2017年 04月 23日

杉並区和泉1丁目を歩く

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 おととい(21日・金曜日)杉並区和泉4丁目辺りを歩いた。
方南通りの接骨院の帰り、京王バスで「方南町」まで。
そこから和泉方面に歩き出した。

 神田川を越えると専修大学付属高校などがあり、さらに
代田橋駅最寄り、日本のガウディ・梵寿綱建築!異形のマンション
「マインド和亜&ラポルタイズミ」
にぶつかり、環七に出るつもり
が環七が消えて環八に出会う。迷ったおかげで友人数名が卒業した
日大鶴が丘高校は、ここらだったのかと確認したが、和泉界隈は
なんだか面白そう。しかもあまり行ってない近場である。

 今日は都バスを「釜寺」で降りて環七を渡り、和泉1丁目へ。広い環七
から一歩中に入ると、細くうねった道がいくつも見える。欅の大木も目立つ。
 わたしたちに呼びかけているのはここだろうと、見当をつけて歩き出す。
道幅の狭さがいい。うねり方がいい。まだ新建材住宅に覆い尽くされきって
いない。

 住宅しかないのに「沖縄タウン 和泉明店街」という旗が電柱に下がる。
お祭りらしい音がしてきた。細道の角を曲ると右奥にステージが設けられ、
若い男性ふたりがコント(?)を演じている。見ている子どもも大人も楽し
そうだ。
 しかし道幅あくまでも狭く、商店街の通りも真っ直ぐではない。曲がり角
のステージと見物スペースである。

 人々の流れと逆に進むと、古い木造モルタル市場があった。むかし、
日本中の町々にあった小さな市場の建物だ。鰻の寝床式に細長く、通路の
両側に並ぶ同一サイズの店舗は幅が狭く、奥行きも浅い。急な階段の上に
狭小な住いがあるような。
 建物の脇に廻ると、放火があったので監視カメラをつけたと貼紙がある。
環七や甲州街道からすぐのところだ。地上げ屋に目をつけられたのか?

 「来夢来人(ライムライト)」という喫茶店があったので休憩。

 大通りに出て甲州街道と環七との接続が分かったので、また内側の細い
道に入る。どこから入っても、ある程度進むと、さっきの「沖縄タウン 和泉
明店街」に出てしまう。旧農道故の迷宮性だろうか。アジア的な自然発生的
商店街だ。

 Sが思わず、「黄金のトタン通りだ」と呟いた道に出会う。狭い道の両側に
トタン板で覆われた小さな住宅や仕舞た屋が続く。胸に迫るような風景だ。
うつくしい。



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/





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# by byogakudo | 2017-04-23 20:53 | 雑録 | Comments(2)
2017年 04月 22日

よにあはれ はつねの うぐいす/駒場東大前

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 与話情浮名横櫛(よわなさけ うきなの よこぐし)
 恋衣花笠森(こいごろも はなの かさもり)
 散柳窓夕栄(ちるやなぎ まどの ゆうばえ)

 うーむ。“よにあはれ はつねの うぐいす”って漢字でタイトル
したいのだけれど、どう書けばいいのかルールが分からない。
 『与話情浮名横櫛』や『散柳窓夕栄』を見てみると、文字数が
奇数だから”初音鶯”で3文字。最初を”与情”として“よにあはれ”
と読んでもらえるだろうか。無教養で困ったものだ。

 春先は鳥がよく鳴くのだと、やっと気がつく年齢になったので、
今年の春は鳥の声を耳にすることが多い。
 晴れた昨日の朝、鶯の声がした。その前にバス停でも聞いたし、
伊呂波文庫さんは方南町辺りで聞いたという。

 昨朝は目の前の小公園で初音がした。ほんとに初鳴きらしく、「ケキョ
ケキョケキョケキョ、ホー」と、発声練習から始まった。それからだんだん
調子を上げて、午後から夕方にかけては大きく明瞭に「ホーホケキョ」と
響かせる。
 近所合壁、どこにいるのかと目を樹々に走らせる。小学生の少女ふたりは
スマートフォーンで写真を撮ろうと、飛び立った鶯の追っかけをしている。
 今朝も少し離れたところで鳴き声がした。

