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猫額洞の日々

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2015年 08月 06日

山田風太郎/聞き手 森まゆみ「風々院風々風々居士」読了+田中龍作ジャーナル

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 単行本を寝床で読むのが少しきつくなってきた。バラードを中断して、
一昨夜から昨日にかけ、ちくま文庫版「風々院風々風々居士」を読む。

 70歳を過ぎた山田風太郎へのインタヴュー集だ。
 第一部『山田風太郎見参逐語録』は、「彷書月刊」1994年10、11月号
掲載。第二部『ただぼうぼうと「風」の音』は、「東京人」1996年12月号。
第三部『明治小説の舞台うら』は、筑摩書房の「山田風太郎明治小説全集」
1~7巻の『自著を語る』(1997年5月~11月刊)のために行われた。

 第一部は森まゆみだけでなく、「月の輪書林」店主・高橋徹と、「なないろ
文庫ふしぎ堂」店主・兼「彷書月刊」編集人・故田村治芳、三人で訪問した。
(三つのインタヴューは風太郎が病気がちになり、全部、山田風太郎邸で
行われた。)

 森まゆみが風太郎夫人・山田啓子の若いころを思い出させたせいか(?)、
彼女を相手の山田風太郎は、くつろいだ姿を見せる。くつろいだ、というか、
きびしい(?)言い方をすれば、女をみんな母親にしてしまう、日本近代の
男の姿である。森まゆみは、ともかく"自著を語"らせる役目なので、恐縮しな
がらも、姉のように母のように風太郎を導いて、口を開かせなくてはならない。

<__[注:森まゆみ]『警視庁草紙』では駒井相模守が川路と知恵くらべを
  するわけですが、ここでは美男の香月がライバル、好敵手ってのはいい
  ですね。
 山田 うん、いい言葉だね。......どうも自作について語るのがあまり得意
  じゃないうえに......。
 __何が得意なんですか(笑)。
 山田 自分について語るのは特に駄目だね。とにかく二十年以上も前の作品で
  忘れちゃって......。
 __滝沢馬琴以来の作家を前に(笑)、これは松山巖さんの評ですが、その前で
  私が一人でしゃべってるみたいで困ります。[以下略]>(p161)

 推理小説作家の集合写真で、まるで乱歩の息子のように写っていた(そう見える)
山田風太郎だが、乱歩と同じパーキンソン病を病み、乱歩の死から36年後の2001年
同日に世を去った。乱歩1965年7月28日に70歳で死去、風太郎79歳で死去。
 文庫版の最後で解説している田村七痴庵(治芳)は、2011年元日、60歳で死去。

 風太郎関連の本を読んでいると、こちらも「人間臨終図巻」風になっていくのが
不思議。まあ、夏は死者の季節だが。山口冨士夫、2013年8月14日死去(65歳)、
のように。

 整理してない本の山から風太郎・明治ものを探し出して、また読み直そう。

     (山田風太郎/聞き手 森まゆみ「風々院風々風々居士」
     ちくま文庫 2005初 J)


 「経済的徴兵制」 日本学生支援機構・委員がマッチポンプという記事を読む。
辛く、腹立たしい。
 渋谷区のLGBT歓迎政策とホームレスを公園から排除する政策は、同一人物が
仕掛けたそうだ、やっぱり。(「パートナーシップ証明書」の裏で進行する渋谷区
の新自由主義


 サイト全体は、田中龍作ジャーナル。生真面目なレポートだが、ルポルタージュ
にもスタイルは必要ではないかと、プチブルと非難されそうな感想もある。新聞や
TVで安易に使われる"ママたち"もデモをする、とかいう言い方を疑問を持たずに
使うのは、やっぱりいやだ。"母親たち"では、伝わらないのかしら。





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by byogakudo | 2015-08-06 11:54 | 読書ノート | Comments(0)


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