猫額洞の日々

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2017年 04月 30日

馬喰横山界隈(2017/04/29)

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 連休なので気が重い。お盆みたいには人気(ひとけ)が消えないから。
昨日は都営新宿線で馬喰横山へ。横山町の問屋街は思惑通り、閑散と
している。コンクリートやモルタル或いはトタン板の風景だ。
 東神田1-16辺りの古び方、神田須田町2-15付近も寂しくうつくしい。
よそ者が好き勝手言って申訳ない。

 しかし問屋街がお休みだと喫茶店も休みだ。暑くて、やっとヴェローチェ
を見つけて入る。「神田祭」の法被を着た中年男性たちがいる。ビルの
入口にも、あれは固有名詞では何というのか(無知は不自由だ)、白木で
できた提灯(?)が掛けられる横木のセッティング、が見られた。

 道路から窪んで在る、柳森神社への階段を降りてみた。狭い境内に石像や
各種・神様の家(無知は不自由だ)がどっさり、ぎっしり存在している。

 狐像が左右二体、母狐が仔狐をかばっているから3匹いるが、なにやら
狐版・聖母子像みたいにも見える。すると右の雄狐は母子を守るヨゼフ
なのか?
 顔も狐の顔ではなく、歌舞伎役者の顔から取られているようだ。女形の
美女狐と、美男の雄狐像だ。役者が"みえ"をしているときの表情・風情が
感じられる。だから左右というより下手・上手、後ろの拝殿が舞台に見える。

 モノクローム猫がいる。せっせと身繕い中。ひと慣れしているようで、かなり
接近しても逃げずに身繕いを続ける。

 神社の裏に神田川が流れる。部屋の近所では、あんなに溝様の川幅なのに
大川近くでは、ゆったりと川らしい幅を持つ。

 歩いていたら、地下鉄・岩本町が消え、電車のガードは二つも見えるが駅が
見えない。万世橋だと思ったら、秋葉原の混雑が来る。
 疲れているが坂を上る。ニコライ堂の丸屋根が見え、JRお茶の水駅・聖橋口
に着く。中野で雨に降られそうになったが、辛うじてバス内で過ごす。



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

<感動や共感の沸点が低い人たちに向けて意図的に燃料を投下する
 ことをポルノと呼ぶ。>
(佐々木敦 19:33 - 2017年4月29日
https://twitter.com/sasakiatsushi/status/858509692858908672)





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by byogakudo | 2017-04-30 20:17 | 雑録 | Comments(0)
2017年 04月 29日

ドナルド・キーン『私の大事な場所』読了

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 写真は、(同行しなかった)お祖師様で。1960年ころの「モダン
リビング」誌の表紙か、グラヴィア頁に使われていた写真みたいだ。


 『第一部』『"かけ橋"としての人生』より(漢数字を洋数字に変更)
__

< 1953年、私は日本で研究するために、フォード財団から奨学金を
 獲得した。[略]松尾芭蕉について研究することにした。[略]
 親しい日本の友人たちが[略]戦後の躍動的な日本文学に目を向ける
 ように仕向けてくれた[略]。
 自分でも最初は気がつかなかったのだが、私は、専門家にしか興味の
 ない論文を書いて満足しているような学者から、世界の一地域の文化を、
 世界の別の地域へとつなぐ"かけ橋"へと、徐々に変わっていった。
 [略]
 私は、私の本を読んでくれた人から、面白かったと手紙をもらうほど
 嬉しいことはない。
 [略]
  "かけ橋"としての私の経験は著書だけに限らない。私は日本でも
 アメリカでもしばしば講演を行ってきた。
 [略]日本での私の講演は、日本の人たちに自分の国の文学のことを知って
 もらうだけでなく[略]、一人の外国人でさえも、いかに日本文学を愛する
 ことができるか、ということを聴衆に分かってもらいたいためなのだ。
 [略]
  他の国々で行なう講演は、[略]単に知識の伝達を目的としているのでは
 ない[略]。私をこんなに感動させ興奮させる日本文化について話すことに
 よって、聴衆に私の熱意を伝えたいのである。[略]三島由紀夫に関して話を
 したが、[略]この時は、私が聴衆にすっかりのせられてしまって、そして、
 その時の私の話は、どんなに聴衆を感動させたことだろう。この時ほど、
 教師であることと、"かけ橋"であることを嬉しく思ったことはない。>
(p93-96)
(講演、田辺製薬社内報『まるご』1989年10月号、川島啓助訳)

