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猫額洞の日々

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2005年 10月 06日

「すまない。僕が悪かった・・・

しかし、弁解する訳じゃないけれど・・・」という台詞を言わせれば日本一の
森雅之が、粟島千景の妻と高峰秀子の愛人との間で不決断・不決定の日々を演じる
成瀬巳喜男「妻として女として」を昨夜見る。
 森雅之の優柔不断ぶりが いつものように素敵。現実にこの種の男を好きになると
大変だから近寄る気はないが、画面で見る限り、いつも愉しい。成瀬映画としても
優柔不断男映画?としても、白眉は「浮雲」に決まっているが、この映画も愉しく
見られた。ストーリー構成は「舞姫」に似て、 虚偽に満ちた家庭生活である。

 「舞姫」で思い出した。終盤の岡田茉莉子の公演シーンは、バレエを知らない者が
見ても上手いとは思えないが、高峰三枝子のタイツ姿はえらい。高峰三枝子が
バレエが得意とは思えないし、年齢的にもぴったりしたタイツ姿で練習場の鏡の前に
立つのは(いくら戦前に期待されていた元バレリーナ・現バレエ教室主宰者 という
役柄であっても)見る者が辛くはないかと危ぶんでいたのに、予想を裏切る立ち姿
であった。正確にいえば ぎりぎりセーフな立ち姿であるが、それにしても何喰わぬ顔で
二本柳寛の恋人とタイツ姿で立っている様子は見事だった。


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by byogakudo | 2005-10-06 19:47 | 映画 | Comments(0)


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