2015年 04月 01日
近所のBOで、嶋中文庫? 何だろう?、と思って買ってきた。 中央公論新社ではなく、嶋中書店発行なんだ...えっ、1985年 創業で2007年解散手続きに入る...1999年の中央公論新社発足 以前にできていて、この巻でシリーズが途絶したのか。 1960~61年刊行の中央公論社版「世界推理名作全集」を 底本にしたとある。他の文庫で読める作品がほとんどだから、 売るのは大変だっただろう。 クリスティが河野一郎 訳だったりして翻訳者選びがすてきだし、 活字が大きいのは老眼に優しい配慮だけれど、老いたミステリ好き が、もう一度この文庫で読み直したくなるだろうか? この本だと、新刊では800円(消費税が5%のときに刊行)。 リチャード・ハル/中村能三 訳「伯母殺人事件」+ドロシー・L・ セイヤーズ/河野一郎 訳「疑惑」、が一冊で読め、ジャケット画は 和田誠によるセイヤーズの肖像。楽しい本ではあるけれど、ウリが これだけでは難しい。 セイヤーズから読む。短篇「疑惑」と「アリババの呪文」だ。 「疑惑」は、わたしでも分かる展開。「アリババの呪文」は、 イギリスのミステリがすぐ冒険小説に先祖帰り(?)してしまう 例だろう。 「伯母殺人事件」は、そういえば読み落としていたので、昨夜 から読み始める。Llwll(ルウール)という町の名前がどんなに発音 しにくいか、という話から始まる。日本語でカタカナ発音すれば、 すごく簡単なのに、英語では大変らしい。 最初の"ll"は、 <"cl"を発音しかけてだれかに首を絞められたかのように、 喉の奥でクッというような音を出す> 真中の"w"は、 <どっちかといえば"o"を二つ重ねた発音に近く、しかも それに"u"の発音がかすかにくわわっている> そして最後の"ll"は <"lth"という発音になる>(p8) ウェールズには、ほんとにこんな名前の町があるのだろうか? (「グレート・ミステリーズ12 伯母殺人事件・疑惑」 リチャード・ハル/中村能三 訳「伯母殺人事件」 ドロシー・L・セイヤーズ/河野一郎 訳「疑惑」 嶋中文庫 2005初 J)
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by byogakudo
| 2015-04-01 15:18
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