猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2006年 02月 08日

芽句(メグ)もやっぱり

昨日の写真に反応してくれた。ほんとに美しい写真、美しいイングリット・
カーフェンである。

 昨・2月7日のコメント欄に1件入っていると、開けてみたら芽句から。
遂に詩集の出版に至ったようで、素晴らしい。文中にあるフォトグラファー・
広瀬久也氏の作品は、東京ロッカーズの写真等でご覧になられている方も
あると思うが、何といえばよいのだろう、不思議な湿度やぬめりを感じさせる
モノクロームの肖像写真家 という説明では伝えられない魅力をもっている。
 隠花植物的エロティシズム__そうも言える。うまく言えなくてじれったいが。

 ともかく、広瀬久也氏の写真が加わった美咲歌芽句の詩集「荒涼天使たちの夜」の
刊行を待とう。出版されたらポエトリー・リーディング・ライヴも同時に行って
もらいたい。猫額洞が名詮自性でなければ、ぜひ、ここでも記念ライヴを
お願いしたいところである。

クリックもお願いします。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-02-08 17:48 | 美咲歌 芽句 | Comments(0)
2006年 02月 07日

Ingrid Caven

e0030187_12531248.jpg











 鈴木創士氏からイングリット・カーフェンの映像を戴いた。雑誌に出ていた
写真がとても良かったので送るということだったが、本当に美しい。

 映画監督・ファスビンダーの前夫人である女優・歌手、現在はフランスの小説家・
ジャン=ジャック・シュル夫人である。
 そんなPCで得られる情報なんて、どうでもいい。美しさを味わった後、もっと
知りたくなってから調べて、彼女の出演作品を観ることだ。

 シュルによる彼女の伝記「イングリット・カーフェン」を読んだ鈴木創士氏は、
翻訳したいと願ったが、既に翻訳権は獲得されていた。新潮社クレスト・ブックス
「黄金の声の少女」がそれである。

 「黄金の声の少女」?! ドイツ赤軍グループから(たぶんカンパ要請であろう)
呼出しを食らったファスビンダーに替わって 喫茶店に話に出かけるカーフェンが、
黄金の・声の・少女?! いくら何でもそれはない。「イングリット・カーフェン伝」
では流通性に乏しいと判断したのだろうが、それにしても である。
 鈴木創士氏の翻訳で、方向違いな日本語タイトルでなく 読みたかった。まったく
残念なことである。

 ルイ・マル「鬼火」、ファスビンダー「ヴェロニカ・フォスの憧れ」
(「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」でもよい)、五月真理矢「シングル・
ガール」の三本立てなぞやってくれる小屋があればいいだろうな。
思う存分 暗い気持に浸りきって、暗い顔のまま 部屋に戻って行けるような映画祭
あるいは名画座・・・。

本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-02-07 12:53 | 映画 | Comments(4)
2006年 02月 06日

「黄金の灰」読了

e0030187_13102132.jpg











 第2部はフレンチ警部の話なので、ベチー・スタントンの小説の件は
出版社に送られたきり、消息がなかなか解らない。ようやく巻末になって
   <ベスト・セラーとまでは行かなかったが、少なくともたいへんに
   よく売れて、ベチーはよろこんで、その出版元に、つぎの三作に
   ついての先買権を与える契約に署名した。(・・・女友だちとサン・レモの
   近くに住んで)そこで、相ついでつぎの傑作が生まれることになった。>
 
 めでたし、めでたしであるが、もう少し詳しく彼女の小説の内容が知りたかった。
大変ノッて書き進める様子が描かれているので、ついでに小説内小説でも読めると
面白いと思ったけれど、探偵小説でそれをやると、長くなる。フレンチ警部が
あれこれ推理展開する場面が減らされるから、徒な希望である。

 昨日書いたように、いきなり傑作が出来るとベチーが(作者が)断言する、
その根拠が見当たらないのだが、むかしの小説は、主人公と作者の言とが等しい
場合が多いから、読者はそれを無理にでも了解しなければならない。

 当時の人々は気にならなかったのだろうか?という点で、「ジェイン・エア」を
思い出したりしたのだが、まったく ジェインったらである。

 最初の孤児院?でのこども時代は、とてもよかった。孤独さが読者に沁み入る。
しかし、彼女の身分は住み込みの家庭教師である。召使のひとりに過ぎない。
それなのに何故、雇い主(やもめであるということになっている)にお目通りした
途端、「彼は、わたしを愛してる!」と確信するのだろう? 当時の読者は何も
疑問を抱かない、いわばお約束の展開なのだろうか?
 雇い主が再婚するにしても、同じ階級の伴侶を選びやしないかとは、ヒロインも
読者も作者も、誰も常識的な判断を下さなかったのかしら?