 午後は駒場東大前に。新入生の季節なので構内にひとが多い。土曜日と
いうこともあるのかしら。
 軽食をとってから、ぐるっと廻る。もう少し建物が少ない方がキャンパス
としていいのだが、少子化であっても新しい建築物は必要なのかと、いつも
の疑問を抱く。

 帰りは河野書店に寄る。店頭で、斎藤美奈子『あほらし屋の鐘が鳴る』
(文春文庫)、中で吉田健一『日本に就て』(ちくま学芸文庫)とドナルド・
キーン『私の大事な場所』(中公文庫)。
 レジ横に置いてあったウォホール・マペット(『セサミストリート』系
の顔をしていた)が楽しい。売り物ではなく、お客さまからのプレゼント
だそうだ。ウォホールにも書店のご主人にも似ていた。

 4pm頃、部屋に戻る。空は垂れ込めていて、鶯の声はしない。
晴れてないと、鳴きがいがないのだろう?



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 共謀罪ってなに?





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# by byogakudo | 2017-04-22 20:00 | 雑録 | Comments(2)
2017年 04月 21日

フレドリック・ブラウン/高見沢潤子 訳『彼の名は死』読了

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 昨日は失礼しました。出かけていて帰りが遅かったので。

 数日前に読み終えたフレドリック・ブラウン『彼の名は死』、
『悪夢の五日間』と似た印象をもつのは、主人公の当意即妙と
いえば当意即妙、だが作話症めいた嘘のつきっぷりが、そう
感じさせるのだろう。

 『悪夢の五日間』の主人公は妻を誘拐された被害者だが、お金の
工面に当り、友だちに下手に事情を話して警察が知るところとなって
は妻が危険に曝されるので、次から次へと嘘の説明をする。
 『彼の名は死』の主人公は印刷所経営者。妻を殺したのに捕まら
なかった犯罪者だ。さらに偽札を作って金持ちになろうと不届きな
ことを考えるが、まだ使う予定でなかった偽札が流通しそうになり、
慌てて回収する。その際、嘘に嘘の口実を重ね、殺人を重ねる羽目
になる。"殺人は癖になる"、まったく。

 ふたりとも小説家を志望すればよかったのに、作話症の才能が
活かせたのにと、読み手は思うのである。それぐらい流暢な嘘話を
転がし続ける、小説批評的メタミステリかとも思われる書きぶりだ。

 『彼の名は死』の第一章は『彼女の名はジョイス・デュガン』、
第二章『彼の名はダリュウス・コン』等々、登場人物を紹介しながら
物語が動く。
 第七章『私の名はジョイス・ウィリアムズ』のジョイスは、第一章と
同一人物で、彼女の旧姓である。デートをすっぽかされ、ひとりで
犯罪映画を観るシーン__

< 少しずつ彼女は映画に興味を持ちはじめた。ほんの少し__[略]
 __<わたしは殺される>とよく似ていた。だれかが殺そうとしている
 女の話だった。しかし、<わたしは殺される>では、とにかく、しばらく
 してからだれかが殺そうとしていることを知ったのだ、そして助けを
 もとめつづけてそれができなかったのだ。この映画では、女と犯人の
 間でカット・バックがあり、観客は、女が危険であることを知っているが、
 女は知らない。[略]そしてその危険は、映画がすすむにしたがって
 ずんずん近づいている。>(p182)

__こういう箇所に、作者の自己言及性を感じる。フレドリック・ブラウン
って、こんなに変な作家だったかと、認識を改めるのだ。


     (フレドリック・ブラウン/高見沢潤子 訳『彼の名は死』
     創元推理文庫 1974年5版 J)



呪 吐爛腐/呪 亜屁沈臓/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 昨日4月20日付け「東京新聞」1面、『平和の俳句 戦後72年』
には81歳の女性の句が取られている。

<多喜二多喜二総理の夢に現れよかし>

 小林多喜二は1933(昭和8)年2月20日、特高警察に虐殺された。





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# by byogakudo | 2017-04-21 23:08 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 04月 19日