 『第二部』『学者の苦労』では、
<日本の書物のほとんどに索引がないこと>を嘆く。

<日本で発行された学術書を何気なく手に取って、索引がないと知った
 時に私が感じる怒りや憤りを日本の人たちに分かってもらえるのは
 いつの日だろうか、と何十年も感じて来た。
 [略]
  良い索引を作ることは面倒だろうが、未来の読者を念頭に置いて
 必ず慣習化されなければならない課題だと私は声を大にして出版
 各社に求めたい。索引がなかったために、その本の中に自分の知り
 たい情報があるかどうかと苛立ち、同じ本を再度、再々度、読まな
 ければならなかったことで、私の寿命は何年かは意味なく縮まったと
 思う。
  もう一つ現在でも残っている苦労は人名の読み方である。[略]
 訳者はどうしても発音を知る必要がある。著者が発音を知らなくて、
 すました顔で無視することもあろうが、分かっていてもルビをつけない
 ことがほとんどで[略]私にはこのような慣習は著者、編集者、出版社
 といった業界の人間が読者を見下しているとしか思えないのである。
  もう一つの苦労は漢詩の"翻訳"である。
 [略]現在[略]漢詩、漢文が自由に読める日本人などいったいどれくらい
 いるだろうか。>
(p184-186)(『新潮』2003年1月号)

 この本の巻末にはちゃんと索引がある。

 無学な読者であるわたしの場合、日本の出版物への要望は、もっと
増える。

 地名にもルビを。読みづらいだろうと、一度ルビした人名・地名は、
出てくる度にルビをつけてもらいたい。そうすれば一冊読み終わるころ
には、読み方を忘れようにも忘れられなくなる。
 さらに、簡単な漢字ほど、読み方が分からない。たとえば荷風の随筆
などに喫茶店が出てきて、"小体な家"とか書かれている。"いえ"なのか、
"うち"なのか、いつも悩む。
 生活に即した身近な事柄や身ぶりや手順などの運動行為に、読み方
が分からないことが多い。これは母語だけでなく、外国語を習うときに
現れる困難、身体に即した行為や事柄の言い回しが分からないことと
似ているかしら?


     (ドナルド・キーン『私の大事な場所』 中公文庫 2010初 J)



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

<北朝鮮ミサイルだー!って、メトロ止めても原発再稼動は進めて
 くんだよね。 お花見や派閥パーティー終えて、安倍総理も岸田外相も
 外遊してるけど、地下鉄止まると安心だね。 そうだ、稲田防相が日本で
 留守番してるはずだから何の心配もないや(白目>
(中野晃一 15:42 - 2017年4月28日
https://twitter.com/knakano1970/status/858089048794996736)





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by byogakudo | 2017-04-29 21:38 | 読書ノート | Comments(2)
2017年 04月 28日

今週の行状メモ(2017/04/23-29)

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 Sと一緒に毎日、出歩いていたら疲れがたまり、24日(月)、25日(火)
と別行動を取る。月曜は近くで買物をしただけ、火曜日は店をやっていた
頃、近所だった美容院に行く。
 月曜日の買物には、もうすぐ閉まるB・Oでの文庫本3冊も含まれる。
全部70%引きだったので、半額棚から、森まゆみ『東京ひがし案内』
(ちくま文庫)、108円棚からは小林信彦『天才伝説 横山やすし』(文春
文庫)と入江相政『日日是好日』(中公文庫)。

