猫額洞の日々

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2005年 09月 14日

ねこ新聞のこと

 猫額洞店頭には、ねこ新聞が貼ってある。ご存知の方には説明不用だが、猫と本を愛する人のためのタブロイド版月刊誌である。「きゃあ、かーわいいッ!」でない、
大人が読める猫の雑誌だ。

 月刊「ねこ新聞」は定期購読が原則だが、特集号に限って、当店でも委託販売を
行っている。南方熊楠、稲垣足穂、茂田井武、熊谷守一の各特集号に続き、「吾輩ハ
猫デアル」刊行100年記念号も取扱えることになった。
 漱石の孫にして作家・半藤一利夫人の半藤末利子氏のエッセイ他、漱石と「猫」に
関する特集号である。お勧めです。

 「ねこ新聞」は、編集長原口緑郎氏の執念が生んだ奇蹟の雑誌でもある。
 創刊1年に足らずして編集長が脳出血に倒れる。リハビリテイション数年を経、
原口氏は遂に「ねこ新聞」を復刊。一度 休刊した雑誌が復刊されること自体、数少ない
できごとであり、復刊が文字通りrebornであることなぞ希有のことだが、原口氏と
「ねこ新聞」とは、待ち望む読者とともに奇蹟を成し遂げ、今に至っている。

                   *

 今週は夜毎、成瀬巳喜男を見ては「シルトの岸辺」を読んで眠りに就いている。
気持と頭の切換えがうまく行かなくて、時々混乱しながら、それでも結構幸せに
夜を過ごしている。昼間も幸せなら言うことなしだが、早く涼しくなって、店内に
人気(ひとけ です、にんきじゃありません)が戻ることを願いつつ。

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# by byogakudo | 2005-09-14 12:58 | 読書ノート | Comments(0)
2005年 09月 13日

昨夜は「妻よ薔薇のやうに」

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を飛ばし見。前回の記憶ではfavouriteクラスではなかったが、今回もやはり。
戦前の東京の街を歩くシーンなど大好き、と言うより、胸が痛くなる思いで画面を
見ているが、甲州の?豊かな自然と、そこに生きる人々の人情あふれる生き方が
子供のうたう唱歌とともに描写されると、つい 早送りする。

 成瀬巳喜男作品のベースには、「男女は決して相互理解に達しえない」という認識が
あると思うが、「妻よ薔薇のやうに」の欠点は、それがあまりに図式化の度合いが
強いことにあるのではないか。

 にしても、モノクロームの画面は美しい。TVモニターで見てさえ、美しさが
滲み出る。
 家族を捨て、今は山村で新たな家族を得て暮らす父親を、東京から娘が訪ねてくる。
田圃道を歩く父と娘のシーンでは、ふたり並んで歩いているのに、ちゃんと娘の顔に
だけ、下からライティングしてあるのだ。
 モノクローム故に開発された技術だから、現在のカラー映画しか殆ど製作できない
状況では、そんなもの無意味だというのか? 道理で美人もいない訳だ。

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# by byogakudo | 2005-09-13 16:44 | Comments(0)
2005年 09月 12日

まず感謝の言葉を皆様に!

 ありがとうございます。おかげさまでブログランキング登録1週間で、50位以内に
入れました。
 ほんとかしらと思いつつ、毎日チェックしていますが、本当ですね・・・。今後とも
よろしくお願い申上げます。(ベスト10内だったら、もっと猫額洞HPも見て頂ける
確率が上がると、皮算用主義者が 厚かましくも 申しておりました。その前に、本棚の充実を図るべきでしょうに。)
               
                  
 昨夜は「鶴八鶴次郎」並びに「妻」。「鶴八」はかなりコメディー・タッチがあったので救われた。基本は人情藝道ものだが。
 山田五十鈴がここでも美しい。鶴次郎との結婚話が決まり、弟子たちに冷やかされる場面の洗い髪姿。若い女弟子たちと一緒にキャーキャー騒ぐ様子も、女学生ぽくて
愛らしい。
 長谷川一夫に関しては__花柳章太郎もそうだが、当時の男優にダイエットという
観念がなかったのが、よく解る。劇場で見れば、舞台映えする大造りで立派な顔立ち
だけれど。

 立派な顔といえば、「妻」の高峰三枝子もそうだ。美人というより立派と言いたい
あの顔で、倦怠期の奥さんを力演する。おこうこ の残りを摘みながら食卓をかたし、
おせんべは縦に口に運び、美人がやってはならない行為ばかり 堂々と演っている。
いいんだろうか? 「めし」の原節子も貧にやつれた役柄だったが、成瀬は美人を
らしからぬ状況に置くのが好きだったのかしら? 女性向きの映画と分類されていた
筈だが、封切り時の女性客たちは、どんな思いで画面に浸っていたのか?