(1)立川談四楼『シャレのち曇り』半分ほど

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 他に読みかけがあるのに、つい読み出した。

 立川談志ファンのセヴンティーンが楽屋を訪れ、弟子入りを
請う。
< 「あのね坊や、落語ってな江戸っ子のものなんだ。[略]
 下町訛りと言ったらいいかな、つまり江戸弁が喋れねえと
 無理だし駄目なんだ。群馬か、うーん、ま、茨木や栃木よりは
 いくらかマシだけどなあ」
  談志は明らかに落胆していた。
  「ま、横浜がリミットだな。親父(おやっ)さんは何屋なんだ」
  「はい、大工です」
  「へえ、群馬にも大工がいるのか」
 [略]
 群馬と父親を笑われ、身を硬くするしかない。>
(p48『第一章 屈折十三年』)

 <身を硬くするしかない。>の次の行で、参議院議員になった談志
の議員会館の部屋に、談四楼の父(群馬の大工さん)が作った神棚
が吊られたエピソードに移り、ふたたび入門前の楽屋での会話に戻る。
 このジャンプ挿入が、どうも按配がよくない気がするが。

 巻末に『著者解説』があり、色川武大に書き直しを相談すると、
<「若書きのよさもあるんだよ。年を取っては書けない文章と
 いうものがね。寡聞にして、発表後に直してよくなったという
 例は知らないね。書いた時の自分を大事にしなさい」>(p350)
と、諭される。
 わたしの感じた上記の箇所と、著者が書き直したいと思った箇所が
同じであるかどうか知らないが、色川武大の最後のひとこと、いいな。


     (立川談四楼『シャレのち曇り』 PHP文芸文庫 2016初 帯 J)



呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

<学芸員ががんとは山中地方創生相も思い切ったことを言ったもんだ。
 先日の今村復興相と言い、いずれも謝る振りをしてケリ。昔は確実に
 首が飛び、内閣さえ吹っ飛んだものだが、今は誰も彼も平気の平左だね。
 こんなに世間を舐めてる政権は未曾有で、一部の人しか抗議の声を上げ
 ないのもまた未曾有なのだ。>
(https://twitter.com/Dgoutokuji/status/854165941797535744>


 昨日付け「東京新聞」朝刊4面『3・11後を生きる』欄は『「松川事件」
元被告が語る共謀罪』だ。

 阿部市次氏(93歳)は、
 1949年9月22日、26歳のとき、福島市内の共産党本部にやってきた
警察に逮捕された。
 1950年12月、福島地裁で阿部氏たち5人に死刑判決。
 1963年9月、「松川事件」被告全員の無罪が確定。
 阿部氏は無罪確定前の1959年5月に保釈されたが、10年近く拘置所に
留置されていた。

 阿部市次氏は「共謀罪」に反対する。
<「実行行為すらいらず、何にでも適用できる。反対勢力を追い落とす
 権力の横暴に歯止めがかからなくなる」
  特に気になるのが「自白」の重用だという。阿部さんたちを一審で
 死刑判決に追い込んだ「謀議」は、別件の暴行罪で逮捕された少年の
 自白を根拠にしていた。その後の裁判で自白は虚偽であったと認定
 される。
  ところが今、提出されている「共謀罪」法案には、「自首減免規定」
 も盛り込まれている。謀議に加わり、自首して情報を流した者には、
 罪を減じるという規定だ。
  「松川事件の判決は、自白はあてにならないと示した。その自白を
 重要視するのだから、時代が逆行したとしか思えない」>

 「自首減免規定」は権力側がスパイを潜入させるのに必要な措置だ。
たとえば、スパイが政権に反対する穏やかな市民運動体に参加する。
派手に仲間を煽動する。煽るだけ煽って、仲間が過激化し、頃は良し
と見極めたら自首して出る。スパイは執行猶予か何かがつき、権力側
に回収されるという仕組みである。
 風太郎の明治ものにも、この設定が出てきたが、「自首減免規定」の
使い道は、囮捜査用、これしかないだろう。火のないところで放火する
のがスパイの腕の見せ所だ。

 いいのか、こんな法律を通して? 





