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写真は、柳橋畔「増田ビル」。
退屈さを愛でる能力が高い(誰と比べて?)と自認しているが、
さすがにこれには参った。
別にストーリー的に波瀾万丈でなくっても、言葉の力に引きずり
込まれる作品がある(「シルトの岸辺」とか)が、「説きふせられて」
には、ちっとも説きふせられなかった。
途切れ途切れに読んだことも退屈の一因だけれど、大人の意見を
取り入れて、一度は別離を選んだ英国の貴族令嬢が(19世紀の話である)
再び、かつての男性と巡り逢い、彼も地位ができていたし、お互い貞節で
あったことだし、ようやく結婚しましたってストーリーに感情移入する
のは、大変難しい。
ヒロインが女性の立場について熱く語る場面は、多少フェミニズムの
萌芽とも感じられる(が、だからどうした)。キャラクター設定から、
ちっとも皆さん、成長しないのが退屈さの最大原因であろうか。
ホリエモンに読ませたら、なんていうだろう。読み通せないかな。
(岩波文庫 01年4刷 J)
2019年4月15日に再読・再開
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