comments(2)
2015年 06月 26日

ロバート・エイクマン/今本渉 訳「奥の部屋」読了

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~6月24日より続く

 初めの2篇『学友』と『髪を束ねて』は女性が主人公、次いで
『待合室』『恍惚』は男性、最後の表題作『奥の部屋』がまた女性。

 主人公の性別で物語のトーンが変わることはないが、女性が主人公
の場合、レズビアニズムの気配が強い。
 「ゲイは男だから分かるよ、でもレズビアンは性的な問題じゃなくて、
政治的な事柄に属すると思う」とはSの言葉だが、それを思い出した。
政治的、すなわち権力の問題である。

 わたしの大雑把な認識では、ホモセクシュアルは互いに、かくありた
かった(あり得たかもしれない)わたし=ナルシシスティックな分身を
認め合い、求め合うことだが("ホモソーシャル"なんて概念を新たに
作り出す必要があるだろうか?)、レズビアニズムは、女性が置かれて
きた社会構造から発生しているのではないかと、Sの考えに同意する。

 社会と歴史(正史)は男が作ってきた。女たちは稗史的存在、男(社会)
に対しては従属的存在、受身の存在とされてきたからこそ、女たちだけの
空間では、イニシアティヴの取り合いが起きる。
 嫁と姑の問題ひとつ取っても事態は明らかだ。誰しも自己決定したいと
望む。それが閉鎖系である家庭内で欲望されたとき、嫁として姑として、
互いに優位性の確認をし合い、諍いが起きる。
 レズビアニズムは、こういった政治力の発現にも拠っているのでは
ないか。(ヘテロセクシュアル側からの読み違いかもしれないが。)

 優劣、強弱を争わないで、互いの差異を認める方向に向かえばいい
のだが、女は本能的に"力"を読み取り、その場で何を求められているか、
どう振舞えば優位に立てるかを察知する能力が高い。
 これは社会的な刷り込みではなく、遺伝的、本能的なものではないか。
つまりマンモス狩りに有能そうな男を一瞬にして見極め、その男を確保
しないと生存できない時代から続く生存本能が、女をしてそう行動させる
のではないかと思うのだけれど。
 レズビアニズムの根底には権力の問題がある、と考える。

 『学友』ではかつての同級生(ヒロインより成績優秀)の出現に伴って、
女主人公は怪異なできごとに遭遇し、しかも同級生との関係は続けるしか
なさそうだ。
 『髪を束ねて』で、婚約者に連れられて行った田園地帯の屋敷に住む
高圧的な女性とも、ヒロインはつき合わざるを得ないだろう、婚約解消
でもしない限り。ヒロインの出会う怪異はまるでアーサー・マッケンの
世界である。

 『待合室』は意外に古風な怪談仕立てだが、主人公の男はすでに死者
の一員みたいに感じさせる。
 『恍惚』では死んだ元絵描きの手記の形で、支配と服従の怪異譚が
語られる。

 『奥の部屋』では、人形(にんぎょう/ひとがた)が元の持ち主である女性
を襲おうとして、これもレズビアニズムを思い出させる面がある。ひとがた
=分身の物語でもあるけれど。

 ふだんは潜んでいる怪異という"図"が階級社会という"地"から、くっきりと
浮かび上がる瞬間が描かれるが、"図"は見た者にしか存在しない。
 "地"は何事もなかったように続いて行き、遭遇者は孤独に孤立して、恐怖を
抱えたまま生き続けることになるだろう、という、イギリスの階級社会をうまく
使った設定で書かれているのだなとは、よけいな感想。

 一年前のMer-de-cureの最中、ロバート・エイクマンの母方の祖父、
リチャード・マーシュの「黄金虫」を読んでいたことに気づくと、妙な
気分になる。

     (ロバート・エイクマン/今本渉 訳「奥の部屋」 魔法の本棚シリーズ
     国書刊行会 1997初 函 帯)    
 





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by byogakudo | 2015-06-26 16:58 | 読書ノート | Comments(0)
2015年 06月 25日

Mercureで正宗白鳥を/「古本案内処」

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 今日は後日のMer-de-cure。待ち時間のために薄い文庫本を、
と思って、昨日、中野駅北口「古本案内処」で買った正宗白鳥
「思い出すままに」にする。

 分かりやすい、行きやすい場所にあるお店だ。説明にある通り、
JR中野駅北口から中野ブロードウェイを突っ切って、早稲田通りに
ぶつかったら右折して、すぐの黄色いテントが目印。迷いようがない
位置取りである。

