猫額洞の日々

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2005年 10月 06日

「すまない。僕が悪かった・・・

しかし、弁解する訳じゃないけれど・・・」という台詞を言わせれば日本一の
森雅之が、粟島千景の妻と高峰秀子の愛人との間で不決断・不決定の日々を演じる
成瀬巳喜男「妻として女として」を昨夜見る。
 森雅之の優柔不断ぶりが いつものように素敵。現実にこの種の男を好きになると
大変だから近寄る気はないが、画面で見る限り、いつも愉しい。成瀬映画としても
優柔不断男映画?としても、白眉は「浮雲」に決まっているが、この映画も愉しく
見られた。ストーリー構成は「舞姫」に似て、 虚偽に満ちた家庭生活である。

 「舞姫」で思い出した。終盤の岡田茉莉子の公演シーンは、バレエを知らない者が
見ても上手いとは思えないが、高峰三枝子のタイツ姿はえらい。高峰三枝子が
バレエが得意とは思えないし、年齢的にもぴったりしたタイツ姿で練習場の鏡の前に
立つのは(いくら戦前に期待されていた元バレリーナ・現バレエ教室主宰者 という
役柄であっても)見る者が辛くはないかと危ぶんでいたのに、予想を裏切る立ち姿
であった。正確にいえば ぎりぎりセーフな立ち姿であるが、それにしても何喰わぬ顔で
二本柳寛の恋人とタイツ姿で立っている様子は見事だった。


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# by byogakudo | 2005-10-06 19:47 | 映画 | Comments(0)
2005年 10月 05日

夕べは何を読んでたっけ?

 典型的な「雨の日の古本屋」をやっていた。店は床が冷えるし、まず人影も
なかろうと、奥にこもって相談しながら値段付け。半分くらいは終わる。

 日記を書く段になって、はたと思う。夕べは何 読んでたっけ? たしかミステリ
短編集。「ショウほど素敵な犯罪はない」だ。悪くないセレクション。
 先日はミステリのお師匠さんがいらして、「犯罪は詩人の楽しみ」を買って
下さった。お師匠さんは長編がメインだから、あの短編集はお持ちでなかったのかも
知れない。(1点につき2冊所持の原則がおありかも知れないが。)

 結局 丸一日、雨がふる。来週も雨の予報。捨て鉢という文字が空中をよぎる。


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# by byogakudo | 2005-10-05 19:29 | 読書ノート | Comments(0)
2005年 10月 04日

サア

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 昨夜は久しぶりに眠られぬときの特効薬、ヨーロッパの窓だけ写真集を手にしたが
(その前にプチ・ゲルランも少々)あまり効かなかった。気候のせいなのか年齢の
せいだか、芳しくない寝つきだ。起きてもあんまり すっきりしない。街の空気も
いいヴァイブレイションじゃない。内部にとげとげしいものを隠して表面は停滞して
いるような、いやな感じが続く。
 なんとか気持を立て直さなくっちゃ。

 お借りしたままの成瀬巳喜男を返しに、本の買取もついでに、お客さまのお家へ。
道を歩いていると金木犀の香が漂ってくる。庭にオレンジ色の薔薇が咲くお宅もある。
シンプルに気持が上下動するのね。


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# by byogakudo | 2005-10-04 13:42 | 雑録 | Comments(0)
2005年 10月 03日

森茉莉付近 (1)

 既にどこかのブログで紹介されているだろうが、「女の表現 富岡多恵子の発言 3」
(岩波書店 95初帯)にある「最後に嫌われた理由」で、富岡多恵子の側から見た
森茉莉との仲違いの顛末が述べられている。
 富岡多恵子自身は、読者が女三人のいい気なおしゃべりと取らないために、
鼎談の座であえて 森茉莉ともうひとりのサイドに立たないよう心がけたのが、
はじめて森茉莉に楯突くことになったから ではないかと考えていたが、後には
鼎談の帰りの車の中で、座談会のために夕方から化粧して出かけるとバー勤め
みたいな気分になると言ったのが、彼女の気に障ったのかもしれないとも
思われるし、結局 わからないと書いている。

 森茉莉側からの発言は以前読んだが(詳しく覚えていない)、なんだか微妙に
気持が食い違って、それが怒りに発展したようなことだったと思う。ふたりの
感情のスタンスが少し違っていて、そこから齟齬を来すことになったのでは
ないだろうか。よくある話といえば そうなのだけれども。

