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猫額洞の日々

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2015年 01月 30日

本気に冬ごもり

本気に冬ごもり_e0030187_1393234.jpg












 とうとう雪が積もった。窓から千本格子のフェンスを見ると、細い柵の
上部の雪は消えたが、大きな柱の上の積雪は凍って残っている。
 雪かきは? どうしよう。これ以上降らないのなら、たぶん明日には消え
そうだから、放っておくが。(それに雪かきする体力に自信がない。S の
腰がだめなので、体力部門はわたしが担ってきたが、この先どうなるの
だろう?)

 ひたすら静かな日だ、ふだんでも部屋の近所は静かなのだが。
 寒いけれど、二日に一度の浴室掃除日だ。浴室は北向きなので更に寒い。
掃除しながら「北の縁側」を思い出す。

 南九州の田舎町の家は、家族が増えると南向きに部屋を増築してきた結果、
だらだらと南の縁側の長い家になって行った。
 元からあった北向きのお風呂場を潰して納戸にしたが、旧浴室に続く「北の
縁側」(と家族は呼んでいた)は残し、夏場は風の通り道になった。
 夏の暑さやムレを考慮した縁の下のある木造で、もう築50年以上だろうか? 
兄たちが改築しながら住んでいるが、すきま風で寒いと言う。

 この先、住宅を建てるには、まず、新建材しか使えなくなるだろう。ローンと
税制と建設会社が、がっちりトリオを組んでいるので、昔はどこにでもあった
和風の木造住宅が、今では「まだ残っている」と、目を驚かせる建物になった。

 いまの部屋は新建材のアパートメントで、たしかに気密性が高くて暖かい。
前の鉄筋コンクリート造の部屋の、冬場の痛いような冷え方を思い出すと、
差は歴然としている。
 けれども、アルミサッシの無骨さや新建材の二流、三流のルックスが続く
住宅地の貧しさは、どうすればいいのだろう? 住まいの機能は満たすが、
住宅地を歩いて寂しくさせる貧乏くささは、なんとかならないものか。

 デザインするとは機能を表現するかたちを作り出すこと、というのが近代
デザインの考え方だろうが、素材の表現力のなさ(木や石の表面を真似る
しかできない、新建材という素材の貧しさ)は、どう解決すればよいのか。

 部屋から一歩も出られず、あれこれぼんやりと考える。





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by byogakudo | 2015-01-30 17:33 | 雑録 | Comments(0)


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