2009年 08月 22日
click to enlarge. 9月5日(土)、6日(日)古書 往来座 外市 /雨天決行に、 伊呂波文庫さんとともに当店も参加いたします。 吉川潮の柳朝への思いはわかるんだけど、ときどき細かいところに 引っかかる。 子ども好きの柳朝が、愛人の娘に縁日のおもちゃを買ってあげる。 < セルロイド製の小さいお茶碗(ちゃわん)や箸(はし)、テーブル、 椅子(いす)、バケツなどを山のように買ってやった。>(p382) 1969年頃のエピソードだが、この当時でも、縁日のおもちゃは セルロイド製品だっただろうか? 柳朝のあたまになって考えると、 プラスティックではなく、昔から親しんできたセルロイドの方が ぴったりかもしれないが。 (新潮文庫 99初 J) 一息で読める本が読みたくなり、買取り本から小林信彦 「本は寝ころんで」(文春文庫 97初 J)を持ち帰った。 枝川公一「東京はいつまで東京でいつづけるか」と、三澤美喜 「これでいいのか/東京臨海部開発」を取り上げた「いつまでつづく ぬかるみか」の章(p208~210)、及び、森まゆみ「抱きしめる、 東京 町とわたし」の読後感である「東京原人の逆襲」(p231~233)が 印象に残った。 前者によれば、ああ、やっぱり、1980年代の東京破壊は、丹下健三と 鈴木俊一都知事の<たくらみ>+政府・自民党・財界・大企業・東京都の 賛同によるものだ。 1960年に丹下健三が東京改造計画を発表、当時は一助役であった 鈴木俊一が賛成している。新宿_東京湾_木更津を結ぶ<都市軸>に 沿った改造(!)計画である。 そして中曽根内閣のときには、民活担当の金丸信により、 <東京駅周辺再開発><汐留再開発><東京臨海部開発>の 三大プロジェクトが発表される。 探偵小説でただひとつ覚えたラテン語・cui bonoが、この場合も 当てはまる。陰謀史観と言ってしまえばそれまでだが、築地から 市場を追い出してオリンピック用地に変え、オリンピックが終れば また合法ギャング仲間である大企業が超高層ビルでも建てるのだろう。 後者は、1986年頃、中曽根内閣時代(バブル経済期)の地上げの 具体的描写がされているそうだ。 <[略]地価上昇が町を荒し、人間の心を荒廃させてゆくプロセスが、 これでもかこれでもかと描かれる。坪数や金額がすべて具体的であり、 しかも嵐がすぎると、地上げの黒幕だった人物が二人殺される。> (p232~233)
by byogakudo
| 2009-08-22 12:31
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