 「ジェイン・エア」もまた、「そのままのキミが素敵なんだよ」という
日本の少女漫画の一パターンの源流かも知れないが。

お手数ですが、よろしく。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-02-06 13:10 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 02月 05日

「黄金の灰」

 またクロフツ(創元推理文庫 60初帯)。これも2部に別れているが、いまのところ
乱丁・落丁はない模様。

 第1部は前回と同じく、事件関係者から見たできごとの様子、第2部にフレンチ警部
登場である。時系列的には「フレンチ警部の多忙な休暇」に続く。

 ここで目下いちばん関心が持てるのは、事件関係者(ベチー・スタントン、地方の
田紳の娘であるが、遺産がなく、大きな荘園の家政管理人の職をようやく手に入れる)
が生活が安定した途端に書き始めた小説が果たして無事、出版されるであろうか? 
ということである。

 家政管理人という職種の社会的地位がよく理解できないのだが、たんなる召使頭
以上の存在みたいだ。主が独身なので、妻の仕事である パーテイの席順を考えたり
なぞしてもらいたいと頼まれている。
 最初の面接ではそういう話であったが、主は近隣の人々の人気が得られず(傍系から
荘園領主の跡を継いだせいだろうか?)パーティはおろか、客人も少ない。主は
ひとり、工作室に閉じこもることが多い。

   <・・・所在なさと、もてあました時間とが、ベチーの考えを、ずっと前から
   胸にはぐくんでいた計画に、ふたたび向かわせた。ベチーは小説が書きたかった
   のである。>

 ひとりの娘が貧乏と戦ってついに成功する話だそうである。全20章の大作であるが、
18章まで書き上げたとき、主が、もう荘園を売り払って外国で暮すと言い出す。
 何とか時間と資金のやりくりをして、あとは出版社に原稿を持ち込むまでに来たが、
彼女は第二作にも自信があるのだ。

 こうなると気にしない訳には行かない。彼女の第一作は本当に優れているのか、
それとも「ジェイン・エア」が雇い主に会ってすぐ、「彼、わたしのことを
愛しているは」と無根拠に断定する(物語もその方向で進む)に似た、妄想性のもの
なのか。気がかりである。

クリックをお願いします。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ


 
[PR]

# by byogakudo | 2006-02-05 18:09 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 02月 04日

pieces are missing...

e0030187_1913738.jpg








 「フレンチ警部の多忙な休暇」(クロフツ 創元推理文庫 77初)読了・・・?
 昨夜 第二部を読んでいたら、あらあら、頁が飛んでいる。p304の左側がp289、
ダブリかと思って頁を進めると、またp304が出てきて、左がp321である。17頁分
抜けている。乱丁+落丁である。

 頁がなくったって、後の会話でどんなシチュエイションだったか解るので、
実害?はない__と言ってよいのか? 新刊本なら書店で取替えがきくけれど、
絶版文庫はどうすればよいだろう? 古本屋の責任ではないのだが、ちゃんと
読んで頁抜けの事実を知ってしまった弱みがある。やっぱり良心的に、
棚に出さないことにしよう。

新着本

クリックもよろしく。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-02-04 19:13 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 02月 03日

意気が上がらない

 昨日は、無駄かしらと疑念を抱きつつも08c 食べ物を上げた。いつの間にか
溜った、料理や食べ物関係の主に文庫本リストだ。
 「映画秘宝」が10冊ほど入ったので、そちらは 08a 映画の途中に。

 ときどき、さすがに疲れる。いつか誰かが気付いて下さるかも知れないから、
店を開け続けている訳ではあるが。(恩知らずなことを申上げている)。

 昨夜はフレンチ警部をよそに、つい、「映画秘宝 セクシー・ダイナマイト猛爆撃」に
読みふける。「映画秘宝」愛読家として、放っておけなかった。わたしが読まずに
誰が読む、というものだ。

 近頃は美人が減ったと、しみじみ思う。美女を必要とする映画が少なくなった という
ことでもあるが、ジョニー・デップの海賊映画のヒロインなぞ、何故ここでケチ臭い
顔の女優を使わなくてはならない?!と、見ながら怒りを覚えたことがある。需要が
ない訳ではないのに、気がつけば美人はどこかへ消えた。極端にまずい顔も消え、
世界は平べったい。

クリックをお願いします。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-02-03 19:54 | 雑録 | Comments(0)
2006年 02月 02日

「フレンチ警部の多忙な休暇」

e0030187_17452096.jpg








 懲りずにクロフツである(創元推理文庫 77初)。昨夜から読み出したが、
半分強を占める第1部は、殺人者と目されるであろう青年の側からの話、
2部が、捜査するフレンチ警部の立場から見た出来事の経緯 という構成である。
 
 ところで事件の起きるまでが 予想していた通り、長い。第1部の半分が
殺人事件の発生した「近海巡航株式会社」設立までの話に充てられている。
 会社ができるまでの物語が 読者の気持なぞ知らぬ気に、悠然と語られる。
読んでいて、プロテスタンティズムという言葉と同時に、
「ロビンソン・クルーソー」を思い出した。実務も物語の重要な細部である?

