猫額洞の日々

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2018年 07月 19日

(2)ジュリアン・グラック/永井敦子 訳『ひとつの町のかたち』、少しずつ

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~7月12日より続く

 歩くひとの数だけ、町のかたちは存在する。同じ通りを歩いても、
ひとが違えば、違うメッセージを町から受け取るだろう。同じひとが
歩いても、時間が違えば、年齢を重ねれば、町の印象も変わるかと
思うが、ジュリアン・グラックの場合、あまり変わらない。
 まだ子どもだったころに抱いた印象が、感情や思考の基層を成し、
読んだ本とともに、透明な襞を重ねる。

 『第四章 寄宿生の集団散歩の経路。町の中心部から幹線道路に
通じる放射状の道づたいに、東西南北の郊外へ。それぞれの郊外
の様子。町の周縁部の、より魅力的な三つの湿地帯への散歩。』
より引用__

< ブルトンが、[略]一九一五年から一六年にボカージュ通りの女子
 高等学校__[略]__からプロセ公園まで何度もたどった道筋ほど、
 過去を生まれ変わらせる力を帯びた散歩コースというのもほとんど
 あるまい。「ナントの通りを介して、ランボーが私に完全に取り
 憑いてくるのです。[略]」
 [大きく略]
  現在の__刈りこまれ、砂が敷かれ、壁で囲われ、磨き上げられ、
 掃き目のつけられた__プロセ公園は、緑地帯整備の現代的な規範
 には忠実なのだろうが、ブルトンが知っていた、そして二〇年代初頭
 に私の見ていた、たしか改修以前のものとは、もうほとんど共通点が
 ない。
 [略]
 しかし夕方のまだ明るい頃、シェジーヌ川にかかって公園を西側で
 しきる小さいアーチを連ねた水道橋型の煉瓦の橋まで行くと、アーチ
 ごしに見える構図が、子どもの頃の、小学生用のペン軸にレンズと
 いっしょにはめこまれていた豆写真と同じくらいきっちりと枠に収まり、
 知らない場所のような不思議な感じがして驚く。
 [略]
 アルデンヌの森の小さな谷もこんな感じかと思うほど寂しく人けがなく、
 深閑としている。そして[略]「シェジーヌ渓谷」の整備が終われば__、
 そう、ブルトンの見た光景がさらに広がることになる。「......カシスの
 川は人知れず、かわりなくここを流れる、不思議な谷をぬって。」>
(p77-78)

 ランボーの記した風景/言葉をブルトンが読み、歩き、記述し、さらに
グラックが読んで歩いて記述し、永井敦子の翻訳により、日本の一読者
がそれを読む。

 見て歩いて記述して読まれる重なりをフォーカスするのが、豆写真を
はめこんだレンズつき<小学生用のペン軸>という小さなオブジェ/名詞
である。


     (ジュリアン・グラック/永井敦子 訳『ひとつの町のかたち』
     書肆心水 2004初 帯 J)

7月21日に続く~





呪 亜屁沈臓/呪 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐・夷蛮禍/

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by byogakudo | 2018-07-19 20:48 | 読書ノート | Comments(0)


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