 熱の引かないSを非情にも部屋に残し、ひとりで出かけた。平日の
夕方近くの店内には、客が数人。ひとのことは言えないが、プロフェッ
ショナルな眼差しの人々である。

 店主は「ささま書店」出身とのことだが、置いてある本がかもし出す
店の空気は、ささまに似ている。こちらは荻窪ほど広くない。
 入ってすぐ左側の開店記念均一棚につい集中して背を読み、やっと
離れたかと思えば、右側の文庫棚に集中してしまう。棚を読むには、
もっと遠目が必要なのに。

 棚に入れる端から売れてゆくのだろうか、それとも棚を埋めきらずに
オープンしたのか不明。

 昨夜、早速、ミステリのお師匠さんに電話を差上げる。
 「中野に新しく古本屋ができたの、ご存知ですか?」
 「いや、知りません。どこ?」
 場所を説明し、中野区では珍しくオタク向けに特化しない、ささま的
雑本指向の古本屋だと申上げると、
 「わたしはブロードウェイにほとんど行かないんだ。雑本屋がいい」。
 "雑本"は、お師匠さんにもわたしにも重要な、ジャンルならざる
ジャンル。
 6月中は休みなし、7月から定休日をつくるらしいとお伝えしたら、
 「明日はちょっと予定があるから近日中に行くよ」って!

 お師匠さんは引退後とみに忙しい。観劇に読書会、新刊書店と
古書店の見廻り、などなど。 
 お師匠さんよりさらに年上の、バレエのK・K夫人も、雨や嵐でない
限り、一日一度は外出される。見習わなくては、と思うけれど、湿気
と熱気にすぐヤラれちゃって。





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by byogakudo | 2015-06-25 20:29 | 雑録 | Comments(0)
2015年 06月 24日

ロバート・エイクマン/今本渉 訳「奥の部屋」2/5

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 先日、伊呂波文庫で買ったロバート・エイクマン/今本渉 訳「奥の部屋」、
こんな感じの作品、と述べるのが、なんだか難しい。まだ収録作5作中の2点
しか読んでないけれど。

 1960年代に書かれたので、ヒロインは仕事をもっている。会社員だったり
作家だったりする。普通の生活者があるきっかけで怪異に遭遇する、という
パターンで、それは大抵の怪奇小説がそうだけれど、うーん、ほんとになんて
言えばいいのだろう。口先女を言葉に詰まらせる...。

 翻訳者の文体が平井呈一風の古風さをもつことも、イギリス怪談の伝統を
感じさせるのだろう。第二篇『髪を束ねて』から引用してみる。会社勤めだが
誰も私生活を知らないヒロイン、クラリンダが、同僚のダドリー・カーステアズ
と婚約を発表した件りだ。

< いや、発表に及んだのはむしろカーステアズの方だった。声のつい届く
 ところに事情を全く知らぬ者がいるというのでは、とてものことに黙って
 おれず、それに何より、自慢したくて堪らなかったのだろう。数年越しで
 やっと努力が報われたのであり、しかもその間とて、山あり谷あり、決して
 平坦な道のりではなかったのだから無理もない。>(p58)

 ああ、そうか。主人公がミドルクラス以上に設定してあるので、時代が新しく
とも、イギリス怪談風味を伝えるのだ。

 ヒロインと周囲の人々は躾がいいから、ショッキングなできごとに遭遇した
ヒロインは口をつぐみ、周囲の人々も何かあったのかと感じても、立ち入って
は失礼だから何も言わず、日常が続いて行く。
 ヒロインの視点で書かれているので、周囲の人たちが、何かあったと薄々
感じているのか、まるで感じてないのかも分からないが、何があろうと日常が
続く異常さだ。

 なるほどと、ひとり合点して次の作『待合室』を読んで行こう。

     (ロバート・エイクマン/今本渉 訳「奥の部屋」 魔法の本棚シリーズ
     国書刊行会 1997初 函 帯)  

6月26日に続く~  





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by byogakudo | 2015-06-24 15:11 | 読書ノート | Comments(0)
2015年 06月 23日

tv eyes,tv ears

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 TVはもう終わってしまったメディアかもしれないが、少し角度を変えて
試みてみれば、まだ新しい語り口がなくもないだろう。

 今日は沖縄の「慰霊の日」である。会期を延長して戦争法案を見た目上、
体裁を整えて、強引に成立させようとする独裁者・安倍晋三が、糸満市での
沖縄全戦没者追悼式に参加した。どの面下げてか、見てみたいじゃない?

