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昨日店に着いたら、シャッター開口部に本が1冊、差し込んである。
何かと思って取り出すと、新書判・内田康夫「隅田川殺人事件」だ。
どなたか、わたしの大川好きを知って、恵んでくださったのかしら?
読んでみる。
名探偵・浅見光彦の子ども時代、音無川で母の死を語る狂女に
会った話が導入部。次いで現在(1989年発表である)の物語、
白金の結婚式場へ、実家のある浅草から水上バスで行こうとする
花嫁の話に移り、しかも彼女は水上バスから消える。
水上バスの歴史や説明が詳しい。
じつは花婿であるのが、すぐあとで解る中年男性と浅見光彦は、
飛鳥山の花見で出合っている。女性にからむ酔漢を浅見が止め
ようとして殴られるところに、中年男性が助けに入る。
中年男性を<紳士>と書く辺り、安直な記号化だとは思うけれど、
まあ細かく言うまい。
浅見光彦のママは、結婚式の出席者のひとりである。明治学院近くを
歩きながら、「花」の合唱を耳にして、女学生だった昔を思い出す。
学校唱歌の説明が入る。
東京文学散歩的ミステリ、のようである。
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