2011年 01月 23日
click to enlarge なんてこと。昨日は書いたのに、アップするのを忘れていた! もはやダメ なんじゃないかしら。かなしい。 フィレンツェという街と、そこに生きる人々がテーマのミステリだ。 本格好きには薦めないが、小説好きにはお薦め。 クリスマスも近いころ、フィレンツェに住むイギリス人が殺される。 地元の憲兵隊が捜査に当り__警察と憲兵隊の捜査範囲の違い等がよく 解らないが、この事件では憲兵隊の管轄である。__、スコットランド ヤードから派遣された英国人警官がオブザーヴァとして見守る。 被害者が、どうやら古美術品の密輸入に係っていたことが明らかに なり、イタリアの複雑な輸出入法律の解説がある。複雑さを逆手に 取ったやり口みたい。 異国に暮らす外国人は、租界的に生きるか、とけ込もうとするか どちらかだが、被害者は租界型だ。「英国図書館」で「タイムズ」を 読み、SFを借りる。「燃える惑星」並びに「時空の彼方より」を 借りたまま、殺された。 フィレンツェっ子の若い憲兵は、英語ができるので捜査陣に加わって いるが、シチリア出の直接の上司に違和感を覚える。被害者宅にあった 紅茶缶を見て、自分の家族も同じ銘柄を飲んでいると言ったら, 「紅茶なんか?」と馬鹿にされる。 <[略]フィレンツェ人が歴史的に、英国のものなら何でも好きなことを、 いまさら説明する気はなかった。>(p23下段) この「歴史的に」というのは、どんな歴史のことだろう? イタリア史 も知らないので困る。近現代史でいうと、ガリバルディとか人名は思い 出すが、どんな内容だったか。 統一イタリアは近代の概念で、ルネサンス当時の各公国意識が、ずっと 続いていたし、いるのかしら。 「国民国家」という幻想的イデオロギーは、結局、戦時にしか効力を 発揮できないファンタジーなのではないかと、読みながら考えた。 ミステリとしては、眠りから目覚めたデウス・エクス・マキナが 心優しく、謎の解明を行う。季節はあたかもクリスマスなのだから。 (HPB 90初 帯)
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by byogakudo
| 2011-01-23 13:28
| 読書ノート
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