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猫額洞の日々

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2016年 04月 06日

やっと『モランディ展』に行った

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 『モランディ展』は10日(日)までだ。やっと行ってきた。
 非常によかった!

 デッサンやエッチングの描線のもたらす幻惑、オブジェを同じ
置き方をして違う時期に描いた油彩の揺らぎ、光に溶けてゆく
水彩(カタログ番号69)の不思議な影。最初に掲げられる風景
(カタログ番号83)。うつくしかった。

 ひとりきりでとは言わないが、もっと人出が少なくて見られ
たらと、見にきた全員がそう願っていたのではないか。
 展覧会場最後のコーナーで紹介ヴィデオが流されていたが、
瓶の置き場を変えたことを示すために(場見るために)、卓上に
引かれた円い線の跡が重なり合っていたのも、すてきだった。

 なかなか来なかったのは体調や何かもあったけれど、東京駅と
いう問題が頭にあった。3階建てに戻すのはいいが、東京駅を背に
した風景の改変を見なければならないのが怖くって、なかなか出る
気になれなかったのだ。駅を出て案の定、腹を立てる。

 むかしは近代建築史がライヴで見られる広場だったのに、今や、
超高層ビルの影に覆われた、ただのビルの谷間。旧市街の保持と
いう観念がないのか、空を狭め、建築だけ聳えて高さを競っても、
そこに出現するのは貧寒たる風景だ。あれもこれもどれも腹が立つ。

 有楽町駅ガード下の風景に心慰み、しかし、作業服姿数人とスーツ
姿数人が入口近くで何やら語らっているのは、改修ないし取り壊しの
打ち合わせだろうか。風景が殺されきるまでに歩かなくっちゃ。





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by byogakudo | 2016-04-06 21:32 | アート | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2016-04-06 21:43
とうとう、みられないな。
混んでいると集中できないし。
Commented by byogakudo at 2016-04-06 22:03
午前中とかなら、まだ空いてるかもしれません。
ご覧になった方がいいですよ。


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