 26日(水)、もう元気を回復しただろうと、Sと善福寺川緑地へ。
やっぱりまだ疲労感あり。
 それでも27日(木)、歌舞伎町辺りへ行き、今日は23日(日)に続いて、
和泉4丁目から1丁目、2丁目。和泉は、ほんとは連休用に取っておく
べきだが、大川まで地下鉄に乗っている元気が、わたしになかった。

 本の整理をしなきゃなあ。本棚があるのに積読している。むかし、
男性のお客さまから伺ったが、彼は部屋を出る前に窓の鍵を外しておく。
買ってきた本をさっと窓から部屋に滑り込ませ、手ぶらで、何食わぬ顔して
玄関に回る、と。本の山の中に何冊かの本を紛れ込ませるカモフラージュ
作戦だ。
 ポウか、そのアレンジであるチェスタトンのやり方(殺した死体を戦死者
の中に紛れさせる)である。



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 形勢不利と見ると"外遊"作戦に出る卑怯者夫婦。それを誉め称える
おべっか使いのTVニュースショー。
 滅びよ、安倍晋三。滅びよ、追従者の群れ。





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by byogakudo | 2017-04-28 20:36 | 雑録 | Comments(2)
2017年 04月 27日

彼の町・新宿ゴールデン街(バー「ロンリー」)

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 新宿・歌舞伎町、大久保病院内にあるハイジアで開催中の展覧会
東京を写す。東京を彫る。_昭和の編集者・山高登の世界_』を
見に行った。
 木版は愛らしく、モノクロームの写真はひっそりと。メイプルソープ、
師岡宏次に続く、好きな写真家になった。

 近くの大久保公園は、高いアルミのフェンスに囲まれ、ホームレスが
横になれないよう、背もたれはおろか、15~20cm幅の腰を下ろす板
しかないベンチが置かれている。寒々しい。

 大通りから内側に出たり入ったりしながら歩いていたら、小泉八雲記念
公園
があった。古代ギリシャ残影みたような造りの公園に、地域猫、数匹。
不思議な空間だ。

 新宿駅方向を取る。四季の路(新宿遊歩道公園)を通ると、ゴールデン街
遭遇。ふたりとも酒徒ではなく茶徒(正しくは珈琲徒)なので、ここらは縁
がない。
 (Sが)写真を撮り歩いていると、ダイナマイツ時代の山口冨士夫の写真を
ショーウィンドーに発見(今日の下の写真、右隅・いちばん左)。「ロンリー」
というバーだ。

 お店の方が出て来られた。"彼の町・新宿ゴールデン街"の話を伺う。
 新宿区役所近くに、お城のような外貌を見せていた(尾津組マーケットの)
尾津御殿。青線時代の界隈には、八百屋・肉屋・魚屋・銭湯、そして映画館
が連なり、昼間は路地で大勢の子どもたちが遊ぶ。
 「ロンリー」の今のドアは、かつて裏木戸だったところに付け直してある。
むかし、夕方に裏木戸から目を上げると、花園神社の低い土手にやって来る
紙芝居が見えた。
 ご主人は1965年・19歳でお店を始めた。新宿が或る文化の中心だった60~
70年代、映画人や作家たちが集まって賑わう。当時は固定電話しかなかった
から、店は彼らの事務所みたいになる。
 「(たとえば)八千草薫さんから『どこそこにいますからと、お伝え
ください』って電話があるのよ」。

 1時間半くらい、立ち話した。今度は酒徒を誘ってお店に伺いたい。



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/





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by byogakudo | 2017-04-27 21:30 | 雑録 | Comments(2)
2017年 04月 26日