 それなのに、TVカメラマンとニュース編集者は何をしているのだろう。
 カメラ一台は必ず、安倍晋三をしつこく追い続けなければ。独裁者が
会場でどうふるまうか、反応するかを記録し続けなければ。

 特に、翁長雄志・沖縄県知事が平和宣言を述べた、そのときの安倍晋三の
表情こそ、翁長氏のショットの直後にカメラを切り替え、沖縄県知事による
平和宣言の音声に被せて、放送すべき被写体ではないか。
 安倍晋三が神妙な顔を取り繕おうとしているか、鉄面皮な無表情を見せるか、
あるいは...それらの情報をTV受像機の前にいる視聴者に伝えるために、クロース
アップで撮らなければならない。

 それなのに、ニュースの映像も音声も、できごとの"なぞり"で事足りる、と
言わんばかりの編集・放映だ。全部のTV局の画面を見たのでなく、たまたま
合っていた局のニュースを見ただけだが、翁長知事のミドルショットと平和宣言
の一部の音声を聴かせ、すぐに「平和の礎(いしじ)」に家族の名前を見つけて
祈る遺族のミドルショットである。
 沖縄の痛みに同調してるフリを見せる、これこそ権力に寄り添った、微温的、
偽善的、犯罪的な編集態度ではないか。
 まさか、この情緒的で怠惰な編集態度はじつは、沖縄に米軍基地を押しつけ、
地方都市の原発からの電力で生きてきた東京都民の怠惰さ、鈍感さの写し鏡の
つもりだ、なんて言い訳をする気はないでしょうね。

 戦争法案についての"市民"も参加した公聴会のニュースで、まず法案賛成の
高年女性(ほんとに一般市民なのか、疑問を抱かせるルックスと口跡だったが)、
次に法案に疑問を持つ中年女性と、建前公平主義を押し通すニュースの編集放送
姿勢を、一度考え直してみるべきではないか。

 できごとは存在する。それを見るのはひとだ。見る角度が存在するのだから、
客観的報道など存在しないけれども、その限界をわきまえながら、できるだけの
知見を提供しよう、というのがメディアの立ち位置ではないか。





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by byogakudo | 2015-06-23 20:31 | 雑録 | Comments(0)
2015年 06月 22日

「悔い改めないと、アンタには投票しないよ!」

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 引用・ご紹介しようと思っていて、まだだった、
安部無法政権の暴走を止める クーデターの代わりに手紙作戦でいこう
である。

 むかし、商品に害があったり不備があったりしたことが新聞やTVで
報じられると、"不買運動"が起きた。該当商品を置いてているだけで
客足が遠のく小売店がまず困り、問屋を突き上げ、製造元の大会社も
改善ないし商品を市場から回収せざるを得なくなった。今は"風評被害"
だが、これを人工的に起こそうという運動だ。落選推進運動である。

 ポイントは、
<みんなで地元の政治家(とくに与党)に直接手紙を出したらどうだろうか。
 署名活動もいいが短くてもいいから「違憲法案をごり押しするあなた方を
 支持できない」と書いて。
 匿名でもいいと思う。
 ハガキでもいいと思う。
 ゴロツキ集団のボスといえども子分がついて来なけりゃエバレない。
 その子分たちは選挙に落ちるのがなにより怖い。>
__ここだ。

 迂遠なようでも"切れ目のない"ボディブローは効く。毎日、「戦争法案
に賛成するなら、貴殿には投票しません」と簡潔な(解釈を間違う可能性
ゼロの)文面の葉書が事務所に届く。毎日のこととなると無視できない。
 手下が浮き足立ってボスである国会議員に訴える。議員ピラミッドの頂点
にある国会議員にも動揺が伝わる。

 彼らが悔い改めたり考え直したりするとは思えない(そんな頭があるか?)
が、彼らの脳内に選挙で落ちる絵図を描かせられたら、勝ちである。

 戦争法案を撤回させよう。





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by byogakudo | 2015-06-22 13:10 | 雑録 | Comments(0)
2015年 06月 21日

「Me キャサリン・ヘプバーン自伝 上」を読みつつ、雨上がりの伊呂波文庫へ

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 キャサリン・ヘプバーンは一代にして成らず、三代かかって
__父方・母方の祖父母の時代から、両親ともに女の自主
独立を尊ぶ家系が続いて、あのキャサリン・ヘプバーンが
生まれたのだなと、思いながら上巻を読んでいる。

 そして夕方、やっと雨が上がる。一日中、傘をささないと
(さしていても)しっとり濡れる、いやな降り方をしていたが、
ようやく夕日が射してきた。

 早めの夕飯を終え、伊呂波文庫へ。部屋から伊呂波文庫まで
歩いて約12、3分、中野通りの信号待ちも入れて。

 いつものようにお喋りしながら本を選ぶ。そりゃあ通信販売は
便利さ。これと決めた1冊を買うのなら。それに近頃は1冊買うと、
すぐさま「それならこれもいかがでしょう」と、ジャンル診断(?)
され、メールでお知らせがくる、大きなお世話で。

 お店で本を買う行為はまったく違う! あちこち縦横無尽、話が
飛び、本が紹介され、気がつけば予想もしなかった1冊を手にした
あなた/わたしがいるのです。古本屋に行こう!





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by byogakudo | 2015-06-21 22:56 | 雑録 | Comments(0)