猫額洞の日々

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2006年 01月 09日

「ヤクザ・リセッション」

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 写真のタイトルは勿論 vitrine です。

 物々交換の結果、上記の本を読んでいる。もうすぐ終り。
 当店では ほとんど需要が見られない経済もの文庫本を買って下さるお客さまが
あって、1冊だけ残っていた岩波文庫のマルサスを進呈しようとしたら、
 「悪いな。じゃ、これと交換ってことにしようよ。面白いよ」
 という訳で読むことになった(ベンジャミン・フルフォード 光文社ペーパー
バックス 03再)。

 経済の話というより陰謀ものに入ると思うが、本自体が興味深い。新刊書店に
行かないので、アメリカのペイパーバックス仕立てのまま、日本語の本が横組で
出版されていることに驚く。時勢に疎くっていけない。

 奥付は扉裏、その右頁にAbout Kobunsha Paperbacks と題してシリーズの説明が
成されている。書き抜いてみる。
   1、ジャケットと帯がありません。__カヴァではなくジャケット! 遂に!
   3、本文はすべてヨコ組です。__「いまの日本語はほとんどの場合、ヨコに
                   書くのが普通です。」とあるが、本当?
   4、英語(あるいは他の外国語)混じりの「4重表記」__ひらがな、カタカナ、
                    漢字の3重表記が既にあるから1個加え、
                    「これは、いわば日本語表記の未来型」と
                    言われても・・・。

 たしかに それほど読み辛くもなかったけれど、この種の実用書ならともかく、
横組本が本当にスタンダードになるだろうか? いまの教科書も横組と書いてあるが、
日本語教科書もそうなのか?
 
 P50を例に取ると、
    ちなみに欧米では「正式代理人 (power of attorney) 」と呼ばれ
   る制度がある。弁護士 lawyer の元で特別な書類を申請しなければ、
   他人の資産にけっして触れることができないようになっているの
   だ。

 こんな調子の紙面で、弁護士の上にはローヤーというルビまで振ってある。
このペイパーバック・シリーズで鍛えて、英字紙誌を読めるようになりなさいという
配慮であろうか?
 読書体験として、面白くなくもなかったが。

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# by byogakudo | 2006-01-09 12:40 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 08日

「日本ホテル館物語」

(長谷川尭 プレジデント社 94初) やっと読了。長谷川尭って、こんなに感傷的な人
だったかしら? 特にライトと帝国ホテルについての記述箇所、あまりにライトの
私生活からの帝国ホテル解釈に過ぎる感じだ。少しイメージが変る。

 ホテルという建築物を媒体にして帝国主義の時代を語る本、と理解した。

 京城朝鮮ホテルの建築家が、ドイツ人 ゲー・デ・ラ・ランド(G.de La Lande)と
記されてあるが、三島「鏡子の家」のモデル・ハウス__信濃町26番地の西洋館__
の建築家 ゲオルグ・デ・ラランデであろうと「建築探偵の冒険」を開いてみたら、
長谷川尭が藤森照信に「デ・ラランデの昔の自邸が信濃町の駅の北の丘にあるよ」と
教えてくれたのだそうだ。
 ついでに「建築探偵の冒険」を読み進めると、デ・ラランデは大正3年、朝鮮総督府
庁舎の仕事に出向いた京城で倒れ、信濃町の自邸に運び帰されて死去とある。むかし
読んだきりで、あれこれ忘れていることばかり。

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# by byogakudo | 2006-01-08 15:09 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 07日

今年最初の新着欄

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 写真入りで新着本のアップ完了。11冊新しくなりました。なかなか派手で
いいじゃない?と 店の者2名が騒いでいる、静かな猫額洞の午後です。よろしく。

 年末に終りを全うしなかった「目まいのする散歩」(武田泰淳 中公文庫 78初)を
昨夜読了。武田百合子の たしか お祖父さんが「鈴弁事件」の被害者だった話を
思い出した。

 都筑道夫「昨日のツヅキです」(新潮文庫 87初)で読んだ日本初の
ばらばら殺人事件「鈴弁殺し事件」(外米輸入商・鈴木弁蔵がバットで殴られ昏倒、
死体は大小二つのトランクにつめられ信濃川に投棄された1919年の事件)であるが、
ある日、新聞の武田泰淳に関するエッセイ中にその話を見つけ、しばし感動して
いた。ひとりで感激するのみならず、若いお客さまに
 「ねえ、素敵じゃありませんか?」と記事の切抜きと「昨日のツヅキです」を
お見せして感動を分かち合おうと、強要したことがある。
 何故そんなに感動するのか、我ながら解らないけれど、思い起こせば
佐川君事件にも同じように感激した記憶がある。お正月早々、なんでこんな話を
しているのだろう?