Twitterを読む

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 丹生谷貴志氏のTwitterはイカす。

 <・・・例えば「小説」を「物語=シェルター」のようなもの
 として語る者を信じないこと。どちらにしろ余計なお世話という
 ものだ。シェルターに使うか使わないかは・・・読者はミノムシの
 ように無数の文の断片を千切って、必要ならそれを具体的にシェル
 ターにしもしようが・・・>
(丹生谷貴志 1:56 - 2017年4月24日 https://twitter.com/
cbfn/status/856431738075045889)

 ときどき、「いま、なんつったの?」と二度読みしなければ
ならないこともある。

<ハーメルンの笛吹きの「忌まわしさ」が「誘惑し集めた鼠たちの
 即時大量抹殺の企み」にあるとして、抹殺の企みなしに「鼠たちを
 ただただ誘惑し集め引き連れ寿命の限り世界を引回す」だけだと
 すれば、それは遍在プチブル期現勢世界における「エンターテイナー
 の良心」と「成功の秘訣」になりもする訳だ。>
(丹生谷貴志 21:08 - 2017年4月23日 https://twitter.com/
cbfn/status/856359206948970497)
__いいなあ。


 あちこちのTwitterからの引用。

<「任命責任がある」って言えば何かした気になってるみたいだけど、
 責任は「ある」って言うものでなくて「取る」ものだから。>
(中野晃一 19:57 - 2017年4月25日 https://twitter.com/
knakano1970/status/857066018845229056)

<失言。不適切発言。暴言。辞任は当然として。吐かれてしまった言葉は
どこへ行くのだろうか。吐かれてしまったら消えないよ。およそ政治家
なんてものはずっとそうだったかも知れないけれど…今の内閣の許し
がたい面の最たるものは<言葉>への不敬だ。それは<死>への冒涜で
あり<生>の軽視でもある。>
(Sekiguchi 12:07 - 2017年4月25日 https://twitter.com/
tsekiguchi/status/856947900688945152)

<<言葉>は<寿ぎ>にも<呪い>にもなるもので本来それを司るものが
 政治じゃないか。別の謂い方するなら政治とは説得なのだ。安倍政権が
 …例えば「切れ目のない」なんて言い方して…目指すのは「説得」放棄だ。
 つまり「政治」ではなく「支配」だ。としか思えないよ。いまに<言葉>に
 食い殺されるよ。>
(Sekiguchi 12:08 - 2017年4月25日 https://twitter.com/
tsekiguchi/status/856947968552849408)

呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/





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by byogakudo | 2017-04-26 20:08 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 04月 25日

斎藤美奈子『あほらし屋の鐘が鳴る』読了__この体たらくへの道程

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 劣悪としか言い様のない2017年現在だ。安倍晋三が
北朝鮮の挑発を喜び、基本、対B29・竹槍訓練と何ら違わ
ない、気休め対処方法を示す。
 ミサイルが飛んで来たら大きなビルに逃げ込め? 落雷
じゃあるまいし。

 奇貨居くべし、というのか、人の褌で、というのか、固定
電話に携帯電話も加えた、新しい電話調査とはいえ、支持率
が上がったそうで。
 不人気のトランプが起死回生の先制攻撃をシリアや、ついでに
北朝鮮にしかけた、尻馬に乗って、という言い方もあるのか。
(なんだか、ことわざや四文字熟語の羅列だ。)

 共謀罪ことネオ治安維持法だが、「朝日新聞」が4月15、
16日に「組織的犯罪処罰法改正案」に対する賛成・反対は? 
と尋ねると、賛成が35%、反対が33%。
 2月に「テロ等準備罪」への賛否を聞いたときは、賛成44%、
反対25%だった。(共謀罪」ばらつく賛否、質問の文言も影響か 
報道各社世論調査

