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猫額洞の日々

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2009年 09月 11日

ジェラルド・カーシュ「廃墟の歌声」読了

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 この子は、スローラーナーでご紹介の、ドミノ三毛子か、その一族。
カメラを向けると顔が "?" になります。ある程度は近寄れるけれど、
そこを踏み越えると後ずさります。遠くまでは逃げません。


 昨夜はじつは、小林力氏の「斬らずの伊三郎」を読み終えてから
寝床でジェラルド・カーシュ「廃墟の歌声」の残りを読了。今日は
シリル・M・コーンブルース「シンディック」(サンリオSF文庫 85初 J)を
読み出しているので、感想文を書こうとすると頭が混乱する。

 引退したら、一日中読みっ放しの生活もできるのだなあ、でも仕事が
あるから不摂生も控えていられるなあ、などと寝しなに思う。なんとか
体調を保っていられるのも、起きてシャッターを開けに行かなくちゃと
いう毎日だからだろう。

 しかしジェラルド・カーシュの感想文は書きにくい。いったいこの話は
どこへ行くのだろうと、鼻面を引き回すような展開を見せ、唖然とする
結末が待っているストーリーは、やはり読んでのお楽しみに取って
おかなければならない。
 騙されてみて下さい。騙されがいは十分にあるストーリーテラーが
ジェラルド・カーシュ。

 グレアム・グリーンの短篇にも地中に住む小人が出てくるのが
あったけれど、イギリス人にとってノームやエルフ、パック、ブラウニー、
ピクシーやレプリコーンといった<小さい人間>は想像力の基底に
あるのだろう。
 表題作「廃墟の歌声」に出てくる<小さい人間>は、あっと驚く終末
SFとして終る。
     (晶文社 03初 帯 J)

by byogakudo | 2009-09-11 17:23 | 読書ノート | Comments(0)


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