2015年 10月 25日
~10月24日より続く 1987年時点でこのニール・ケリー大学教授・シリーズが6作 出ているそうだ。が、特に犯罪の謎解きが趣味ではなさそうな 主人公で、6篇も書けるものだろうか。 しかし翻訳されたもう一冊が「愛と悲しみの探偵」。この表題で 読む勇気がくじかれる。 3行に一回ギャグを入れて、と編集者から要請されてないようで、 おしゃれに(?)知的だが、いやみな気取りではなく、感じは悪く ないのだが、そのう、日本語タイトルが...。 作家自身、第二次大戦中、アメリカ海軍の気象分析官だったそうだが、 ジョン・ダンの研究者、ケリー教授も同じような経歴、教授の父も気象 学者__人工的に気象を変えたいと願う、やや狂的な奇人と設定されて いたり、実体験と知識とが数十年後の事件にうまくちりばめられている。 北京での子ども時代にペテン師、エドモンド・バックハウスに会った 挿話がストーリーの強化に用いられているが、これは実在の人物なのね、 面白い。 19世紀末から20世紀初めは東洋、中国や日本がエキゾチック、より近年で いえばインドに行ってヤラレてしまう口がバックハウスではないかしら。小説を 書けば堂々と嘘つきでいられたのに。 (S・F・X・ディーン/秋津知子 訳「別れの儀式」 HPB 1988初 帯 VJ) やれやれ。安保法制、デモ隊も見逃した「陰の主役」〜 外務省条約局マフィアの狙いと画策。 役人に好き勝手やらせない方法はないのか。役所は遠く、 アンタッチャブルな領域なのだろうか。中国の農村から何か 訴え事があって北京に来た農民が追い払われるような、 わたしたちと日本の高級官僚とは、そういう関係なのか。
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by byogakudo
| 2015-10-25 22:10
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