 なるほど、"テロ"のひとことをタイトルに入れるだけで受け入れ
可能らしい。内実、共謀罪なのに。治安維持法なのに。

 地上が始まるまで7日がかり、ローマも1日では成立しなかった。
この凄惨な状況だって、何年も何十年もかかって少しずつ準備されて
きた結果である。

 マガジンハウスから「pink」という女性誌が出ていたそうだ。知ら
なんだ。1996年5月から1999年3月まで刊行、全33冊。
 斎藤美奈子は33回の連載コラムを持ち、若い女性会社員の目線で
当時の大人の男性(ベビーブーマーである上司)をからかっていた。

< このコラムが連載されていた1996~99年は、[略]よくいえば
 まだしも平和な時代だった。当時の首相は自社さ連立内閣の橋本
 龍太郎、米大統領はビル・クリントン、東京都知事は青島幸男だった。
 といえば、その「退屈/平和」さ加減が理解してもらえるだろう。小泉
 純一郎(首相)+ジョージ・ブッシュ(米大統領)+石原慎太郎(東京都知事)
 という攻撃的なカードが出揃うのはまだ先で、ふりかえれば「嵐の前の
 静けさ」だったようにも思われる。>
(p13『おじさんマインドの研究』)

 朝日新聞社の雑誌「uno!」(こちらも知らない)での連載『女性誌探検隊』
とのカップリングで、1999年2月に単行本『あほらし屋の鐘が鳴る』(朝日
新聞社)刊行。
 2006年の文庫化に当たり(2006年現在の)脚注が施されている。

 2006年、今から11年前。1999年、今から18年前。1996年、今から
21年前。約20年がかりの体たらくなのだ。

 『おやじ慰撫史観 1996年秋冬』の『歌う爆弾娘 裏読みが笑える
"教科書が教えない歴史"』脚注である2006年1月P.S.は、

<「おやじ慰撫史観」は撤回します。これからはそうだな、「自虐史観」
 に対抗する「自慰史観」と呼びたいと思いますが、それでいかがでしょう。>
(p75)と結ばれる。

 『ダディの復権 1998年春夏』の『亡国五輪音頭 長野報道でわかった
日本が戦争に負けた理由』は、小林信彦のコラムを引用しながら、
スポーツ記事と戦争報道の相似性を語る。

 『バイアグラの波紋 1998年秋冬』の『カミカゼの行方 世界に向けて
紹介したい"ゴー宣"の戦争観』には、単行本時の追記/98年12月と
文庫版P.S.(2006年1月)が収録されている。

< この本で訴えられているのは、特に新しいものではなく、むかしから
 語り継がれてきた民族主義的国家観にもとづく、ごくありふれた幼稚な
 戦争肯定論です。新しいのは、それを思いきりよく単純化し、若者に
 受け入れやすいまんが形式にした点だけ。
 [略]
  いまの日本経済の状態を見ると、今後、「一億総中流」の豊かな状態は
 崩壊し、貧富の差は広がり、失業者が増え、経済的に疎外された若い層
 が拡大することが予想されます。そうした若い層が民族主義や軍国主義
 をよりどころにあばれだす([略])のは、これまでの歴史が示すところ。
 [略]
  こうした民意は国家の動静さえ左右しかねません(選挙だってあるん
 だからさ)。おどかすようですが、[略]統制経済を敷いちゃうような暗〜い
 社会がやってこないとも限りません。>(p227-228/98年12月)

<このとき書き加えた「経済的に疎外された若い層の拡大」が、フリーター
 問題、ニート問題として、その後、ここまでクローズアップされようとは、
 正直、思っていなかった。
  いまのところ彼らはわかりやすい暴徒と化してはいないけど、若者たちの
 イライラ感は、ネット掲示板などを媒介にした愛国的、他罰的なコミュニ
 ケーションにも表れているように思われる。しかし、こうしてみると、98年は
 まだ平和だったのだなあと改めて思い知らされる。米国同時多発テロ以前だし、
 当然ながら、イラク戦争など影も形もなかったわけだし。>
(p229/2006年1月)