 戦時中のしかたない時代物と異なり、戦後の作品は、やっぱり成瀬巳喜男。
 「妻」は前に見たことがあるが、再見して、こんなに戦争の影ある映画かと驚く。
高峰三枝子=上原謙夫妻が貸している2階の住人は、抑留されていた夫の帰りをずっと
待っていたのに、帰ってきた夫はふぬけみたいになって妻の稼ぎに頼っているとか、
上原謙が心を動かす会社の元同僚も、戦争未亡人だったりする。

 成瀬映画の魅力のひとつが、カメラが登場人物とシンクロする時だ。
 上原謙の浮気の証拠を発見した高峰美恵子が、思わず気が遠くなる瞬間、カメラも
揺らぐ。
 妻が夫の愛人に談判しに行くシーン。路上を足早に進むふたりの女、妻のバストショットではカメラも少し息せき切り、愛人に切り替わると速度を控える。
 成瀬巳喜男の映画こそ、文字通りの cinematographe だ。

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# by byogakudo | 2005-09-12 16:23 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 11日

「歌行燈」はスポ根だった

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というのが、二晩かけてヴィデオを見た感想である。ジャパニーズ・ミュージカルス
でもあった。邦楽を全く知らないので、どんな楽曲が画面に登場しているか、
報告できない。お能のシーンの伴奏音楽や歌は、謡? 勘当された花柳章太郎が
門付するときの音楽は? 三味線ができない藝なし藝者の山田五十鈴が教わった
お能みたいな動きは踊りでなく、舞?仕舞? 

 ことほど左様に無知なものが何か言っては申訳ないが、まあ、「ドラムライン」
みたいな藝合戦の話です。ひとりが藝を始めれば すぐに誰かが加わり、最後は
一族和解の大ジャムセッション大会、庭には満月が昇って、 ハッピーエンド。
 戦意高揚映画が撮れない成瀬巳喜男 苦肉の作品だろう。どうも藝道ものを見ると
大抵キャーキャー笑ってしまいがちで、「鶴八鶴次郎」も見るのが怖い。
 山田五十鈴が可憐で素敵。でも舞だか仕舞を舞うシーンは、後年の「蜘蛛巣城」の
片鱗を感じさせる。

 驟雨に雷。わざわざ遠くから来て下さったお客さまを、もう少しお引き止めして
いれば、雨も小降りになったのだが。

 雨は上がらない。しまい込んであった 銀花 を出してきて、全29冊を図録
に載せた。

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# by byogakudo | 2005-09-11 13:47 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 10日

昨日も買出しなので

お借りしている成瀬巳喜男Vテープを見る時間がない。日本でいちばん好きな
映画監督なのに。川島雄三も もちろん素晴らしい。
 黒沢? アキラもトシオも興味がない。OZU? マッチョの一種にしか見えない。
(ミステリのお師匠さんによれば「コメディがいいよ」。なるほど。若い笠智衆が
ボクサーになった喜劇を見たことがある。)

 水彩の挿絵が良くて旧ソヴィエトの絵本を入れたが、79年出版としか解らない。
ケセランパサランに載せたくとも、タイトル表示ができない。ロシアのPCキーボード
を見てみたい。それとも、変換機能でも別にあるのだろうか?

 新着本のアップは終わった。新着欄を経ずに直接 各項目にいれる本も出した。あとは
お客さまを待つばかり。あ、まだSF文庫本を載せてない! 数冊だけれど。

新着本

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# by byogakudo | 2005-09-10 15:12 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 09日

森茉莉さんとお茶を (1)

 受験前の夏期講習に来ているというのに、新潮社に電話して森茉莉の住所を
教えてもらった。
 
 地図を頼りに暑い下北沢の街をうろつき、やっとソウウン荘(字が思い出せない)に
たどり着く。ちょうどお部屋から出てこられたときで、お花を差上げると、すこし
慌てた様子でドアをしっかり閉め、水を張ったバケツに花をいれてから 邪宗門に
連れて行って下さった。
 
 彼女の小指に黄緑色のエナメルの蝶の指輪を見て、「あっ、あたしも同じもの
持ってます」なぞと口走った気がする。カナダドライのジンジャーエールは色しか
素敵じゃないとか、二幸(今のアルタ)や何かで売っているブルガリアの薔薇ジャム
(三角柱のガラス瓶に入っていた)は、あんまり薔薇の感じがしないとか、ガール
トークで、やや緊張していた若いファンを寛がせて下さる。

 ずっと書いている小説で まだ第一部しか「文芸」?に出してないのがあって、
「あんたが好きそうな、少女の出てくる」物語だと仰る。ピアノ教師の老人が少女に
執着するのよと、ストーリーを語られる。「甘い蜜の部屋」という題名は、その時は
聞かなかったと思う。

