猫額洞の日々

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2006年 01月 13日

金曜日はタリーズの日、

に いつしか相成り、きょうも立寄る。神保町に着いたのが2時頃と遅く、あまり
芳しい仕入れではなかった。棚はずいぶん空いていたので、早くには良本があったの
かも知れない。

 タリーズの喫煙室から ガラス越しに陰った空を見る。気が滅入る。お正月時分の
寒さではないから まだよいけれど、人気(ひとけ)がないこと必至の明日からを思うと、
ああ、どうしましょう? また二人で暗い顔をして過ごすのだろうか。いまから
絶望のシミュレイションをやっても無意味なのだが、暗い方への想像力には長けている
から仕方ない。

 と思いも暗く、でも帰りの地下鉄内で「日本映画縦断2 異端の肖像」(竹中労 白川
書院 75初)に熱狂する。名前だけ知っていた団徳麿の写真がどっさり! 日本の
ロン・チェニーだ!と下の解説文に眼をやると、
   <多様なそのメタモルフォーゼにおいて、団徳麿はロン・チェニィを、
   上山草人を、ボリス・カーロフをすらしのいでいる>。大絶賛である。
インタヴュー頁もある。読まなくっちゃ。

 シマック「法王計画」(ハヤカワ文庫 84初帯)を読み出したばかり? そんなもの、
あとでも読める。
 逃避してばっかり。

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# by byogakudo | 2006-01-13 20:15 | 雑録 | Comments(0)
2006年 01月 12日

「推理文壇戦後史 2」売切れ

 店を開けようとしていたら、月に一度はいらしてくださるお客さま。このところ
12時過ぎてからシャッターを上げるときが多く、面目ない。

 あれこれお喋りしていたら、お客さまが「とうとう わたしも猫好きの仲間入り」と
カミング・アウトされる。奥様は猫好きなのに、彼は「猫? 大嫌いだよ!」と仰って
いたのだが。

 旅行中の10日間預かって欲しいと頼まれた奥様が、ご主人に黙って猫を連れ帰ったら
その猫のお客さまに懐くこと。彼の脚にまとわりつき、夜中 お手洗いに立てば
ドアの前でじっと待っていて、出てきたらニャア!
 10日後、引取にきた飼主を見て逃げ出し、部屋の隅で身を縮めて隠れていたという。

 以来、「ねえ、借りてこられないかい?」「旅行に出る体力がなくなったら猫を
飼おうよ。孫より いいや」の人になられたそうです。
 __というお客さまが「推理文壇戦後史 2」を買って下さった。たぶん全巻
読みたいと思われるのではないかしら? わたしも読みたいし、こんな時はやっぱり
お師匠さんにお伺いを立ててみよう。でも、日本ミステリの評伝類もお持ちだろうか?

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# by byogakudo | 2006-01-12 16:32 | 雑録 | Comments(0)
2006年 01月 11日

宇治晶個展

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 宇治晶氏より個展案内を戴く。題して Warp o'Clock 、青山ブックセンター
本店 (phone:03-5485-5511)ギャラリー・スペースにて、
1月20日(金)~2月3日(金)、10am-10pm会期中無休等、詳細は下記をご覧下さい。

Gallery Aquirax

 前回とは ずいぶん感じが違っているようだけれども、やっぱり宇治晶ワールド。
G・バシュラールの引用
 <時間とは瞬間の中に閉じ込められ、二つの虚無の間に吊された現実である。>が
うふふ、素敵。

 「推理文壇戦後史 2」もそろそろ終わる。大昔、吉行淳之介「恐怖対談」シリーズで
足の指で鶴を折る小説家の話を読んだことがあるが、それが佐野洋だった。日本の
ミステリをあまり知らないので、名前が覚えられなかったのだろう。
 実際に足で鶴を折るシーンのリポートが出ているが、40分がかりの力演だった
そうである。佐野洋は手でも鶴を折り、入院したときはベッドサイドが鶴だらけ
になるのみならず、「孕み鶴」、「番(つが)い鶴」、「シャム兄弟鶴」まで発明した
という。

 新井素子が たしかポケットの中で片手で鶴が折れたが、折り鶴ってそんな方向に
人を逸脱させる何かがあるのだろうか。折り紙を知らない(こどもの頃、やった
ことはあるが忘れた)ので、不可思議である。
    