 いまや、安倍晋三・類による汚染を、いかに除去して、生き延びるに値する
共同体を作り直すか、という悲惨で困難な状況にいる。


     (斎藤美奈子『あほらし屋の鐘が鳴る』 文春文庫 2006初 帯 J)



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/





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by byogakudo | 2017-04-25 22:27 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 04月 24日

(2)立川談四楼『シャレのち曇り』読了

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~4月19日より続く

 楷書で書かれたような、或いは印刷時には絶対、明朝体で
なければと感じさせる落語年代記だ。

 談志の時代であった或る時期の落語界が描かれると同時に、
落語家"談四郎"(前名"寸志")の青春の物語。日本近代文学
の伝統に則り、私小説性の強い、教養小説だ。

 前座"小あさ"は二ツ目"寸志"に、あまり近づかない。

< 寸志はその頃、酒を浴びるように呑むことが、真の落語家
 への最短距離だと固く信じていた。宿酔であっても談志はサマ
 になるし、[略]。
  宿酔の酒臭い息を吹きかけ、無頼を気取る一年先輩の男を、
 小あさが煙たく思っても不思議はない。>
(p193-194『第三章 二ツ目小僧』)

 暑苦しくならないよう気を遣った、読者に親切な私小説、とも思う。
浮気がバレて、公園で子どもを遊ばせながらの夫婦の会話のシーンなど、
双方に公平に丁寧に、記述される。

< 彼は妻のさりげなさを装った問いには答えず、[略]。
 談四郎は、妻を明るいサッパリした気質の女だと思っている。[略]
 実際彼を責めているのでもない。しかし彼は苛立った。 
  この女は出来過ぎていて面白くない。なぜ嫉妬(やか)ないんだ。
 どうして今頃済んだ話を持ち出すんだ。>
(p212『第三章 二ツ目小僧』)

 とてもバランスのとれた書き方で、落語家の或いは男の"業"が書か
れているなあと思いつつ、わたしはこういう自意識描写の巧さに縁遠い
なあと再確認もする。

 小説家・立川談四楼は、こういう作家なのであろうと、たった一冊読んだ
だけで厚かましくも、いちおう分かったつもりになったが、小説のモデルで
ある主役の落語家・立川談四楼を聞いたことがなくって、申訳ない。

 いま、日本中あちこちで行なわれている、寄席以外の会場で開かれる
落語会は、寄席に出られなくなった立川流の、新しい仕事場開拓の結果
だということを、やっと知るような落語知らずが読んだので。


     (立川談四楼『シャレのち曇り』 PHP文芸文庫 2016初 帯 J)



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

「独裁」国家とは、他国との戦争がなくても、国内に敵をつくりだす
ものだ。国民をたえず監視・弾圧し、「自発的隷従」を好む者だけを
「一般人」とみなす。増税や福祉削減や過重労働、徴用などで攻めたて、
だが過労死や自殺、餓死などについては「自己責任」とするだろう。
危ない。★
(巌谷國士 22:18 - 2017年4月21日 https://twitter.com/papi188920
/status/855651879845482498)

「準備行為」前に捜査 -赤旗4/22 「実行準備行為」がなくても
 「嫌疑」でいけると法務省が答弁。どんどんひどくなる。
(ATS x rednotescale 0:33 - 2017年4月22日 https://twitter.com/
ATS_RNS_2/status/855685925761728512)





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by byogakudo | 2017-04-24 20:54 | 読書ノート | Comments(2)
2017年 04月 23日

杉並区和泉1丁目を歩く

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 おととい(21日・金曜日)杉並区和泉4丁目辺りを歩いた。
方南通りの接骨院の帰り、京王バスで「方南町」まで。
そこから和泉方面に歩き出した。

