猫額洞の日々

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2005年 09月 12日

まず感謝の言葉を皆様に!

 ありがとうございます。おかげさまでブログランキング登録1週間で、50位以内に
入れました。
 ほんとかしらと思いつつ、毎日チェックしていますが、本当ですね・・・。今後とも
よろしくお願い申上げます。(ベスト10内だったら、もっと猫額洞HPも見て頂ける
確率が上がると、皮算用主義者が 厚かましくも 申しておりました。その前に、本棚の充実を図るべきでしょうに。)
               
                  
 昨夜は「鶴八鶴次郎」並びに「妻」。「鶴八」はかなりコメディー・タッチがあったので救われた。基本は人情藝道ものだが。
 山田五十鈴がここでも美しい。鶴次郎との結婚話が決まり、弟子たちに冷やかされる場面の洗い髪姿。若い女弟子たちと一緒にキャーキャー騒ぐ様子も、女学生ぽくて
愛らしい。
 長谷川一夫に関しては__花柳章太郎もそうだが、当時の男優にダイエットという
観念がなかったのが、よく解る。劇場で見れば、舞台映えする大造りで立派な顔立ち
だけれど。

 立派な顔といえば、「妻」の高峰三枝子もそうだ。美人というより立派と言いたい
あの顔で、倦怠期の奥さんを力演する。おこうこ の残りを摘みながら食卓をかたし、
おせんべは縦に口に運び、美人がやってはならない行為ばかり 堂々と演っている。
いいんだろうか? 「めし」の原節子も貧にやつれた役柄だったが、成瀬は美人を
らしからぬ状況に置くのが好きだったのかしら? 女性向きの映画と分類されていた
筈だが、封切り時の女性客たちは、どんな思いで画面に浸っていたのか?

 戦時中のしかたない時代物と異なり、戦後の作品は、やっぱり成瀬巳喜男。
 「妻」は前に見たことがあるが、再見して、こんなに戦争の影ある映画かと驚く。
高峰三枝子=上原謙夫妻が貸している2階の住人は、抑留されていた夫の帰りをずっと
待っていたのに、帰ってきた夫はふぬけみたいになって妻の稼ぎに頼っているとか、
上原謙が心を動かす会社の元同僚も、戦争未亡人だったりする。

 成瀬映画の魅力のひとつが、カメラが登場人物とシンクロする時だ。
 上原謙の浮気の証拠を発見した高峰美恵子が、思わず気が遠くなる瞬間、カメラも
揺らぐ。
 妻が夫の愛人に談判しに行くシーン。路上を足早に進むふたりの女、妻のバストショットではカメラも少し息せき切り、愛人に切り替わると速度を控える。
 成瀬巳喜男の映画こそ、文字通りの cinematographe だ。

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# by byogakudo | 2005-09-12 16:23 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 11日

「歌行燈」はスポ根だった

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というのが、二晩かけてヴィデオを見た感想である。ジャパニーズ・ミュージカルス
でもあった。邦楽を全く知らないので、どんな楽曲が画面に登場しているか、
報告できない。お能のシーンの伴奏音楽や歌は、謡? 勘当された花柳章太郎が
門付するときの音楽は? 三味線ができない藝なし藝者の山田五十鈴が教わった
お能みたいな動きは踊りでなく、舞?仕舞? 

 ことほど左様に無知なものが何か言っては申訳ないが、まあ、「ドラムライン」
みたいな藝合戦の話です。ひとりが藝を始めれば すぐに誰かが加わり、最後は
一族和解の大ジャムセッション大会、庭には満月が昇って、 ハッピーエンド。
 戦意高揚映画が撮れない成瀬巳喜男 苦肉の作品だろう。どうも藝道ものを見ると
大抵キャーキャー笑ってしまいがちで、「鶴八鶴次郎」も見るのが怖い。
 山田五十鈴が可憐で素敵。でも舞だか仕舞を舞うシーンは、後年の「蜘蛛巣城」の
片鱗を感じさせる。

 驟雨に雷。わざわざ遠くから来て下さったお客さまを、もう少しお引き止めして
いれば、雨も小降りになったのだが。

 雨は上がらない。しまい込んであった 銀花 を出してきて、全29冊を図録
に載せた。

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# by byogakudo | 2005-09-11 13:47 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 10日

昨日も買出しなので

お借りしている成瀬巳喜男Vテープを見る時間がない。日本でいちばん好きな
映画監督なのに。川島雄三も もちろん素晴らしい。
 黒沢? アキラもトシオも興味がない。OZU? マッチョの一種にしか見えない。
(ミステリのお師匠さんによれば「コメディがいいよ」。なるほど。若い笠智衆が
ボクサーになった喜劇を見たことがある。)

 水彩の挿絵が良くて旧ソヴィエトの絵本を入れたが、79年出版としか解らない。
ケセランパサランに載せたくとも、タイトル表示ができない。ロシアのPCキーボード
を見てみたい。それとも、変換機能でも別にあるのだろうか?