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# by byogakudo | 2017-04-19 19:51 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 04月 18日

大和町から阿佐谷北へ

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 近隣でありながら、あまり行ったことのない、何もないところを
歩こう。中野駅までバス。北口、中野区役所前からまた阿佐ヶ谷駅
行きバス、大和町三丁目で降りる。

 わたしは一度来たことがある。バレエのK・K夫人が当った都営
住宅の検分にお供したのだ。静かでのどかだ。いちばん近い"街"
がバスで行く中野。彼女が行く病院は新宿方面だから、さらにバス
を乗り継ぐ。図書館も近くになさそう。
 そんなこんなで彼女は辞退した。Sは今日初めて(?)ここらを
歩き、物件を見たが、見た途端、
 「あ、K・Kさん、無理」。もっと街の気配がある静かなところ
でないと。
 
 何もないといっても、こういう何もなさではないんだがな。
 歩いていると陽が出て暑くなる。身体が冬を引きずってるから、
具合が悪くなる。早稲田通りは休憩地点が期待できない。
 阿佐ヶ谷を目指す。

 中杉通りに出た。リユース/骨董店が通りに面して在った。入ってみる。
暑くて、お店の名前を確認するのを忘れてしまったけれど、使いやすい
品物が多そうだ。

 さらにJR阿佐ヶ谷駅方向に進むと、ゆたか。書房

 均一台を見ていた男性が入場し、購入。わたしたちも続く。
なつかしい古本のにおいに包まれる。紙衣(パピエ・コレ)展の
小図録(『パピエ・ア・ラ・モード』)、モノクロームの
『新信濃写真風土記 4 里のあかり』なぞ見ていると、リュック
の男性が入店、
 「こないだの『広辞林』、まだある?」と、購入。
 こちらは文庫棚から立川談四楼『シャレのち曇り』(PHP文芸文庫)。
 わたしたちが出た直後にも入っていく男性を目撃。中央線沿線には
本好きが多いのか。

 駅前のビルにある、「ニューシャドー」(ついに入った)で休憩して
電車とバスで戻る。



呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/





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# by byogakudo | 2017-04-18 21:12 | 雑録 | Comments(0)
2017年 04月 17日

(2)ヒラリー・ウォー/法村里絵 訳『この町の誰かが』に追加

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~2015年11月27日より続く

 1年半も前に読んでて、よく覚えているものだが、今朝、
Sとわたしのベッドのマットレスを交換していて、思い出した。

 『この町の誰かが』は関係者の手記の形式でストーリーが
進む。殺された少女の母親の記録に、週に一度、毎週・木曜日
に家族のシーツを取り替える話が出てくる。母親はついでに
マットレスの天地もひっくり返す、というのだ。

 これはマットレスのへこみを緩和するのにいいが、どれくらい
の厚さ・重さのマットレスなのだろうと、気になったのだ。
 だって、うちのマットレスは厚み21cm以上ある。かなり重い。
半年に一度の天地変更が精一杯なのに、40歳前であろう母親とは
いえ、厚くて重かったら、いくらなんでもターンさせる回数を減らす
のじゃないかしら?
 それとも40歳くらいのアメリカの白人女性の体力なら、重い
マットレスだろうと平気でやってのけられることなのだろうか? 
読みながら、つくづく厚さと重さが知りたかった。
 まったく、ミステリに何を求めているのだろう。


     (ヒラリー・ウォー/法村里絵 訳『この町の誰かが』
     創元推理文庫 1999初 J)

 Sが肩が痛いのはマットレスの型くずれのせいではないか、と
いうことで交換して天地も回転させたのだが、しばらく寝てみない
と分からない。
 掛け布団の冬装備も今日で止めて、春から初夏用に替えた。
あとは、加湿器を掃除して片づけるのは、明日以降にしよう。
 一日の奮闘は一日にて足れり。



呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 三宅弘弁護士 財務省の森友交渉記録は「今からでも作れる」

<――「文書はない」で終わらせては絶対にいけない、ということですね。

  財務省が「ない」と言っていることについて安倍首相が国会で「ない
 ことを証明するのは悪魔の証明だ」と言っていましたが、自分たちの
 法律上の保存義務違反を棚に上げて、あんな場面で「悪魔の証明」
 を使うのはいかがなものか。そもそもこの公文書管理法は麻生首相
 (現財務大臣)の時に作った法律ですよ。皆さん国会で笑っているし
 ねえ。

 ――公文書管理法は2009年の施行。麻生さんの前の福田康夫元首相が
 熱心だった。

  福田さんがなんとしても成立させるんだって頑張って、くだんの4条
 (意思形成過程を残す)が入ったのです。これはすごく大事で、集団的
 自衛権の行使を認める閣議決定時に、内閣法制局が「意見なし」とした
 件で、その経緯に関わる意思決定文書を法制局長官は「ない」とした。
 しかし、情報公開・個人情報保護審査会は、次長レベルで上がってきた
 想定問答を「意思決定の経緯を残すもの」だとして公文書だと答申した
 のです。こうした経過を知っていれば、首相は「悪魔の証明」なんて
 言えないはずです。>





