2010年 11月 24日
click to enlarge ~11月23日より続く 「列車の死」というタイトル(原題も"DEATH OF A TRAIN")が不思議 だったが、p66に至って、なんとなく了解した。長い前置きの後、ようやく 列車転覆事故が起きる。 「さかしまに」にも蒸気機関車を人間視した表現があったと思うが、 ここでは人の力では到底勝ち目のない巨人が、あっけなく倒れたときに 感じるショックのように描かれている。 蒸気機関車にフェティシズムを持ったことがないので、共感までは行かない けれど、人型ロボットに抱く親しみ(初期のアシモ君と階段ですれ違ったら、 わたしは軽く会釈して通り過ぎ、その後「ロボットだ!」と気づくだろう。 近頃のはハンサムじゃないので無視する。)にも似た、人間性の拡大延長版 として、蒸気機関車は存在するのかもしれない。 <人類の誇る天分の、記念すべき業績とも言うべき列車は、今は敲きこわされた 鉄と金物となり果て、蒸気を立てながら、錯雑した塊となつて横たわつていた。 その上には、大変なほこりの雲がかかつていたが、もうそれも、そよ風に 吹かれて静かに消えかけていた。 殆んど息も出来ないくらいのヒスロップには、それは死を象徴していた。 列車はぞつとするような静けさの中に横たわつて、死んでいた。>(p66上段) メモ用紙ではなく封筒に書くシーンを採集。 < 「ざつと計算して見ることは出来ますよ」と、ディグビィは、封筒の上へ 簡単な計算をして、「多分、前日の昼食の頃だと思いますね。しかし、勿論、 これは推量ですがね」>(p201下段) (HPB No.328 57初) 11月25日に続く~
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by byogakudo
| 2010-11-24 14:27
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