 新着本のアップは終わった。新着欄を経ずに直接 各項目にいれる本も出した。あとは
お客さまを待つばかり。あ、まだSF文庫本を載せてない! 数冊だけれど。

新着本

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# by byogakudo | 2005-09-10 15:12 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 09日

森茉莉さんとお茶を (1)

 受験前の夏期講習に来ているというのに、新潮社に電話して森茉莉の住所を
教えてもらった。
 
 地図を頼りに暑い下北沢の街をうろつき、やっとソウウン荘(字が思い出せない)に
たどり着く。ちょうどお部屋から出てこられたときで、お花を差上げると、すこし
慌てた様子でドアをしっかり閉め、水を張ったバケツに花をいれてから 邪宗門に
連れて行って下さった。
 
 彼女の小指に黄緑色のエナメルの蝶の指輪を見て、「あっ、あたしも同じもの
持ってます」なぞと口走った気がする。カナダドライのジンジャーエールは色しか
素敵じゃないとか、二幸(今のアルタ)や何かで売っているブルガリアの薔薇ジャム
(三角柱のガラス瓶に入っていた)は、あんまり薔薇の感じがしないとか、ガール
トークで、やや緊張していた若いファンを寛がせて下さる。

 ずっと書いている小説で まだ第一部しか「文芸」?に出してないのがあって、
「あんたが好きそうな、少女の出てくる」物語だと仰る。ピアノ教師の老人が少女に
執着するのよと、ストーリーを語られる。「甘い蜜の部屋」という題名は、その時は
聞かなかったと思う。

 話題は尽きることなく、あちこちに広がり、また収束し、彼女のエッセイさながら
である。すでに活字で読んだことのある話を直話で伺う 贅沢な時間だ。

 「で、あんた 受験なの? どこ 行くの?」「どっか 通るとは思うんですが・・・」
「どうも、あたしんとこに訪ねてくる(若い)人って、頼りないんだから」。頭の回転の
速さと合った早口の会話に うっとり圧倒された夏の午後である。

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# by byogakudo | 2005-09-09 21:52 | 森茉莉 | Comments(0)
2005年 09月 08日

たぬき あたま

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 古本屋の脳内には狸が棲んでいる。何匹か吊されて、毛皮にされるのを待って
いることもある。風が吹き 狸の列がゆれると、数がふえたように見える。
 
 加入して間もないブログランキングの今朝の状況を見る。昨日は150位以内、
今日は__きゃっ、100位内! それでもダウンしているって?
 ありがとうございます。みなさまの ご協力のおかげです。今後とも よろしく
お願い申上げます。

 ブログランキングで上位になる→人目に立つ→読んでみようかと思う人が出てくる
→猫額洞HPの存在に気付く→HPを見て ご来店、またはご注文___という
流れができないかと、今日も皮算用する訳です。

               *
 
 一昨夜から「シルトの岸辺」を一晩に一章ずつ読んでいる。速く読まない方が
いい本だ。若いときに読まなくて却ってよかった小説家みたいだ。静かに衰亡して
いく物語。(一章読んだあとで「明治世相百話」も、ちびちび読んでいる)。

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# by byogakudo | 2005-09-08 12:58 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 07日

うふ、

エアギター発祥の地がフィンランドであると朝刊で読んで、納得した。さすが、
レニングラード・カウボーイズの母国だ。フィンランドと聞くとカウリスマキしか
思い出せないのは偏見というべきだろうが(デュッセルドルフ=ペーター・キュルテン
になるのと同じく)。

 今日もアダルトメールの削除から一日が始まる。やれやれ。faxもまず宣伝ばかり。
営業妨害だと怒っても打つ手がない。当店には中国語のメールも届くが、エロだか
反日メールだか、 無教養なので さっぱり解らない。件名に 愛 や艶 なぞ
見当たらないから反日の方かもしれない。文盲宛に脅迫状を送るみたいに
しょうもない話だ。

 ひっそりした午後も過ぎ、やっと夕日の射す時間。明日は台風一過の暑い日に
なるのだろう。雨にも夏の暑さにも弱い、いつもの古本屋の日々。

クリックして下さいと、泣き落とし あるいは強請?です。よろしく。
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# by byogakudo | 2005-09-07 11:32 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 06日

