2011年 05月 18日
![]() click to enlarge ~5月17日より続く レーモン・ルーセルのエピソードを書き抜いておく。 < カミーユ・フラマリオンの家での夕食(天文台を訪れたあとの) から、レーモン・ルーセルは、五つに枝分かれした星形の小さな ビスケットを一つ持ち帰った。彼は、このビスケットと同じ大きさ、 同じ形の銀の箱を、ガラス蓋付きで、作らせた。そしてそのなかに、 ビスケットの星を入れ、ごく小さな銀の南京錠で鍵をした(この 南京錠は数ミリあるかないかのものだった)。この銀の箱には羊皮紙 のラベルが貼られ、小さなビスケットの出所が分かるようにされた。 ルーセルの死後この箱は売られてしまったが、幸運にも蚤の市で発見 された。この箱は私の所有とはならなかったが、数ヶ月間私の引き出し のなかにあった。そして今私はこの箱について心の動揺なしに語ること はできない。ルーセルの謎めいた意図は、食べることができるという この星の特徴にはっきり結びついていたように思える。明らかに彼は、 実際に食べる場合よりももっと多くの重要性と現実味をもって、この星 を摂取したかったのだ。この奇妙な箱が意味することは、私に言わせる と、<夜空の星を食べる>というルーセルの育んできた夢をルーセルが 彼なりの仕方で実現したということなのである。> (p097-098) (ちくま学芸文庫 05初 帯)
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by byogakudo
| 2011-05-18 14:39
| 読書ノート
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