新着本

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# by byogakudo | 2006-01-07 14:54 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 06日

いきなり定休日

 2日開けたら もう定休日。しっかり休んで京王デパート展へ。前より会場が
狭くなり混んでいた。客質が下がっているような気がする。手に取った後の本が
どうなろうと知ったことではない、みたいな投げ出され方をしている。
 
 もう1カ所寄るところがあり、その後は勿論タリーズで休む。東京医大傍のタリーズ
は初めて入る。ビル内にあるので奥が壁ではなく、中廊下に通じていて やや落着きが
よくないけれど、おいしくモカジャヴァを飲む。
 買ってきた本を取出して、つい読み出す。暗くなる前にお年始に寄るところがあり、
あわてて立つ。

 8、9日と連休なのに気がついた。土曜日も入れたら三連休。
 お待ちしております。

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# by byogakudo | 2006-01-06 20:01 | 雑録 | Comments(0)
2006年 01月 05日

南洋ホテル

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 昨夜は「日本ホテル館物語」の続きを少し読む。捗っていない。後半には
来ているけれど。

 どなたか赤坂にあった「南洋ホテル」(という名前だったと思うのだが)について
何かご存知ではないでしょうか?
 名称もうろ覚えだが、「南海ホテル」ではなく たしか「南洋ホテル」だった筈で、
赤坂「コルドンブルー」近くの木造2階あるいは3階建ての小ホテルです。通り過ぎた
だけで、入ってみたいと思いながらも遂に出向く機会がなかった。80年頃の話です。
たぶんバブル経済期に地上げで消滅しているでしょうが、もし何かご存知でしたら
お教え下さい。

 ホテルも他のビルも、どうして巨大化・高層化ばかり考えられるのだろう? 差異化
という言葉も近頃のタームではなかったかしら。

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# by byogakudo | 2006-01-05 13:48 | 雑録 | Comments(0)
2006年 01月 04日

new year

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 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い申上げます。

 大晦日から今朝まで、結局 部屋でワープロ日記を書いていました(部屋には
モデムがないどころか、いまだダイヤル式電話)。4日間の行状にご興味が
おありでしたら、ご覧下さい。

05年12月31日(土)
 offで頭のねじが緩んでいる。Sに連れられ、バスで中野へ。新年早々にも中野行きで
あったが、大晦日も似たような用事で。
 年末の中野の混んでいること。人気(ひとけ)のない店で ひたすら待つ日常との落差に
くたびれる。用事を済ませ、次は年末最後の古本探し。SF文庫本他を買い、一安心。
 帰りは 中野駅-南部高齢者会館の循環バスに初めて乗る。頼んでいたおせちや
食料品を仕入れて、籠城準備完了。

06年1月1日(日)
 とても寒い新年を迎える。部屋でぼんやりしていると風邪を引きそうで、やっぱり
出かけることにする。
 地下鉄で東中野へ。懲りもせずにB.O.すなわち本離れ古書店を目指す。開いている。
2点見つけて、東中野-柏木散歩へ。通ったことのない道を愉しく辿る。
晴れていたら もっと嬉しいけれど、風がないからまだ楽だ。
 坂の上に北新宿公園?とかいう公園があった。野球のできるグラウンドを見下ろす
見晴し台が整備され(やり過ぎでないのがいい)、地形がうまく生かされている。
 成子坂神社に初詣。いつもは見るだけの富士塚が、新年だから登れる。頂上から
見下ろすとかなりの高さだった。
 再開発の気配がぷんぷんする柏木界隈であるが、まだ かろうじて あの可憐なアパート群が
残されていた。二度と見られない風景だから しっかり眼に 全身に記憶させる。
 帰るさ、東琢磨氏旧居付近「つげ義春の世界」通りを選んで戻る。