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# by byogakudo | 2006-01-11 14:00 | 告知 | Comments(0)
2006年 01月 10日

「推理文壇戦後史 2」

(山村正夫 双葉文庫 84初)を端本で見つけて、昨夜から読み出す。仁木悦子の
乱歩賞受賞あたりから始まっている。ということは、山田風太郎に関する項は
第1巻にあるのだろう。いつか読んでみたい。

 「ゴシップでつづる戦後のミステリ文壇」でもある。
 <「現代のスリルを語る」座談会こぼれ話。江戸川乱歩の前でゲイボーイを殴った
石原氏>なる小見出しに惹かれて読んでみる。

 乱歩編集による「宝石」誌座談会「現代のスリルを語る」の後、石原慎太郎が
乱歩に二次会に誘われる。ゲイバー「ブランズウィック」(山村表記では
「ブランシック」)に連れられて行き、最初は愉快そうに飲んでいたのに、
   <ゲイボーイが馴れ馴れしくしなだれかかったとたん、いきなり飛び上がる
   ように席を立ち、
    「気持の悪いことをするな!」
    と叫びざま、相手の横面を思いきり殴り飛ばしてしまったのである。>

 オッ、オウー! 後日 同席していた山村正夫宛に丁重な詫び状が届いたそうだが
それはどうでもよくて、問題は、石原慎太郎は男に在るホモセクシュアリティーを
あくまでも否認したいのだろうか、という点にある。
 文学者であるならば、そこらの自己分析なしに書き続けることはできないと思う
のだけれど、石原慎太郎は詫び状を認めながら、社会人の儀礼以上の事柄に
思いを馳せたのであろうか?

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# by byogakudo | 2006-01-10 16:38 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 09日

「ヤクザ・リセッション」

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 写真のタイトルは勿論 vitrine です。

 物々交換の結果、上記の本を読んでいる。もうすぐ終り。
 当店では ほとんど需要が見られない経済もの文庫本を買って下さるお客さまが
あって、1冊だけ残っていた岩波文庫のマルサスを進呈しようとしたら、
 「悪いな。じゃ、これと交換ってことにしようよ。面白いよ」
 という訳で読むことになった(ベンジャミン・フルフォード 光文社ペーパー
バックス 03再)。

 経済の話というより陰謀ものに入ると思うが、本自体が興味深い。新刊書店に
行かないので、アメリカのペイパーバックス仕立てのまま、日本語の本が横組で
出版されていることに驚く。時勢に疎くっていけない。

 奥付は扉裏、その右頁にAbout Kobunsha Paperbacks と題してシリーズの説明が
成されている。書き抜いてみる。
   1、ジャケットと帯がありません。__カヴァではなくジャケット! 遂に!
   3、本文はすべてヨコ組です。__「いまの日本語はほとんどの場合、ヨコに
                   書くのが普通です。」とあるが、本当?
   4、英語(あるいは他の外国語)混じりの「4重表記」__ひらがな、カタカナ、
                    漢字の3重表記が既にあるから1個加え、
                    「これは、いわば日本語表記の未来型」と
                    言われても・・・。

 たしかに それほど読み辛くもなかったけれど、この種の実用書ならともかく、
横組本が本当にスタンダードになるだろうか? いまの教科書も横組と書いてあるが、
日本語教科書もそうなのか?
 
 P50を例に取ると、
    ちなみに欧米では「正式代理人 (power of attorney) 」と呼ばれ
   る制度がある。弁護士 lawyer の元で特別な書類を申請しなければ、
   他人の資産にけっして触れることができないようになっているの
   だ。

 こんな調子の紙面で、弁護士の上にはローヤーというルビまで振ってある。
このペイパーバック・シリーズで鍛えて、英字紙誌を読めるようになりなさいという
配慮であろうか?
 読書体験として、面白くなくもなかったが。

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# by byogakudo | 2006-01-09 12:40 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 08日

「日本ホテル館物語」

(長谷川尭 プレジデント社 94初) やっと読了。長谷川尭って、こんなに感傷的な人
だったかしら? 特にライトと帝国ホテルについての記述箇所、あまりにライトの
私生活からの帝国ホテル解釈に過ぎる感じだ。少しイメージが変る。

