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猫額洞の日々

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2017年 04月 16日

フレドリック・ブラウン/向後英一 訳『悪夢の五日間』読了

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 リライトされてない大人向けの『ロビンソン・クルーソー』を読んだ
とき、収支決算書みたいな小説だと思った。
 無人島に漂着した主人公は生き延びるために計画を立て実行する。
実行の過程で修正が施される。他者を発見し、小さな共同体を営んで
いたある日、本国の船に発見され、帰還が叶う。

 『ロビンソン・クルーソー』は、このプロセスを淡々と描くだけで、
主人公は船の難破や漂流で特にショックを受けた様子もないし、漂着
したら、脅えたり悲嘆に暮れたりする閑もなく、せっせと作業を始める。
効率の話かと思うくらい、プロテスタントの倫理を生きる主人公だなあと、
思った(と記憶する)が、フレドリック・ブラウン『悪夢の五日間』の
主人公、ロイド・ジョンソンも、ロビンソン・クルーソーの末裔だ。

 フェニックスで投資相談業の会社を共同経営する主人公が帰宅したら、
妻がいない。誘拐犯からの身代金請求書が机上にあった。猶予は週末を
挟んで5日間、25.000ドルである。
 街では最近、誘拐事件が2件続いていた。プチブル家庭の妻が誘拐され、
警察に相談した方は殺され、黙って身代金を払った方は無事だった。
 主人公、ロイド・ジョンソンはショックで倒れたりせず、悩む閑もなく、
せっせとお金の作り方を実行してゆく。家を売っていくら、株を売って
いくら、といった按配に能率よく、お金をこしらえる。
 情報力の高い犯人は、被害者が払える可能性の中での最高額を提示して
いる。加害者も被害者も効率の鬼なのか。

 ロビンソン・クルーソーよりは物思う主人公だ(と思う)が、馬力を
かけて問題を解決してゆく姿勢は、似ている。
 スポーティなミステリ。


     (フレドリック・ブラウン/向後英一 訳『悪夢の五日間』
     創元推理文庫 1967初 J)



呪 吐爛腐/呪 心臓亜屁/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/

 シリア、アサド政権が化学兵器を使用したという証拠も示さず、
たとえ形だけのものにせよ、国連での討議もなくシリアを襲い、
アフガニスタンには核兵器に準ずるMOABを投下するトランプと、
それを真っ先に称賛する安倍晋三。
 気違いに刃物、トランプと金正恩に核ミサイル。

 偽ニュースと確証バイアス by 藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員





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by byogakudo | 2017-04-16 21:24 | 読書ノート | Comments(0)


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