人気ブログランキング | 話題のタグを見る

猫額洞の日々

byogakudo.exblog.jp
ブログトップ
2011年 12月 08日

ダシェル・ハメット「デイン家の呪」1/2

ダシェル・ハメット「デイン家の呪」1/2_e0030187_13285766.jpg









click to enlarge


 まず宝石が盗まれる事件が起こり、保険会社から「私」なる
私立探偵が調査に派遣される。
 今は研究者として地道に生きている男が、悪魔島を脱出してきた
過去を暴かれ、殺される。彼の妻の実家が「デイン家」で、
なるほど血塗られた家系だが、呪いは娘に引き継がれる。

 宝石盗難事件は解決したので、「私」が次の仕事をしていると、
デイン家の娘絡みの件で呼び戻され、再び・三たび、血が流れる。

 最初に殺された男がフランス人だから、だけでなく、どうも
アメリカのハードボイルドを読んでるのではなく、フランスの
サスペンスを読んでいるような気もして来るし、物語の進行方向が
いまだ見えない。舞台はカリフォルニアだが、ストーリーの合間に
挿まれる、「私」と友人の作家との会話の調子は、ニューヨークが
舞台のほうが似合ってる感じがする。(ニューヨークもカリフォル
ニアも知らないのに。)

 デイン家の娘が救いを求める「聖杯寺院」は、カリフォルニアの
ドラッグとオカルトの歴史を語るものであろう。フリッツ・ライバー
「闇の聖母」で、そんなことを読んだ(面白かった記憶しかないのが
情けない)。
 いくらクスリが入っていて、気も狂ってるからって、銃弾を六発
喰らっても「私」を殺そうと突進する教祖の描写を読んでいると、
ハードボイルドの定義がよくわからなくなってきた。
 ジャンル分けしようとする頭がいけないのだろうか。 





..... Ads by Excite ........

by byogakudo | 2011-12-08 13:29 | 読書ノート | Comments(0)


<< ダシェル・ハメット「デイン家の...      すべての若き兄チャンたち >>