2009年 06月 20日
click to enlarge. 「映画化記念 私は猫ストーカーフェア」 神保町・三省堂本店4F 6月26日(金)〜7月25日(土) 今週の新着欄です、よろしく。 新着欄 珍しく慌ただしかった今週。何を読んだかはまだ憶えていても、何を 書くつもりだったのか。 モーリス・ルブラン「緑の目の令嬢」(創元推理文庫 アルセーヌ・ リュパン・シリーズ 73年3版 J少汚れ)は最後まで愉しく読み終えた。 ヒロインが子どもの頃一度訪れたことのある廃墟場面が、もっと ヴィヴィッドに描かれていたら、もう言うことはなかったのに。湖底に 沈む古代ローマの遺跡であるが、リュパン大活躍の場としての設定 なので、あんまり廃墟描写に手間取るわけに行かない。仕方ない。 お師匠さんもいらして、又2冊お借りする。裁判員制度を頭に置いて 書かれたらしい「雪冤」(大門剛明 角川書店 09初帯)を先に読む。 冤罪の死刑囚が処刑された辺りから、かなり話が混乱して来る。 書きたいという熱意は解るけれど、もう少し手綱を引き締めないと、 まずくないかしら。 単行本化に当って、「雪冤」にタイトル変更されたそうだが、 扉裏に「雪冤」の意味が書かれている。出典は勿論「角川国語 大辞典」。 これはいいが、冒頭のシーン、物語の時代設定が元号表記である。 角川書店の奥付が元号表記であることに従った結果であろうか。 他の角川本も、年号に関しては角川スタンダードで貫かれているの だろうか。 第一章p29に <『走れメロス』は太宰治(だざいおさむ)がシラーの詩などを元に 創作した短編小説だ。知らない人は少ないだろう。>と、ある。 わたしは少ないひとり。 洋泉社の小沢さんから「映画秘宝」09年8月号を頂いた。 映画「私は猫ストーカー」撮影監督・たむらまさきさんのインタヴュー が出ている。インタヴュアー・須賀隆氏の質問が的確なので、 とてもシャープな記事になっている。プロ用語の説明があるので、 素人でも理解できる。 もうフィルム映画は撮られなくなるだろうか。「私は猫ストーカー」を 見終わってしばらくしてから、これは映画が映画館で上映されていた 時代への追憶、映画とは銀幕に投射される光と影の戯れであった頃への 思いが伝わってくる映画だと感じている。
by byogakudo
| 2009-06-20 16:00
| 読書ノート
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