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# by byogakudo | 2017-04-17 15:45 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 04月 16日

フレドリック・ブラウン/向後英一 訳『悪夢の五日間』読了

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 リライトされてない大人向けの『ロビンソン・クルーソー』を読んだ
とき、収支決算書みたいな小説だと思った。
 無人島に漂着した主人公は生き延びるために計画を立て実行する。
実行の過程で修正が施される。他者を発見し、小さな共同体を営んで
いたある日、本国の船に発見され、帰還が叶う。

 『ロビンソン・クルーソー』は、このプロセスを淡々と描くだけで、
主人公は船の難破や漂流で特にショックを受けた様子もないし、漂着
したら、脅えたり悲嘆に暮れたりする閑もなく、せっせと作業を始める。
効率の話かと思うくらい、プロテスタントの倫理を生きる主人公だなあと、
思った(と記憶する)が、フレドリック・ブラウン『悪夢の五日間』の
主人公、ロイド・ジョンソンも、ロビンソン・クルーソーの末裔だ。

 フェニックスで投資相談業の会社を共同経営する主人公が帰宅したら、
妻がいない。誘拐犯からの身代金請求書が机上にあった。猶予は週末を
挟んで5日間、25.000ドルである。
 街では最近、誘拐事件が2件続いていた。プチブル家庭の妻が誘拐され、
警察に相談した方は殺され、黙って身代金を払った方は無事だった。
 主人公、ロイド・ジョンソンはショックで倒れたりせず、悩む閑もなく、
せっせとお金の作り方を実行してゆく。家を売っていくら、株を売って
いくら、といった按配に能率よく、お金をこしらえる。
 情報力の高い犯人は、被害者が払える可能性の中での最高額を提示して
いる。加害者も被害者も効率の鬼なのか。

 ロビンソン・クルーソーよりは物思う主人公だ(と思う)が、馬力を
かけて問題を解決してゆく姿勢は、似ている。
 スポーティなミステリ。


     (フレドリック・ブラウン/向後英一 訳『悪夢の五日間』
     創元推理文庫 1967初 J)



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 シリア、アサド政権が化学兵器を使用したという証拠も示さず、
たとえ形だけのものにせよ、国連での討議もなくシリアを襲い、
アフガニスタンには核兵器に準ずるMOABを投下するトランプと、
それを真っ先に称賛する安倍晋三。
 気違いに刃物、トランプと金正恩に核ミサイル。

 偽ニュースと確証バイアス by 藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員





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# by byogakudo | 2017-04-16 21:24 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 04月 15日

台東区元浅草2丁目辺り(2017/04/14)

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 毎日のように出歩く。毎日のように近所歩きが続く。西の東京の
風景に食傷して、昨日は西新宿三丁目から地下鉄・大江戸線に乗り、
新御徒町・下車。

 下谷神社の方へ、Coffeeヤマを目指す。きれいなトタン板の建物に
目を奪われて、つい右側に寄ったら道を間違える。A1から出てすぐ
左折、まっすぐ進めばヤマだった。
 でも、こんなにきれいな町なんだもの、迷ってうろつくのが真骨頂。

 ヤマでアイスコーヒーとトースト(お昼がまだだった)。トースト
に蜂蜜も塗った方がいい?と聞かれ、お願いする。トーストも林檎の
入った小さなサラダも、やさしくおいしい。カウンター席からは野球
の話(ジャイアンツ戦)が聞こえる、Coffeeヤマの午後。

 下谷神社に、またアヒルがいた。結構、高齢みたいだ。まるで猫の
ような気配で水のバケツの隣に羽をたたんで坐り込む。

 おかず横丁を目指してさまよう。さまようってほどではない距離と
地理だけれど、よそ者としては、さまよう気分。

 台東区元浅草2丁目7の辺り、気が狂いそうにうつくしい。東京に
まだ、すきまが残っている。いずれ遠からぬうちにすきまは埋め尽く
され、記憶をとどめるよすがも喪われるだろうが、でもまだ、無駄で
不思議な、贅沢な場所にぶつかる。