 今夜はたぶんクロフツ警部が、もう少し話のスピードを上げてくれるのではないかと
期待しているのだが。

 退屈な話が嫌いではないので(スピーディーでとっとと話が進む近頃の小説では
却って飽きるので)、むかしの探偵小説を専ら愛読している。時代錯誤でいいのさ。

 昨日のヒューリックの話に追加。ヒューリックの一番の魅力は、「南海の金鈴」は
例外的に広州が舞台になっているが、他の作品ではいつも、架空の街を創り出して、
街並も建物もきちんと配置した上で、ディー判事や街の人々を活動させている点だ。
 オリエンタリズム批判めいた批評があるかも知れないが、そんなものではない。
誰も知らない、どこにも存在しない街を創り出すベースになったのが、唐代の中国で
あっただけである。

お手数ですが、よろしく。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-02-02 17:45 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 02月 01日

「南海の金鈴」読了

 チャオタイが死んでしまった。剣に生き、剣に倒れてしまった。しかもディー判事の
愛剣「雨龍」によって。

 と書いてもヒューリック・ファンでなければ何のことか解らない。
 唐代の中国の架空の街を舞台に、ディー判事(こちらは実在した)が三人の部下を
従え、難事件を解決する ディー判事シリーズである。役人であるから、あちこち
舞台は移動する。
 こう言うと、「なんだ、『水戸黄門』じゃん!」と一蹴されそうだが、違う。
パターンが似ているからって同一視されては困る。TVの「水戸黄門」を見たことが
ないけれど、ディー判事ものは ちゃんと推理している。ミステリーとしての出来は
ともかく、探偵小説ですと、力説しておく。

 もう一人の部下・マーロンは結婚して落ち着き、この巻には もう登場しない。女の
趣味のよいチャオタイは いつも恰好いい悪女を熱愛しては失恋の憂目に遭うのだが、
最終巻でも変らない。愛した女は裏切り者である。

 チャオタイの悲劇的な死で巻を終わらせるのが忍びなかったのだろう、錠前開けの
名人にして女嫌いの吝嗇漢・タオガンにやっと ふさわしい再婚相手が見つかるという
エンディングが設けられているが、最終回の寂しさは拭えない。
 おちゃっぴいな双児の姉妹がトリックスター的に出没して、場面を明るくしては
くれるのだが、光量不足であるし。

 未訳のヒューリックが続々登場してくれることを願う。このままシリーズが終わる
のでは、あんまりである。
                        (ヒューリック HPB 06初)

よろしく!
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-02-01 18:01 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 31日

ヒューリックの途中に

e0030187_15112129.jpg








大槻ケンヂが入る。「大槻ケンヂのお蔵出し」(角川文庫 99初帯)。
 単行本未収録ものを集めたようだが、「絶叫詩集」中の「高円寺心中」
テイク2がよかった。95年7月8日 クラブチッタ川崎ライヴでの即興だが、
速度がすなわち密度であるようなパフォーマンスだ。見たかった。

 AV監督・代々木忠とのトークも面白いけれど、やっぱり それは人格改造
セミナーの一種ではないかという疑問が拭えない。自我を壊しきった時にしか
実存は出現しないものだろうか? 壊しきったら、もう人間ではなくなる。
 プチブル奴と、一蹴されるかも知れないが、壊れた友人を思うと、行っても
帰ってくることは必要だと考える。わたしがこんなことを言うのも、少し問題が
あるけれど。

お手数ですけど、よろしく。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-01-31 15:04 | 読書ノート | Comments(0)
2006年 01月 30日

宇治晶展の延長

 1月11日付けでお知らせした青山ブックセンター本店での宇治晶氏の個展
Warp o'Clock の会期が延長された。
 2月3日(金)までだったのが、2月5日(日)まで、 最終日も夜7時までに
なったそうです。詳細は青山ブックセンター(03−5485−5511)に
お問い合せ下さるか、aquirax gallery をご覧下さい。

 会期延長は嬉しいけれど、わたしは いつ行けるだろう? 会期がたっぷりあると
油断して、却って終盤あわてることが多い。気をつけなくては。

 一昨夜からヒューリック「南海の金鈴」(HPB 06初)。ディー判事シリーズの
最終作らしい。初期に遡って、第一作から順次、訳出・刊行という運びになって
もらいたい。ダブっても買います。出して下さいね!

 一年ぶり?くらいのお客さま、彼が小学生のときから知っているけれど、背も伸び
15、6歳の今日、ひとかどの映画ものコレクターになって登場さる。パンフレット類に
詳しいだけでなく、ちゃんと作品を観ていらっしゃる。マカロニ・ウェスタンに
ヒチコック映画、ケイリー・グラント、グレイス・ケリーがお好きだそうです。
 2006年の若きケイリー・グラント・ファン・・・。映画は未来を持った。

クリックをよろしく。
本・読書ランキング[人気blogランキング]へ
[PR]

# by byogakudo | 2006-01-30 16:51 | 雑録 | Comments(0)