2016年 05月 25日
近代主義といったときと、モダーニズムといった場合、受ける印象に 違いが出るのは何故だろう? 乱暴に括って言えば、"近代"と聞くと 否定的ニュアンスを強く感じ、"モダーニズム"は明るく軽快に響く。 日本語訳と外国語とで感じ方が変わる、わたしのこの調子のよさは、 何だろう。問題ではないか。 5月10日付けdaily-sumus2の日本のシュルレアリスムに『彷書月刊』 通巻12号『日本のシュルレアリスム』特集からの引用がある。 日本におけるシュルレアリスムの性格を考察する、ジョン・ソルト 『蝙蝠傘の失跡』からの引用を孫引きしたい。 <「近代への自由」こそが日本のシュールレアリストにとっての切実な問題 であった。それゆえほとんどあらゆる過去の文化や伝統は、揚棄の対象と して以上の意味をもちにくかったのではないだろうか。ヨーロッパの シュールレアリスムが、すでに人間にとっての規範と化した「近代から の自由」を対象としたものであったと仮定すれば、日本のそれは脱亜的 に進行しつつあった「近代への自由」へとそのベクトルを向けていた。> という箇所で、ふと思ったのだが、ヨーロッパ各国からパリに集まったシュル レアリストたちの、非西洋的な事物に向ける眼差し__そこには純粋な驚異と憧れ とが込められていたかもしれないが__と、たとえば帝国主義の時代に、ピエール・ ロチが極東の島国に注いだ眼差しとに、本質的・根本的な違いがあっただろうか? オリエンタリズムの罠は、そこには存在していなかったのだろうか? "近代"は水底をかき回して"土着"を浮上させる運動体でもあるので、わたしを 憂鬱にさせるけれど、わたしが生きた時間でもある。わたしは近代の産物で(も) ある。時と場を限定しない生はあり得ないが...。
..... Ads by Excite ........
by byogakudo
| 2016-05-25 21:08
| 雑録
|
Comments(0)
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... ■ねこ新聞
■月刊ねこ新聞Twitter ■蟲文庫 ■kissa e(@higashi-koenji) ■往復書簡 ■旅猫雑貨店 路地裏縁側日記 ■海ねこ的 日々の暮し ■森茉莉街道をゆく ■山崎阿弥 ■サイコ☆ヒステリック 徒然日記 ■穴熊 日記 ■だらだら放談 ■鈴木創士 ■安柊有人(@sosi-suzu)・Instagram ■西谷修―Global Studies Laboratory(GSL) の後継ブログ ■nibuya(@cbfn) ■so_kusumori ■楠森總一郎 EROS VERSUS ■hirose tadashi|photographer ■kizashino ■きざし乃 栞 ■do-do ■スローラーナー ■muttnik ■やっぱりモダニズムが好き! ■かめ設計室 ■建築ノ虫 ■ご近所の日々 ■素人魂~特濃魚汁~ ■素人魂@いたちょ ■胡乱亭 ■梟通信~ホンの戯言 ■左平次(@saheiziinokori) ■花も嵐も踏み越えて鉄道人生44年 ■PAPERWALL ブックデザイナー日下潤一の日々 ■daily-sumus3 ■藤原編集室 ■退屈男と本と街 ■古本屋ツアー・イン・ジャパン ■okatakeの日記 ■ギャラリー ときの忘れもの ■ときの忘れもの@twitter ■銀座レトロギャラリーMUSEE ■痩せたり太ったり ■橋場一男 ■Tracy Talk・・・ ■Unknown Pleasures ■メグブログ 美咲歌芽句 ■亜湖公式サイト ■五月真理矢写真館 ■ヒゴヒロシ ■坂本弘道公式サイト ■三信ビル保存プロジェクト ■逗子なぎさホテル ■わき道にそれて純喫茶2 ■アトリエ プティカ 最新のコメント
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||