 写真上は大通りに面したビルの一部。
 手前は薄暗い駐車場、芝居が始まる前の観客席のようだ。奥、正面は
白い外壁、上手にトタン板の壁。まるで強烈なフラッドライトのような
外光を蓄えた奥の一郭だ。下手はどうなっているのかと、舞台を眺める
ように感動して見入る、街角の演劇的空間だ。

 すてきに錆びたトタン板で三方を囲んだ駐車場。屋根とトタン板の壁の
間にすきまがある、葭簀張りの小屋の記憶に連なる場所。

 東の東京はうつくしい。いまさら無理と分かっていても、来てしまうと、
ここで最晩年が過ごせたらなあと熱望する瞬間がある。
 ここらの集合住宅に部屋を借りて、食べるものは佐竹商店街か、おかず
横丁。本は通信販売と、着るものは新高円寺の古着屋で手に入れるから、
そのついでに古本屋に行く。ここらに住めば大川は近いし、人形町や銀座
も近い。あ、頼れる接骨院も探さなきゃと、妄想が瞬時に脳内を巡る。

 おかず横丁、入舟や。相変わらず、宝石箱のようにうつくしいショー
ウィンドー。
  "入舟やで朝食を"って浮かんだけど、あまりにもそのままである。

 おかず横丁の近くに工場跡を改装したショップ、SyuRoがあった。
蔵前や門前仲町と同じように、若者(?)が東を目指す運動の一端だろう。
角地に建つので両側を広く開けて風が通る。天井が高く、中二階みたような
事務所スペースもある。モノが見やすい、気持よいレイアウトだ。
 
 入舟やさんのご主人からお話を伺う。おかず横丁は昭和2(1927)年、
関東大震災後にできた商店街で、戦火に遭わなかった。入舟やさんは
昭和10(1935)年に開業、ご主人は昭和13(1938)年にここで生まれ、
ここで育ち、ここで仕事を続ける。
 「同級生はほとんどサラリーマンになって、別のところに行っちゃった。
先輩はひとりかふたり、残っているけどね」
 「子どもも跡を継がないしね、マンション暮らしに慣れちゃうと、
こういう__と、向かいのお店の幅や奥行きを示し__むかしの家は
全部この寸法でできてたから、狭いとこに5、6人も一緒に住んでたんだ」

 わたしたちが中野新橋近くの商店街で古本屋をやっていたと言うと、
 「ここにも2軒、本屋があったんだよ。昭和50(1975)年には消えたけど」

 川島商店街と同じように何かイヴェントがあると、webで知るらしく、
ふだん人気(ひとけ)のない商店街に、どこからか人が大勢集まるそうで、
コンスタントにひとが流れている商店街というと、高円寺・阿佐ヶ谷くらい
しか、わたしは知らない。

 高円寺はむかしから、よそからやってきた妙な風体の若い衆も受け入れる
風土だったので、小さな間口のむかし風店舗を彼らに貸すことも可能だった
のだろう。土地の記憶を活かした再開発は不可能ではない筈だが、土建屋
文化は根強く、目先の儲けが何よりも優先される。後は野となれで、原発も
共謀罪も、世界に先駆けるトランプ支持も、何もかも...。

呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/





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# by byogakudo | 2017-04-15 21:40 | 雑録 | Comments(2)
2017年 04月 14日

久生十蘭『久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集』読了

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 久生十蘭は男っぽい作家だ。男の中の男って感じもする。
男っぽさの中でも特に男っぽい作品を集めた、印象の短篇集だ。
 怪談であれ、我慢比べというか痩せ我慢比べの物語であれ、
主人公たちも記述の調子も、タフでクールだ。

 『生霊』では、絵描きが山奥にスケッチに行く。村人から去年、
戦死した男(彼も絵描き)にそっくり、生き写しだと言われる。
山村では、最初のお盆に迎え火を跨いで家に入ってくる者が新仏
(にいぼとけ)とされている。
 家に残された老人たちのために、新仏役を演じてくれないかと、
戦死者の妹(彼女も絵描き)から頼まれる。
 その前段階で、妹と絵描きとが、互いに相手を狐が化けている
のではないかと疑い合う、コミカルなシーンが続く。のどかな山村
風景と見るには、なんだか、ちぐはぐな会話のトーンである。
 絵描きは成り行きに従って(逆らわない!)、引き受ける。
 形だけ、死者を演じているつもりでいたが、ペルソナは身体に浸潤
する。演じているうちに、死に際の死者の記憶さえ、我がものに感じる
のである。ペルソナの物語であろうか。
 また、マレビトである絵描きの男(生者)、山に暮らす絵描きの女
(生者)、女の兄である絵描きの男(異郷で死んだ)の三人が、時空を
超えてメビウスの環に似た三角形を描く話とも思える。