 神田川を越えると専修大学付属高校などがあり、さらに
代田橋駅最寄り、日本のガウディ・梵寿綱建築!異形のマンション
「マインド和亜&ラポルタイズミ」
にぶつかり、環七に出るつもり
が環七が消えて環八に出会う。迷ったおかげで友人数名が卒業した
日大鶴が丘高校は、ここらだったのかと確認したが、和泉界隈は
なんだか面白そう。しかもあまり行ってない近場である。

 今日は都バスを「釜寺」で降りて環七を渡り、和泉1丁目へ。広い環七
から一歩中に入ると、細くうねった道がいくつも見える。欅の大木も目立つ。
 わたしたちに呼びかけているのはここだろうと、見当をつけて歩き出す。
道幅の狭さがいい。うねり方がいい。まだ新建材住宅に覆い尽くされきって
いない。

 住宅しかないのに「沖縄タウン 和泉明店街」という旗が電柱に下がる。
お祭りらしい音がしてきた。細道の角を曲ると右奥にステージが設けられ、
若い男性ふたりがコント(?)を演じている。見ている子どもも大人も楽し
そうだ。
 しかし道幅あくまでも狭く、商店街の通りも真っ直ぐではない。曲がり角
のステージと見物スペースである。

 人々の流れと逆に進むと、古い木造モルタル市場があった。むかし、
日本中の町々にあった小さな市場の建物だ。鰻の寝床式に細長く、通路の
両側に並ぶ同一サイズの店舗は幅が狭く、奥行きも浅い。急な階段の上に
狭小な住いがあるような。
 建物の脇に廻ると、放火があったので監視カメラをつけたと貼紙がある。
環七や甲州街道からすぐのところだ。地上げ屋に目をつけられたのか?

 「来夢来人(ライムライト)」という喫茶店があったので休憩。

 大通りに出て甲州街道と環七との接続が分かったので、また内側の細い
道に入る。どこから入っても、ある程度進むと、さっきの「沖縄タウン 和泉
明店街」に出てしまう。旧農道故の迷宮性だろうか。アジア的な自然発生的
商店街だ。

 Sが思わず、「黄金のトタン通りだ」と呟いた道に出会う。狭い道の両側に
トタン板で覆われた小さな住宅や仕舞た屋が続く。胸に迫るような風景だ。
うつくしい。



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/





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by byogakudo | 2017-04-23 20:53 | 雑録 | Comments(2)
2017年 04月 22日

よにあはれ はつねの うぐいす/駒場東大前

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 与話情浮名横櫛(よわなさけ うきなの よこぐし)
 恋衣花笠森(こいごろも はなの かさもり)
 散柳窓夕栄(ちるやなぎ まどの ゆうばえ)

 うーむ。“よにあはれ はつねの うぐいす”って漢字でタイトル
したいのだけれど、どう書けばいいのかルールが分からない。
 『与話情浮名横櫛』や『散柳窓夕栄』を見てみると、文字数が
奇数だから”初音鶯”で3文字。最初を”与情”として“よにあはれ”
と読んでもらえるだろうか。無教養で困ったものだ。

 春先は鳥がよく鳴くのだと、やっと気がつく年齢になったので、
今年の春は鳥の声を耳にすることが多い。
 晴れた昨日の朝、鶯の声がした。その前にバス停でも聞いたし、
伊呂波文庫さんは方南町辺りで聞いたという。

 昨朝は目の前の小公園で初音がした。ほんとに初鳴きらしく、「ケキョ
ケキョケキョケキョ、ホー」と、発声練習から始まった。それからだんだん
調子を上げて、午後から夕方にかけては大きく明瞭に「ホーホケキョ」と
響かせる。
 近所合壁、どこにいるのかと目を樹々に走らせる。小学生の少女ふたりは
スマートフォーンで写真を撮ろうと、飛び立った鶯の追っかけをしている。
 今朝も少し離れたところで鳴き声がした。