 話題は尽きることなく、あちこちに広がり、また収束し、彼女のエッセイさながら
である。すでに活字で読んだことのある話を直話で伺う 贅沢な時間だ。

 「で、あんた 受験なの? どこ 行くの?」「どっか 通るとは思うんですが・・・」
「どうも、あたしんとこに訪ねてくる(若い)人って、頼りないんだから」。頭の回転の
速さと合った早口の会話に うっとり圧倒された夏の午後である。

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# by byogakudo | 2005-09-09 21:52 | 森茉莉 | Comments(0)
2005年 09月 08日

たぬき あたま

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 古本屋の脳内には狸が棲んでいる。何匹か吊されて、毛皮にされるのを待って
いることもある。風が吹き 狸の列がゆれると、数がふえたように見える。
 
 加入して間もないブログランキングの今朝の状況を見る。昨日は150位以内、
今日は__きゃっ、100位内! それでもダウンしているって?
 ありがとうございます。みなさまの ご協力のおかげです。今後とも よろしく
お願い申上げます。

 ブログランキングで上位になる→人目に立つ→読んでみようかと思う人が出てくる
→猫額洞HPの存在に気付く→HPを見て ご来店、またはご注文___という
流れができないかと、今日も皮算用する訳です。

               *
 
 一昨夜から「シルトの岸辺」を一晩に一章ずつ読んでいる。速く読まない方が
いい本だ。若いときに読まなくて却ってよかった小説家みたいだ。静かに衰亡して
いく物語。(一章読んだあとで「明治世相百話」も、ちびちび読んでいる)。

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# by byogakudo | 2005-09-08 12:58 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 07日

うふ、

エアギター発祥の地がフィンランドであると朝刊で読んで、納得した。さすが、
レニングラード・カウボーイズの母国だ。フィンランドと聞くとカウリスマキしか
思い出せないのは偏見というべきだろうが(デュッセルドルフ=ペーター・キュルテン
になるのと同じく)。

 今日もアダルトメールの削除から一日が始まる。やれやれ。faxもまず宣伝ばかり。
営業妨害だと怒っても打つ手がない。当店には中国語のメールも届くが、エロだか
反日メールだか、 無教養なので さっぱり解らない。件名に 愛 や艶 なぞ
見当たらないから反日の方かもしれない。文盲宛に脅迫状を送るみたいに
しょうもない話だ。

 ひっそりした午後も過ぎ、やっと夕日の射す時間。明日は台風一過の暑い日に
なるのだろう。雨にも夏の暑さにも弱い、いつもの古本屋の日々。

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# by byogakudo | 2005-09-07 11:32 | 雑録 | Comments(0)
2005年 09月 06日

嬉しいな、

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ギャラリQでお願いしていた宇治晶氏の小品が届いた。縦横9.5センチ四方の小さい
作品なので、できるだけ手近において、見たい方にすぐ手渡しできるような展示が
いいと思うのだが。
 
 角度によって、頭頂部に 穴が見えたり見えなかったり、溶けた巻き毛の先はモアレ
を起こし、輪郭線が存在しない めまいのような状態が定着されている。存在しえない
ものが現前する。
 
 上の写真で感じが伝わるか どうか。アクリル額に反射するので、Sが苦心していた。
ギャラリQでの展示でも灯が映りこむので、手を目の前にかざして見たが、間接照明で見るべきなのだろう、宇治晶氏の不思議な世界である。

 個展の帰りに奥野ビルを見つけたことを書いたが、「奥野ビル」で検索すると
出てきます。旧称「銀座アパートメント」、枝川公一氏のサイト 銀座好景録
なぞで 簡潔に歴史と現在が解りますと、付言。

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# by byogakudo | 2005-09-06 13:09 | アート | Comments(0)
2005年 09月 05日

いきなりの集中豪雨、

雷も近くで聞こえるし、 昨夜は 怖くて なかなかお風呂に入れなかった。地震と雷には
怯え、火事の恐ろしさを まだ知らず、親分風を吹かせる父権的なるものに対しては、
マザコンの裏返しじゃあないかと軽蔑する。

 まさか あれほど降るとは思わず、排水溝のふたを上げずに帰ってきたので、心配
しながら店にきた。朝刊に、中野区弥生町でも浸水とあったので。当店は無事でした。

 不用意にPCで天気予報を見てしまい、後悔する。木曜日まで連日 雨。死ねという
のか。
 黙って死ぬのも何なので、Sは今日も打ち込み。09ケセランパサランに保育社
カラーブックス・シリーズを入れた。一応終わったと思って 棚裏を見たら、まだ
残っている・・・。
 京都書院アーツコレクション・シリーズも、保育社ほどではないが在庫しているし、
他の数点あるカラー文庫も上げなければという、雨の日。

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# by byogakudo | 2005-09-05 16:58 | 雑録 | Comments(0)