嬉しいな、

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ギャラリQでお願いしていた宇治晶氏の小品が届いた。縦横9.5センチ四方の小さい
作品なので、できるだけ手近において、見たい方にすぐ手渡しできるような展示が
いいと思うのだが。
 
 角度によって、頭頂部に 穴が見えたり見えなかったり、溶けた巻き毛の先はモアレ
を起こし、輪郭線が存在しない めまいのような状態が定着されている。存在しえない
ものが現前する。
 
 上の写真で感じが伝わるか どうか。アクリル額に反射するので、Sが苦心していた。
ギャラリQでの展示でも灯が映りこむので、手を目の前にかざして見たが、間接照明で見るべきなのだろう、宇治晶氏の不思議な世界である。

 個展の帰りに奥野ビルを見つけたことを書いたが、「奥野ビル」で検索すると
出てきます。旧称「銀座アパートメント」、枝川公一氏のサイト 銀座好景録
なぞで 簡潔に歴史と現在が解りますと、付言。

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# by byogakudo | 2005-09-06 13:09 | アート | Comments(0)
2005年 09月 05日

いきなりの集中豪雨、

雷も近くで聞こえるし、 昨夜は 怖くて なかなかお風呂に入れなかった。地震と雷には
怯え、火事の恐ろしさを まだ知らず、親分風を吹かせる父権的なるものに対しては、
マザコンの裏返しじゃあないかと軽蔑する。

 まさか あれほど降るとは思わず、排水溝のふたを上げずに帰ってきたので、心配
しながら店にきた。朝刊に、中野区弥生町でも浸水とあったので。当店は無事でした。

 不用意にPCで天気予報を見てしまい、後悔する。木曜日まで連日 雨。死ねという
のか。
 黙って死ぬのも何なので、Sは今日も打ち込み。09ケセランパサランに保育社
カラーブックス・シリーズを入れた。一応終わったと思って 棚裏を見たら、まだ
残っている・・・。
 京都書院アーツコレクション・シリーズも、保育社ほどではないが在庫しているし、
他の数点あるカラー文庫も上げなければという、雨の日。

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# by byogakudo | 2005-09-05 16:58 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 04日

フェティッシュ

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 中公文庫の鹿島茂3冊、「パリ時間旅行」(99初)「パリ・世紀末パノラマ館」(00初)
「明日は舞踏会」(00初)読了。どれも愉しかった。19世紀パリ・ライフを実感させる
時間装置__バルザック他の小説や資料を引用して__に つい乗り込んでしまう。
バルザックって面白そうとまで思う。パリには もっと行きたくさせる。

 以前読んだ「子供より古書が大事と思いたい」でノートしていた箇所を一部 再録
する。第7章「複製芸術の味わい方」から:
       ・・・つまり、木口木版や銅版、鋼版は、オリジナルに「限りなく
       近い」ことに意味があるのに対し、石版画は、オリジナルと「同じ」
       ことに存在理由をもつ。私は、「限りなく近い」ことには愛着を
       もつが、「同じ」ということに対してはある種の居心地の悪さを
       感じるのである。

 これだけでは 何故そうなるの?と思われそうだが、本もの 対 贋もの ならば
贋ものに惹かれ続けてきたので、なにやら共鳴したのである。
「贋の記憶」という言葉やカポーティ「ダイヤのギター」にちりばめられたガラスに
うっとりされた経験は、おありじゃありませんか?

 すこしく宣伝広報活動しなくっちゃと、ブログ・ランキングに登録しました。
ご協力、よろしくお願い申上げます。


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# by byogakudo | 2005-09-04 15:05 | 読書ノート | Comments(0)
2005年 09月 03日

えーと

 昨日のフラン・リーボウィッツは「嫌いなものは嫌い」だったと、入浴中に思い
出した。血のめぐりがよくなって思い出せたのだろうか。

 今日は、独日ハイブリッドお嬢さんの来店。ドイツ人として育って、大学で初めて
日本語を学ばれたそうだが、しっかりした気持よい日本語だ。
 前から感じているが、当節 折り目正しく 耳に心地よい日本語を聞くのは、
たいてい外国人の口からだ。でなければ、長く外国に住んでいた日本人か。
 
 言葉は変化する。そして肉体は保守的なものだから、幼児期に獲得した耳に固執して
新しい口調や言い方に反撥しやすいと解っているが、でも いやなものは いや なので
彼女の丁寧ですこし古風な言い回し__帰り際に「長々とお邪魔しまして」という
フレーズが口をつく若い日本女性は、どれくらい存在するだろう__は美しく、
「見れる」や「食べれる」はやはり気に障る ばーさんな日常である。

('08/11/06に続く)


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# by byogakudo | 2005-09-03 12:25 | 雑録 | Comments(0)