2017年 03月 17日
ハンマースホイ展以来の上野、国立西洋美術館。あれが9年前。 時間が容赦なく過ぎる。 シャセリオーが日本ではあまり有名ではないからか、彼の時代の 前後左右に位置する画家たちの作品も交えての公開だ。 アングル、ドラクロア、ギュスターヴ・モロー、オディロン・ ルドン...。 近代はオスカー・ワイルド(1854年-1900年)から始まるのかも しれないが、もう少し前、シャセリオー(1819年-1856年)から 始まったというべきではないか。 シャセリオーからレオン・スピリアールト(1881年-1946年) への線が1970年代・高円寺の感受性につながる、とわたしは思う けれど。 あの青と緑のあいだの色彩を愛すること。それは、ギュス ターヴ・モローの影響が強いだろうが、その大本はシャセリオー であり、モローやルドンが継承したのだ。孔雀の羽根色でもある 青緑色、フォカス氏に取り憑く、不吉な目の色である、あれらの 色彩。 『放蕩息子の帰還』の左下隅を占める/締める、黒い犬の顔と 犬の目。馬たちの目の愛らしいこと! 雑誌から切り抜いた『エステルの化粧』を画鋲で、うすい 灰青色の漆喰壁に留めていた、中学生の頃。 シャセリオーは始まりで在り続ける。 シャセリオー展は、5月28日(日)まで。 (2017年3月17日 於・国立西洋美術館) 呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/
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by byogakudo
| 2017-03-17 20:51
| アート
|
Comments(2)
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desire_san at 2017-05-18 19:10
こんにちは、
私も「シャセリオー展」を見てきましたので、ブログを興味深く読ませていただきました。シャセリオーは、アングルの愛弟子だったこともあり、絵を描く技量が非常に高く、色彩もよく調和していて、たくさんの美しい作品が印象に残りました。造形感覚にも、色彩感覚にも優れていて、どの作品も味わい深く、心地よい気持ちを味わうことができました。 私も自分なりにシャセリオーの作品の魅力を読み解いてみました。またアングルとなぜ決別したのか? 絵画・美術におれるロマン主義とは何なのか?本質的な違いを考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。内容に対してご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。
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byogakudo at 2017-05-18 20:20
こんにちは。
早速、読ませていただきます。 |
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