 ホテルという建築物を媒体にして帝国主義の時代を語る本、と理解した。

 京城朝鮮ホテルの建築家が、ドイツ人 ゲー・デ・ラ・ランド(G.de La Lande)と
記されてあるが、三島「鏡子の家」のモデル・ハウス__信濃町26番地の西洋館__
の建築家 ゲオルグ・デ・ラランデであろうと「建築探偵の冒険」を開いてみたら、
長谷川尭が藤森照信に「デ・ラランデの昔の自邸が信濃町の駅の北の丘にあるよ」と
教えてくれたのだそうだ。
 ついでに「建築探偵の冒険」を読み進めると、デ・ラランデは大正3年、朝鮮総督府
庁舎の仕事に出向いた京城で倒れ、信濃町の自邸に運び帰されて死去とある。むかし
読んだきりで、あれこれ忘れていることばかり。

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# by byogakudo | 2006-01-08 15:09 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 07日

今年最初の新着欄

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 写真入りで新着本のアップ完了。11冊新しくなりました。なかなか派手で
いいじゃない?と 店の者2名が騒いでいる、静かな猫額洞の午後です。よろしく。

 年末に終りを全うしなかった「目まいのする散歩」(武田泰淳 中公文庫 78初)を
昨夜読了。武田百合子の たしか お祖父さんが「鈴弁事件」の被害者だった話を
思い出した。

 都筑道夫「昨日のツヅキです」(新潮文庫 87初)で読んだ日本初の
ばらばら殺人事件「鈴弁殺し事件」(外米輸入商・鈴木弁蔵がバットで殴られ昏倒、
死体は大小二つのトランクにつめられ信濃川に投棄された1919年の事件)であるが、
ある日、新聞の武田泰淳に関するエッセイ中にその話を見つけ、しばし感動して
いた。ひとりで感激するのみならず、若いお客さまに
 「ねえ、素敵じゃありませんか?」と記事の切抜きと「昨日のツヅキです」を
お見せして感動を分かち合おうと、強要したことがある。
 何故そんなに感動するのか、我ながら解らないけれど、思い起こせば
佐川君事件にも同じように感激した記憶がある。お正月早々、なんでこんな話を
しているのだろう?

新着本

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# by byogakudo | 2006-01-07 14:54 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 06日

いきなり定休日

 2日開けたら もう定休日。しっかり休んで京王デパート展へ。前より会場が
狭くなり混んでいた。客質が下がっているような気がする。手に取った後の本が
どうなろうと知ったことではない、みたいな投げ出され方をしている。
 
 もう1カ所寄るところがあり、その後は勿論タリーズで休む。東京医大傍のタリーズ
は初めて入る。ビル内にあるので奥が壁ではなく、中廊下に通じていて やや落着きが
よくないけれど、おいしくモカジャヴァを飲む。
 買ってきた本を取出して、つい読み出す。暗くなる前にお年始に寄るところがあり、
あわてて立つ。

 8、9日と連休なのに気がついた。土曜日も入れたら三連休。
 お待ちしております。

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# by byogakudo | 2006-01-06 20:01 | 雑録 | Comments(0)
2006年 01月 05日

南洋ホテル

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 昨夜は「日本ホテル館物語」の続きを少し読む。捗っていない。後半には
来ているけれど。

 どなたか赤坂にあった「南洋ホテル」(という名前だったと思うのだが)について
何かご存知ではないでしょうか?
 名称もうろ覚えだが、「南海ホテル」ではなく たしか「南洋ホテル」だった筈で、
赤坂「コルドンブルー」近くの木造2階あるいは3階建ての小ホテルです。通り過ぎた
だけで、入ってみたいと思いながらも遂に出向く機会がなかった。80年頃の話です。
たぶんバブル経済期に地上げで消滅しているでしょうが、もし何かご存知でしたら
お教え下さい。

 ホテルも他のビルも、どうして巨大化・高層化ばかり考えられるのだろう? 差異化
という言葉も近頃のタームではなかったかしら。

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# by byogakudo | 2006-01-05 13:48 | 雑録 | Comments(0)
2006年 01月 04日

new year

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 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い申上げます。

 大晦日から今朝まで、結局 部屋でワープロ日記を書いていました(部屋には
モデムがないどころか、いまだダイヤル式電話)。4日間の行状にご興味が
おありでしたら、ご覧下さい。

