click to enlarge.
単行本未収録の随筆「我楽多玩具」から引用。
<[略]大人でないと笑われても、私はこの年になるまで、我楽多玩具と
別れを告げることは出来ません。[中略]ほんとうの道楽は一山百文式の
我楽多玩具にあること勿論です。しかし時代の変遷で、その我楽多も
だんだんに減って来るので困ります。大師(だいし)の達磨(だるま)、
雑司(ぞうし)ヶ谷(や)の薄(すすき)の木菟(みみずく)、亀戸(かめいど)の
浮人形(うきにんぎょう)、柴又の括(くく)り猿(ざる)のたぐい、皆(みん)な
私の見逃されないものです。>(p311~312)
また「怪談集」と「半七捕物帳」を読み返そうかしら。
(千葉俊二編 岩波文庫 08年4刷 J)