 午後は駒場東大前に。新入生の季節なので構内にひとが多い。土曜日と
いうこともあるのかしら。
 軽食をとってから、ぐるっと廻る。もう少し建物が少ない方がキャンパス
としていいのだが、少子化であっても新しい建築物は必要なのかと、いつも
の疑問を抱く。

 帰りは河野書店に寄る。店頭で、斎藤美奈子『あほらし屋の鐘が鳴る』
(文春文庫)、中で吉田健一『日本に就て』(ちくま学芸文庫)とドナルド・
キーン『私の大事な場所』(中公文庫)。
 レジ横に置いてあったウォホール・マペット(『セサミストリート』系
の顔をしていた)が楽しい。売り物ではなく、お客さまからのプレゼント
だそうだ。ウォホールにも書店のご主人にも似ていた。

 4pm頃、部屋に戻る。空は垂れ込めていて、鶯の声はしない。
晴れてないと、鳴きがいがないのだろう?



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 共謀罪ってなに?





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by byogakudo | 2017-04-22 20:00 | 雑録 | Comments(2)
2017年 04月 21日

フレドリック・ブラウン/高見沢潤子 訳『彼の名は死』読了

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 昨日は失礼しました。出かけていて帰りが遅かったので。

 数日前に読み終えたフレドリック・ブラウン『彼の名は死』、
『悪夢の五日間』と似た印象をもつのは、主人公の当意即妙と
いえば当意即妙、だが作話症めいた嘘のつきっぷりが、そう
感じさせるのだろう。

 『悪夢の五日間』の主人公は妻を誘拐された被害者だが、お金の
工面に当り、友だちに下手に事情を話して警察が知るところとなって
は妻が危険に曝されるので、次から次へと嘘の説明をする。
 『彼の名は死』の主人公は印刷所経営者。妻を殺したのに捕まら
なかった犯罪者だ。さらに偽札を作って金持ちになろうと不届きな
ことを考えるが、まだ使う予定でなかった偽札が流通しそうになり、
慌てて回収する。その際、嘘に嘘の口実を重ね、殺人を重ねる羽目
になる。"殺人は癖になる"、まったく。

 ふたりとも小説家を志望すればよかったのに、作話症の才能が
活かせたのにと、読み手は思うのである。それぐらい流暢な嘘話を
転がし続ける、小説批評的メタミステリかとも思われる書きぶりだ。

 『彼の名は死』の第一章は『彼女の名はジョイス・デュガン』、
第二章『彼の名はダリュウス・コン』等々、登場人物を紹介しながら
物語が動く。
 第七章『私の名はジョイス・ウィリアムズ』のジョイスは、第一章と
同一人物で、彼女の旧姓である。デートをすっぽかされ、ひとりで
犯罪映画を観るシーン__

< 少しずつ彼女は映画に興味を持ちはじめた。ほんの少し__[略]
 __<わたしは殺される>とよく似ていた。だれかが殺そうとしている
 女の話だった。しかし、<わたしは殺される>では、とにかく、しばらく
 してからだれかが殺そうとしていることを知ったのだ、そして助けを
 もとめつづけてそれができなかったのだ。この映画では、女と犯人の
 間でカット・バックがあり、観客は、女が危険であることを知っているが、
 女は知らない。[略]そしてその危険は、映画がすすむにしたがって
 ずんずん近づいている。>(p182)

__こういう箇所に、作者の自己言及性を感じる。フレドリック・ブラウン
って、こんなに変な作家だったかと、認識を改めるのだ。


     (フレドリック・ブラウン/高見沢潤子 訳『彼の名は死』
     創元推理文庫 1974年5版 J)



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 昨日4月20日付け「東京新聞」1面、『平和の俳句 戦後72年』
には81歳の女性の句が取られている。

<多喜二多喜二総理の夢に現れよかし>

 小林多喜二は1933(昭和8)年2月20日、特高警察に虐殺された。





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by byogakudo | 2017-04-21 23:08 | 読書ノート | Comments(0)