 夕方、おせちを食する。まずい。毎年頼んでいたお店が 今回はできないということで
スーパー・マーケットに頼んだら、まあ、何てことだ。

06年1月2日(月)
 今日も陰り日。お昼頃から冷たい雨も降りだす。ひと月ぶりの雨。
 傘をさして洗濯に出る(洗濯機を持ったことがない)。乾燥を待つ間 店にいたら
身体が冷えきってしまった。帰る頃 雨がやみ青空が見える。
 おせちを食べる気になれず、シチューの用意をする。食べ過ぎたので腹ごなしの
散歩に出る。B.O.しか行く所はないのか? 方南町まで寒く暗い夜道をせっせと歩き、
7点購入。帰りはバスと歩きを少々。こんなことなら いっそ自分の店でも開ければ
良いのではないだろうか。

 読んだ本をノートしておこう。30日の夜「ハウザーの記憶」(カート・シオドマク
HPB 68初)読了。きっかり90分以内に収められたスパイSF映画みたいな感じ。
読みやすい。
 30日は「日本ホテル館物語」(長谷川尭 プレジデント社 94初)も少し読む。
 31日、買ったばかりの「細工は流々」(エリザベス・フェラーズ 創元推理文庫 99初)。
一晩で読み終える。初めてフェラーズが面白がれた。ただ、何だろう、すっきり上手
すぎるのかしら、大好きになれないタイプだ。いまのところ、そう思う。
 1日、「日本ホテル館物語」。<もしも(徳川)慶喜が新しい国の支配者だったら>
という仮定に惹かれた。もう少し下品でない日本であったかも知れないと、
儚いことを思う。

06年1月3日(火)
 身体と頭を鈍らせないために、寒風の中 今日も散歩に出る。昼間なのに昨夜より
寒い気がする。Sは一応カメラを持っているが出番なし。はい、今日もB.O.へ。
呪われているのか。鍋屋横丁店にて6冊。
 帰りに I 文庫さんへ、お年始に寄る。こちらは今日から営業中。やっぱり
ラインナップが素敵だ。どのジャンルもきちんとしたレヴェルで整えられている。
豊かで風通しよく、素晴らしい。
 I 文庫さんの帰りはいつも反省する。何て うちは底が浅いんだろう・・・。

06年1月4日(水)
 仕事始めの緊張で?早めに目が覚める。昨夜は買い立てのナンシー関 文庫本2冊、
読了。「日本ホテル館物語」は まだ半分くらいしか終えていない。

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# by byogakudo | 2006-01-04 11:34 | 雑録 | Comments(0)
2005年 12月 30日

今年もお世話になりました。

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 ありがとう存じます。来年もよろしくお願い申上げます。

 ところで、写真の猫はうちの子ではなく、うちのモノクローム猫に似ている
近所の猫です。以前も書きましたが、うちの猫の写真を撮るのは殆ど不可能、
たまさか寝込みを襲って撮った写真が2-3枚あるきりです。

 昨夜「映画が好きな君は素敵だ」(長部日出雄・選 日本ペンクラブ編 集英社文庫
84初帯)読了。感じのよいアンソロジー集。虫明亜呂無を初めて読んだ。兄はこの
文体にイカレていたのか?!
 そして ようやく「ハウザーの記憶」に戻る。むかしのアメリカ製TVドラマっぽい
場面転換とストーリー運びだ。解説によれば 作者・シオドマクは
    <小説家としてよりは、映画作家、テレビ・ライターとしてのほうが、
     アメリカでも有名である。> なるほど。

 冬休み用の本をまだ決めていなかった。ハードカヴァを読むのにいい時期だけれど、
どうしよう? 「スティーヴン・スペンダー日記」にトライ? 「妻帯司祭」なら
部屋にあった筈だが、年末年始にどうだろう? 大晦日に「フォカス氏」を読んでいた
年もあったっけ・・・決まらない。みなさん、どうされていらっしゃいますか?

 今年のブログも今日までです。来年は店の始まりと同じく、06年1月4日(水)から
書き始めるつもりです。(それまで書かずに我慢できるだろうか)

 HP新着欄 更新は来年1月7日(土)です。今週末 更新はありません。
 目録に全部載せてはいませんが、デザイン・グラフィック類が入荷しています。
お暇の折にご覧戴ければ幸いです。

 それでは、よいお歳を!