 "男っぽい"というなら、『南部の鼻曲り』や漂流譚の『藤九郎の島』、
『美国横断鉄路』辺りを取り上げるべきだったかしら。つい、怪談に
引っかかってしまう。ほんとにかっこいいなあ。


     (久生十蘭『久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集』
     河出文庫 2010初 J)



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# by byogakudo | 2017-04-14 21:50 | 読書ノート | Comments(0)
2017年 04月 13日

(3)邦枝完二『瓦斯燈時代』に追加

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~3月3日に追加

 邦枝完二の娘・木村梢がエッセイに書いていた話、
<若いころの邦枝完二と友人たちが牛屋に行った。
 鍋の水はとっくに煮立っているのに、ネギもシラタキも
 あるのに、肝心の牛肉がない。そこで、小島政二郎だった
 か誰かが、その状況にぴったりな、ことわざか歌舞伎の
 台詞だかをもじった地口を即座に口にした>、
その地口を昨夜、唐突に思い出した。

 「火を見て煮ざるは牛なきなり」だ! 
 ああ、よかった、思い出せた。疲れ果てて、それでも寝る前には
何かしら目を通さなければならないので、ノエル・カレフ『その子
を殺すな』を退屈しながら読み(先が見えすぎてメゲている)、
『佐藤春夫集 夢を築く人々』をぱらぱらして諦めをつけ、寝よう
とした刹那、ひらめいた。
 記憶は失われるんじゃなくて、思い出せないだけだ。折り畳まれ、
襞の中に圧縮されて存在する記憶が、何かの折りに浮上する。



呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第4回ゲスト 山本太郎(前編)

室井 でも、日本は本当にやばい。共謀罪が閣議決定されたし、
 自民党は今国会で共謀罪を成立させるつもりなんでしょ? 共謀罪で
 徹底的に攻めてください! これで倒せそうですか?

 山本 残念ながら共謀罪では倒せないです。共謀罪成立を止める
 ことすら難しいのが国会のパワーバランスの現状ですから。共謀罪に
 関してはまだ国民の興味や反応が弱いですね。「テロに関係する」と
 言うハッタリで思考停止したのも大きいですし、「過去に3回、廃案に
 なっているんですよ」というところから説明するには、時間が掛かる。
 長い説明はみんな聞きたくない。工夫が必要と考えてます。街頭などの
 国会外でも説明して、なんとなく広がったかな、と思ったときには、もう
 法案が通っているというのが今までのパターン、安倍一強の現実です。
 その一方で、森友問題のように、「国民の財産を、タダ同然でオトモダチに
 くれてやる」というわかりやすい構図の事件、お金に関する事の方が人々は
 関心を持つし、すぐにイラッと反応する人が多い様に感じます。>


 内閣も役人も、記録保存に関心がない。
 公文書の管理に関して、

<秘密指定期間が30年以下の特定秘密を記した文書の保存期間が、
 秘密指定期間より短い場合、
 公文書管理法に基づき廃棄される可能性があるが、
 政府は何の手立ても講じるつもりがない>
と答える。

 秘密指定が通算30年、保存期間が20年の公文書は、秘密指定された
まま、それがどんな内容の秘密であったか国民に知らされることなく、
20年で廃棄される可能性がある。

<歴史的資料として重要な公文書は国立文書館などに移管され、
 それ以外は首相の同意を得た上で廃棄する手続を踏むので、
 現時点で何らかの特別な制度が必要とは考えていない>
というのが、内閣審議官の答えである。

 歴史の審判には到底耐えられない、と内心で自覚している(が、それを
認めたがらない)内閣と役人どもの群れなので、証拠書類はせっせと焼却・
削除に励む。死人に口なし、無公文書は何も語らず。





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# by byogakudo | 2017-04-13 18:02 | 読書ノート | Comments(0)