2010年 03月 07日
click to enlarge. むかし見てカッコよかった記憶はあるが、具体的なシーンは 憶えていない。再見して、ますます素晴しさに感激した。 新藤兼人によるシナリオの描線の鮮やかさ・コントラストの 強烈さを観客によく伝えるカメラ、ビートを感じさせる映画の リズム。エネルギーある時代の完璧な作品だろう。 その前に見た、同じ伊藤雄之助が出ている、岡本喜八「ああ爆弾」は、 リズムの悪さで頭が痛くなったけれど__様々な音楽が使われ、動き 踊る人々の映像が続くのだが、音と絵が互いになぞり合ってるとしか 見えなかった。__、「しとやかな獣」のビートと速度は、ほんとに 素晴しい。 敗戦直後の混乱が少し落ちついたかと思ったら、高度経済成長の 大騒ぎが始まった頃の物語である。商売上、ノスタルジーの皮膜に 包まれて語られることが多い、皆さまに愛される昭和30年代風景の 深層は、こんなものと、今に実証するのがすごい。 タイトル「しとやかな獣」は、男を手玉に取って生き延びる、 主演の若尾文子を指していると、ずっと思ってきたが、エンディングの 山岡久乃のクロースアップを見ていると、賢夫人の彼女こそ、じつは 本物の「しとやかな獣」ではないかしら? 昨日、忘れていました。今週の新着欄をよろしく。 新着欄
by byogakudo
| 2010-03-07 14:50
| 映画
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