2010年 04月 26日
click to enlarge. シマックを放ったらかして「隅田川の今昔」に専念する。荒川との境目から 始まり、やっと浅草にたどり着いた。Sとの大川散歩は河口から遡り、目下、 蔵前辺りまで上って来たところで、この先はより実感的に読んで行ける。 詩歌に関して不調法・殺風景極まりないわたくしであるが、愉しく読める のは、筆に遊びがあるからだ。 正岡子規が若い頃、向島の長命寺桜餅屋の二階に間借りしていた。 そこで桜餅屋の看板娘・おろくさんとの恋の噂があったという。噂の真贋を 確かめるべく、著者は子規の短歌を並べて推理する。その結果、 <[略]要するに、子規は失恋したのだ。[中略]釣りあわない恋であったの だろう。子規としても仮りの宿りのひょっとして出合った少女であり、桜餅屋は 旧舗で有名であり、娘は年頃の美人であったかは知らないが、将来に大志を抱く 帝大在学のプライドからしても一商売の娘にあきたりないところもあったろう。 一方、おろくさんにしてもそんな書生っぽの子規とはだいぶ肌合いが違うところも あり、ぴったりしなかったものがあったのかもしれない。>(p96) 三囲神社の項では、吉井勇「墨水十二夜」が取り上げられる。たしか店の棚に あった。 うわあ、経年ヤケ(北光書房 47初)が激しいが、この装幀は小村雪岱でしょう? 次はこれだ。この黄ばみで、どこまで読み続けられるか自信がないが。 (有峰書房 72初 J)
by byogakudo
| 2010-04-26 11:55
| 読書ノート
|
Comments(0)
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... ■ねこ新聞
■月刊ねこ新聞Twitter ■蟲文庫 ■kissa e(@higashi-koenji) ■往復書簡 ■旅猫雑貨店 路地裏縁側日記 ■海ねこ的 日々の暮し ■森茉莉街道をゆく ■山崎阿弥 ■サイコ☆ヒステリック 徒然日記 ■穴熊 日記 ■だらだら放談 ■鈴木創士 ■安柊有人(@sosi-suzu)・Instagram ■西谷修―Global Studies Laboratory(GSL) の後継ブログ ■nibuya(@cbfn) ■so_kusumori ■楠森總一郎 EROS VERSUS ■hirose tadashi|photographer ■kizashino ■きざし乃 栞 ■do-do ■スローラーナー ■muttnik ■やっぱりモダニズムが好き! ■かめ設計室 ■建築ノ虫 ■ご近所の日々 ■素人魂~特濃魚汁~ ■素人魂@いたちょ ■胡乱亭 ■梟通信~ホンの戯言 ■左平次(@saheiziinokori) ■花も嵐も踏み越えて鉄道人生44年 ■PAPERWALL ブックデザイナー日下潤一の日々 ■daily-sumus3 ■藤原編集室 ■退屈男と本と街 ■古本屋ツアー・イン・ジャパン ■okatakeの日記 ■ギャラリー ときの忘れもの ■ときの忘れもの@twitter ■銀座レトロギャラリーMUSEE ■痩せたり太ったり ■橋場一男 ■Tracy Talk・・・ ■Unknown Pleasures ■メグブログ 美咲歌芽句 ■亜湖公式サイト ■五月真理矢写真館 ■ヒゴヒロシ ■坂本弘道公式サイト ■三信ビル保存プロジェクト ■逗子なぎさホテル ■わき道にそれて純喫茶2 ■アトリエ プティカ 最新のコメント
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||