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# by byogakudo | 2005-12-30 15:29 | 告知 | Comments(0)
2005年 12月 29日

「映画が好きな君は素敵だ」途中

 たぶん今日中に読み終え、「ハウザーの記憶」に戻る予定。

 選者の長部日出雄の思い入れもあって、かなり長めの藤本義一「生きいそぎの記」が
収められている。藤本義一が「貸間あり」?の脚本を書く川島雄三についたときの
記録であるが、うーん、「すべての男はホモセクシュアルである」テーゼがここでも
確認された。サドマゾ的なまでに 互いに相手の領域に切り込んで行こうとする
相互運動が描かれ、疲れた。川島雄三作品は好きだけれど、男同士の「お前って奴は」
関係が好きじゃないので。もっと言えば、勝手にしてればと、同情・共感が持てない。

 あとは、「地獄の黙示録」を見る前、見てからの大岡昇平の調べ魔ぶりに呆れ驚き、
むかし読んだことのある池波正太郎「映画日記」に反省する。
 80年代の池波正太郎は60歳くらいであるが、現役に映画ファンであり続けている
のが凄い、素晴らしい。長年見続けてきた眼差しで 新作映画をきちんと評価し、
愉しめる才能と努力は、どうすればこんな意志と眼差しを持ち続けていられるのか、
信じられないほどである。
 もう何年、映画館に行っていないのだろう。年末年始に見たい映画がないわたしは、
怠惰故にこうなってしまったのかと、反省。

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# by byogakudo | 2005-12-29 18:55 | 読書ノート | Comments(0)
2005年 12月 28日

森茉莉さんとお茶を (6)/池畑慎之介 演ずる「越路吹雪物語」の

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広告が昨日の東京新聞夕刊に出ていた。ずいぶん顔型がちがうのに、よく あの
長い顔の越路吹雪の艶笑を見せているなと、広告写真を眺めていたら、
「薔薇の葬列」を思い出した。

 ひどい映画だったし、すぐに消えそうな人だったのに、かつてのピーター・
現在の池畑慎之介は、今もしっかり存在し続けているが、そこで「薔薇の葬列」
公開当時の森茉莉さんのピーター評を思い出す。どうも森茉莉回路が脳内に
できたみたいで、何か刺激を与えられるとスイッチが入るときがある。

 「バカな子よ。記者が『あなたの美しさの秘密は?』なんて聞いたら、
 『化粧品はあれを使う』だのなんだのって答えるのよ。
 丸山(現・美輪明宏)さんなんか、『人を食ってるからよ』って答えるのにねえ」
 さんざんであったが、それからも努力を続けて今の池畑慎之介になったのだから、
まあよかった。

 30年以上前に見たきりの映画の感想が通用するかどうか、疑問がなくもないが、
でも、あれは田舎くさい映画だった。松本俊夫ファンないし信者から叱られそうだが
あれをダサイと言わずして何がダサイ__という代物だ。
 たまたま日本にいて映画を見たフランス人の若い男は、
 「あれ、にせの前衛ですね」と語り、わたしは忘れようと思った映画なのに、
ピーターが鏡の前で母親の化粧品を使ってメイクするシーンだけ覚えている、困った
作品である。
 以来、「日本の前衛映画」に対する拒否反応が発生し、松本俊夫の他の映画を
見たことはない。

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# by byogakudo | 2005-12-28 16:51 | 森茉莉 | Comments(0)
2005年 12月 27日

そういえば これは売れる当てがあるんだっけ

と気がついて、店の本棚から「映画が好きな君は素敵だ」(長部日出雄・選 日本ペン
クラブ編 集英社文庫 84初帯)を持ち帰る。先に読んでおかないと 彼女がいらしても
お勧めできないじゃない? という訳で、「ハウザーの記憶」を注入された若き研究者は
相変わらず レイキャヴィク上空を旋回中。そのうち着陸させるから待っててね。

 映画好きの小説家の綴る映画エッセイ集だが、7編読んだ現在、まだ大当りなしだが
安岡章太郎「映画館は不良の巣・興奮の場/映画の感情教育」が、わりと好もしい。

 ヴィシー政権のおかげでフランスは友好国扱いになり、<フランス映画はアメリカや
イギリスの映画とちがって全面的な上映禁止にはならなかった。>__知らなかった。
 戦中は 独伊以外のすべての外国映画が禁止されていると思っていた。戦前に輸入
されていた(敵性でない)外国の映画は、公開・上映可能だったのか。また無知を
曝けてしまった。

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# by byogakudo | 2005-12-27 18:10 | 読書ノート | Comments(0)