 富岡多恵子のこの文章を初めて読んだとき、何か生々しく怖いものを感じて、
女の小説家は苦手だと思ったが、再読してみると そんなに怖くない。
 最初 怖かった「茶碗の内側には以前の紅茶の跡が何重にも断層のようについて
いた」という表現も、そこだけ突出せずに読めた。倉運荘の 足の踏み場もない
森茉莉の部屋の描写のひとつとして読むことができた。
 前に読んだときは この表現に悪意を感じたのだが、体調でも悪くて そう
読み取ったのかしら? いま読むと冷静な筆致で書いてあるとしか読めないが。


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# by byogakudo | 2005-10-03 16:17 | 森茉莉 | Comments(5)
2005年 10月 02日

Sのいぬ間に

日記を書いてしまおうと思うが、そんな時に限ってネタが思いつかない、10月なのに
暑い日曜日の午後。夕方にならないと外に出る気になれないでしょう、みなさん?

 ところが。まだ暑い時間帯にもかかわらず、お出で下さいまして、ありがとう
ございます。読書の秋です。よろしくお願い致します。

 「現代の建築保存論」、評論や論文よりエッセイの方が好きなので 同じ著者なら
「都市のかなしみ」を挙げるけれど、ためになる本だった。建物の所有者にばかり
負担をかけるような保存プランでは有効ではないという点が特に。ともかく所有者が
維持しよう・保ち続けようと思える計画でなくては始まらない。

 さて今夜は? あんまり好きじゃない なぞとほざきつつ、中学の同級生から
頂いた「赤い霧」(ポール・アルテ HPB 04再)あたりになるのかしら? 
適度に頭が活性化し かつ し過ぎて眠れなくなったりはしない、ちょうどよい塩梅の
枕頭の書を求めて、散歩がてら近くの古本屋へ いってまいります。
読んでもないのに どうしてうちの本には手が伸びないのでしょう? 
背表紙だけ毎日見て、食傷している。


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# by byogakudo | 2005-10-02 14:01 | 雑録 | Comments(0)
2005年 10月 01日

MEG!

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 昨日はふたりで高円寺へ。訳の解らない新着欄になってしまった。まあ、いいか。

 メグことジーンこと美咲歌 芽句さんは昨日 店の前まで来て、定休日に気付く。
今日 revisits. 出版社の人とのアポも取れて、月曜日に会う予定と。絶対に刊行
されることを祈る。
 彼女の詩は、普段の言葉で軽やかに映像的な世界を見せてくれる。


新着本

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# by byogakudo | 2005-10-01 16:22 | 美咲歌 芽句 | Comments(0)
2005年 09月 30日

三信ビル保存プロジェクトの方々は

鈴木博之研究室の学生たちかしら? 途中になっていた「現代の建築保存論」を
昨夜 読んでいて、そう思った。提案の方向が同じだ。
 いま考えられるベストな選択だけれど、それでも超高層ビルのメリットが
理解できない。ビル風の問題は相変わらず解決されていないし、そもそも銀座に
超高層ビル群ができることが、小売り商店の街として発達してきた銀座の歴史を
否定することではなかろうか?
 何故そんなに超高層で建てたいのだろう。他の企業の自社ビルも高いから、
うちだけ中低層だったら損だとでも思うのか? 目先の利益なら そうかも知れないが、
将来的にも不利益だろうか?

 お台場の高いビルのせいで風が遮られ、気象に影響する。耐震技術が施してある
そうだが、ほんとのところは来るべき大地震の際にしか解らない。わたし(たち)は
人体実験都市に住んでいる。かといって、ここでなければ どこに住みたいのだろう。


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# by byogakudo | 2005-09-30 20:50 | 読書ノート | Comments(0)
2005年 09月 29日

猫額洞HPに昨日リンクしたが、

「三信ビル保存プロジェクト」の提言は素晴らしい。
 古い建物を殺す人々を呪うことしかできない無能なばーさんと違って、
実行可能な保存活用方法が提案されている。
 サイトをご覧になれば一目瞭然だが、区は土地を提供するが 人出が見こめ、
税収の増加が期待できる。三井住友グループ側も将来の観光資産としての
三信ビルを維持したまま 新たなオフィス・ビルが建てられる。
そして わたしたちは、三信ビルという風景を持ち続けることができる・・・。
 鑑賞用に凍結保存するのではない、実際に人々がそこを使い続けられるような
具体的な提案である。(これでも首を縦に振らなきゃ、駄目な企業であり、行政で
あると言わざるを得ないが)。

