猫額洞の日々

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2018年 07月 30日

(2)吉村昭『事物はじまりの物語/旅行鞄のなか』読了

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~7月29日より続く

 二番目の『旅行鞄のなか』は取材旅行の話がほとんどだ。

 1982年9月の日付がある『網走へ』は、終戦前後に網走刑務所
の看守部長をしていた K氏に会いに行ったときの話である。
 取材当時、K氏は84歳、同僚はみんな亡くなっている。

<記憶はたしかで、終戦前後の受刑者、看取たちの生活を、[略]
 語ってくれた。食物の量の減少、質の低下は、他に楽しみのない
 受刑者を刺戟し、暴動をひき起す因になる。そのため、司法省命令
 で終戦時まで麦6、米4の割合で一人一日6合2勺(しゃく)の主食が
 受刑者にあたえられていた。一般の国民の主食配給量が2合3勺で、
 しかも、しばしば雑穀、芋類が代用されたことを考えると、異様な
 感じがする。[略]K氏は、
  「私たちはひもじい思いをしていましたので、囚人が羨(うらやま)
 しくてなりませんでした。看取の中に、囚人の食物をつまみ食いして
 減給処分をくらった者もいました」>(p283)
[注:漢数字を洋数字に変更]

 少年・小林信彦が学童疎開に行く前夜、両親が戦前と同じ質と量の
料理が並ぶところへ連れて行ってくれて、子ども心に、「あるところ
にはあるんだな」と思ったことや、バレエの K夫人が、海軍だったかに
お使いに行かされたとき、待っている間、アイスティーと、その頃はもう
一般には目にすることがなかった、カステラを出された話などを思い出す。


     (吉村昭『事物はじまりの物語/旅行鞄のなか』
     ちくま文庫 2014初 J)

(1)吉村昭『事物はじまりの物語/旅行鞄のなか』
(2)吉村昭『事物はじまりの物語/旅行鞄のなか』





呪 亜屁沈臓/呪 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐・夷蛮禍/

 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)東京都の
安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF





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by byogakudo | 2018-07-30 20:07 | 読書ノート | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2018-07-30 22:14
今でも衣食住が保証されるのが望みで刑務所に入りたがる人が少なからずいるようです。
Commented by byogakudo at 2018-07-30 22:54
刑務所がセイフティネットだなんて、なんという
貧乏国かと思います。


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