(5月14日の続き)
「シェリの最後」にはたくさん紙片が挟んであるけれど、
思い出せるだろうか?
そうだ、ココ・シャネルの時代、ギャルソンヌの時代が
始まろうとする頃だった。女らしさの定義にスポーティと
いうキーワードが加わってきたのだ。
母性的な優しさにくるまれて大人になったシェリには、
なじめない時代だ。彼はレアの過去を知る老いた女に
慰藉を求める。立派な(成り上がることに懸命な)自宅を
見捨てて老女のわびしい部屋に入り浸り、過去を愛撫する。
結論はあらかじめ決まったようなものだが。
(岩波文庫 1994初 J)
(1)コレット「シェリの最後」
(2)コレット「シェリの最後」
大佛次郎「鞍馬天狗2 地獄の門・宗十郎頭巾」も読んだ。
あんまりピンとこなかった。ファナティックになることを避けて、
徹底的に話し合うことが大切だ、というメッセージはわかった。
映画も見たことがなく、鞍馬天狗はスティル写真しか知らない
ので、小説の鞍馬天狗が中年男ではなく、あくまでも理性的に
ふるまうことを信条とする、穏やかな坊ちゃん風の青年であるのに
驚いた。
(小学館文庫 2000初 J)
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