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猫額洞の日々

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2015年 05月 31日

モーリス・ブランショ/粟津則雄 訳「来るべき書物」もちびちび読んでいる

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~5月24日より続く

 忘れた訳じゃない、ブランショ/粟津則雄 訳「来るべき書物」を
ちびちびと読む。今日は『第二章 文学的な問い』の『4 ジュー
ベールと空間』の『2 最初のマラルメ的場合(ヴェルシヨン)』まで
来た。

 ノートはするし手紙も大量に書くが本を出さなかった、ジョゼフ・
ジューベール、19世紀のひと。ブランショによれば、ジューベール
の書こうとする作品は、

< かくてそれは、その主題が、明らかに示されている主題とは
 まったく別であるような作品、完成されるはずもなく、始まる
 ことも出来ぬような作品だ。おのれが表現しているものからの
 へだたり。おのれが表現するものがこのへだたりのなかで花開き、
 散りしき、保存され、ついにはそこに姿を消すように、言わば
 おのれ自身に対して欠如状態にあるような作品だ>(p121)

 (昔々の記憶だが、こういったブランショ・タッチに弱かった。
いま読んでみてもやはり気持いい。)

 面白そうなひとなのでwebを探していたら、この箇所の英訳サイト
があって、タイトルが
 An excerpt from "Joubert and Space,"
in The Book to Come by Maurice Blanchot。

 たしかに Le livre à venir を英語にすれば The Book to Come
になるだろうが、日本語しか理解しないわたしだが、なんだか妙な
感じだ。日本語と英語や仏語との距離に比べれば、英語ー仏語間の
距離は近そうに見えて、肝心のところで遥かな距離がある、のでは
ないかしら。(もちろん例によってヤマカンだけれど。)

     (モーリス・ブランショ/粟津則雄 訳「来るべき書物」
     ちくま学芸文庫 2013初 J)     





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by byogakudo | 2015-05-31 21:46 | 読書ノート | Comments(0)


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