05年12月31日(土)
 offで頭のねじが緩んでいる。Sに連れられ、バスで中野へ。新年早々にも中野行きで
あったが、大晦日も似たような用事で。
 年末の中野の混んでいること。人気(ひとけ)のない店で ひたすら待つ日常との落差に
くたびれる。用事を済ませ、次は年末最後の古本探し。SF文庫本他を買い、一安心。
 帰りは 中野駅-南部高齢者会館の循環バスに初めて乗る。頼んでいたおせちや
食料品を仕入れて、籠城準備完了。

06年1月1日(日)
 とても寒い新年を迎える。部屋でぼんやりしていると風邪を引きそうで、やっぱり
出かけることにする。
 地下鉄で東中野へ。懲りもせずにB.O.すなわち本離れ古書店を目指す。開いている。
2点見つけて、東中野-柏木散歩へ。通ったことのない道を愉しく辿る。
晴れていたら もっと嬉しいけれど、風がないからまだ楽だ。
 坂の上に北新宿公園?とかいう公園があった。野球のできるグラウンドを見下ろす
見晴し台が整備され(やり過ぎでないのがいい)、地形がうまく生かされている。
 成子坂神社に初詣。いつもは見るだけの富士塚が、新年だから登れる。頂上から
見下ろすとかなりの高さだった。
 再開発の気配がぷんぷんする柏木界隈であるが、まだ かろうじて あの可憐なアパート群が
残されていた。二度と見られない風景だから しっかり眼に 全身に記憶させる。
 帰るさ、東琢磨氏旧居付近「つげ義春の世界」通りを選んで戻る。

 夕方、おせちを食する。まずい。毎年頼んでいたお店が 今回はできないということで
スーパー・マーケットに頼んだら、まあ、何てことだ。

06年1月2日(月)
 今日も陰り日。お昼頃から冷たい雨も降りだす。ひと月ぶりの雨。
 傘をさして洗濯に出る(洗濯機を持ったことがない)。乾燥を待つ間 店にいたら
身体が冷えきってしまった。帰る頃 雨がやみ青空が見える。
 おせちを食べる気になれず、シチューの用意をする。食べ過ぎたので腹ごなしの
散歩に出る。B.O.しか行く所はないのか? 方南町まで寒く暗い夜道をせっせと歩き、
7点購入。帰りはバスと歩きを少々。こんなことなら いっそ自分の店でも開ければ
良いのではないだろうか。

 読んだ本をノートしておこう。30日の夜「ハウザーの記憶」(カート・シオドマク
HPB 68初)読了。きっかり90分以内に収められたスパイSF映画みたいな感じ。
読みやすい。
 30日は「日本ホテル館物語」(長谷川尭 プレジデント社 94初)も少し読む。
 31日、買ったばかりの「細工は流々」(エリザベス・フェラーズ 創元推理文庫 99初)。
一晩で読み終える。初めてフェラーズが面白がれた。ただ、何だろう、すっきり上手
すぎるのかしら、大好きになれないタイプだ。いまのところ、そう思う。
 1日、「日本ホテル館物語」。<もしも(徳川)慶喜が新しい国の支配者だったら>
という仮定に惹かれた。もう少し下品でない日本であったかも知れないと、
儚いことを思う。

06年1月3日(火)
 身体と頭を鈍らせないために、寒風の中 今日も散歩に出る。昼間なのに昨夜より
寒い気がする。Sは一応カメラを持っているが出番なし。はい、今日もB.O.へ。
呪われているのか。鍋屋横丁店にて6冊。
 帰りに I 文庫さんへ、お年始に寄る。こちらは今日から営業中。やっぱり
ラインナップが素敵だ。どのジャンルもきちんとしたレヴェルで整えられている。
豊かで風通しよく、素晴らしい。
 I 文庫さんの帰りはいつも反省する。何て うちは底が浅いんだろう・・・。

06年1月4日(水)
 仕事始めの緊張で?早めに目が覚める。昨夜は買い立てのナンシー関 文庫本2冊、
読了。「日本ホテル館物語」は まだ半分くらいしか終えていない。

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# by byogakudo | 2006-01-04 11:34 | 雑録 | Comments(0)