 秀れたアイディアだと思いながらも、算数 頭の人間からの疑問をひとつ。
そんなに超高層ビルばかり建てて、需要はどうなるのでしょう? 
オフィス・ビルの供給過剰問題はすでに起きているだろうに。
 それとも、日本経済は、次々に再開発を続けて行かなければ息絶える ような、
まるで当店みたいな自転車操業なのだろうか?
 恵比寿→お台場→六本木と、ミニバブルを連続させないと日本は成り立たない
ってことでしょうか? 不健全だ。これがグローバル.スタンダードということ?


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# by byogakudo | 2005-09-29 16:39 | 読書ノート | Comments(0)
2005年 09月 28日

む む

 季節の変わり目が苦手な年齢になっていると いうことだろう。昨夜は掛け布団の
選択に悩んでじたばた。寝付きが悪かった。今日もレジ前に坐っていると、足下から
寒さが伝わってくる。もう、そんな季節なのか。

 若いお客さまからお借りしている 松浦寿輝「ものの たはむれ」(文春文庫 05初)
読了。うーん、吉田健一の こだま が聞こえなければ、もっと素直に感激できそうな。
嫌いじゃないのだけれど。「並木」とか「一つ二つ」とか好きですが・・・。
 仕組みが はっきり見えるのが、ちょっと困るのだろうか? 

 同じ青年から「NO WAVE ジェームズ・チャンスとポストNYパンク」(エスクアイア
マガジン ジャパン 05初)もお借りしていて、こちらは店で いくつか読んでいる。
チコヒゲ・インタヴューや、音楽ブログ「KITAMAKURA」から転載されたロバート・
クワイン追悼イヴェントの様子なぞを。後者は字が小さくて、PCだったら拡大して
読めるのにと、ここにも高齢者問題が発生した。

 昨夜うまく眠れなかったのは、「ファスビンダー」の続きを読んでいた せいもある
かも知れない。寝る前に読むには逆効果だ、あれこれ考え出してしまって血圧が上がり
そう。


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# by byogakudo | 2005-09-28 15:44 | 読書ノート | Comments(0)
2005年 09月 27日

MEGじゃん!

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 最大級にひまな昼間、商店街の薬店に買物に出た。レジに並びながら表に目をやると
メグことジーンこと美咲歌 芽句(みさか・めぐ)が立っている。連れ立って喋りながら
店に戻る。
 「青い部屋」ライヴも10分ほどだが、評判がよかったと言う。(大した風雨では
なかったが)台風の夜なのに満員だったそうである。
 詩集の出版の話も、出版社に原稿を見せたり、明日・明後日のパーティーで編集者に
紹介してもらう予定だとか。どんな時代でも詩集は出版が難しいジャンルにあるが、
今回は きれいに波に乗れるのじゃないかと、あとでSが語る。
 メグはずっと九州の実家に戻っているけれど、そろそろ 東京復帰作戦を試みても
よい時期なので、その節は ぜひ、中野新橋界隈に住んでくれと、お願いする。面白い
人々が近所に殖えると、街全体がいきいきしてくるから。

 メグが店奥にいたとき、久しぶりのお客さまが赤ちゃんと一緒に入って来られる。
もう10ヶ月だと仰るから、彼女がいらしたのは、1年半ぶり? お忙しいだろうに
「日記を読んでます」って。ありがとうございます。
 相変わらずお嬢さんぽい空気のまま、「本の好きな子に育てるの」と仰る。長生き
せねば。潰さないようにしなきゃ。

 次は「杉並たてもの応援団」の女の方。ほんとにお詳しい。三信ビルを残そうと
努力している大学生のサイトがあると教えて頂く。あとでチェックしよう。世の中
壊したがりばかりでは ないんだ、建築愛にあふれた人たちが いるんだ・・・。


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# by byogakudo | 2005-09-27 17:57 | 美咲歌 芽句 | Comments(0)