2015年 01月 08日
1990年代のいつ頃か、ハリウッドで法廷ものがやたら作られた時期が あった。新作ヴィデオを借りに行くと法廷ものが続く。主人公がマフィアに 敵対する証言者だったり、冤罪の人物を守ろうとする弁護士だったり、様々 だが、なぜかアメリカ南部を舞台にした映画が多かったような気がする。 黒人の廷吏が現れ、「起立!」と述べる。その意味だとは分かるけれど、 発音がわたしには「フォウファーイ!」としか聞き取れない。なに、それは? 何本か見るうちに「ホウルハーイ!」「ホウラーイ!」とも聞こえてきた。 whole? all? ようやく、"All rise !"だと気がつく。例によって入浴中の発見。 アメリカ語は聞き取りにくく、アメリカ南部なまりとなると、さらに分かり にくいと、弁解しておこう。耳が悪いだけなのだけれど。 ジョー・ゴアズ「路上の事件」でも始まってすぐ、南部の法廷シーンである。 作家志望の青年がホーボーしていて浮浪罪に問われる。廷吏が現れ開廷の辞を 述べ、最期は、「全員起立」で締める。なつかしい。 自伝的ハードボイルド・ミステリ(?)。浮浪罪の結果は、重労働で償う。 残忍な刑務官に苛まれ(主人公の青年の友だちになった男はリンチで 殺される)、囚人たちは刑務官を殺して逃亡する。 列車のただ乗りを止めた主人公はヒッチハイクを始める。まだヒッチハイカー が殺されたり、殺したりしない1950年代アメリカだ。 そう、"路上"小説である。 (ジョー・ゴアズ/坂本憲一 訳「路上の事件」 扶桑社ミステリー文庫 2007初 J) 1月9日に続く~
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by byogakudo
| 2015-01-08 17:45
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