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ついにシムノン以外の作者名が! もちろん「メグレ警視
シリーズ」も持ち帰ったけれど、不安が兆して、新しめの
文庫本を読むことにした。最晩年に何を読むつもりかと、心配に
なったので。
今だって晩年には違いないが、もっと本格的な老人になっても
読みたいであろうメグレ・シリーズを読んでしまうと、白内障
手術に成功し、何が書いてあるか理解できる脳力を保っている
(であって欲しい)老人期に、読む本に困りそうだと、ふと
気がついた。(ホームレス版もリアルに想像できるが、リアルさが
怖いので考えない。)
暗さがなかなか感じがいい「ダブリンで死んだ娘」、もうちょっと
できごとが少ない方が好みだが、まあ読み続けられそうだ。
二項対立構造でストーリーが展開されてゆく。山田風太郎における
二項対立性はスピーディですてきだが、こちらは、ややモタる。
(ランダムハウス講談社文庫 09初 帯 J)