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猫額洞の日々

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2018年 08月 01日

(1)吉村昭『東京の戦争』半分強

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 司修とどうも気が合わないので、もう一冊の吉村昭、『東京の
戦争』にする。

 文庫版・解説を小林信彦が書いている。
< この本を読む読者は、まず巻末の「私の『戦争』年譜」から
 始めるとよいのではないかと思う。>(p199)とあるので、
解説の前に置かれた、吉村昭による、それを読む。
 [注:漢数字を洋数字に置き換えて引用]

<昭和16年(1941年) 14歳
  私の「戦争」は、この年の8月10日に23歳であった六兄
 敬吾が中国戦線で戦死したことからはじまった。
 [略]
  その年の12月8日、大東亜戦争が勃発した。
 [略]
  翌日、兄の遺骨が帰還した。[略]
  それから10日後、私のすぐ上の兄健造に召集令状が来て、
 中国戦線に出征した。>(p189~190)

 そこから、戦時と思春期・青年期とがぴったり重なる、吉村昭の
「戦争」時代が記述される。
 本文では、非日常が日常になっている生活のディテイルが項目
ごとに具体的に詳しく書かれる、その概説である。

 たとえば、本文『空襲のこと [前]』では、空襲が頻繁になった
昭和19(1944)年末ころであろうか、

< その頃、妙な話が人々の間にひそかに流れた。金魚をおがむと
 爆弾で死ぬことはない、という。
  私の家の庭にある三坪ほどの池には鯉とともに金魚が飼われて
 いたが、見知らぬ高齢の女性が来て、金魚を分けて欲しい、と
 何度も頭をさげて頼む。母は、複雑な表情をしてそれに応じ、
 金魚をすくって女性の手にしたバケツに入れてやった。>
(p17-18) 

 戦争は(あるいはファシズム体制は)苦痛の共同体だ。苦痛が
一見、公平に分配されることで、平等が実現する。
 周りを見わたしても、ほとんど同じように窮乏、苦境にあるから、
みんな大人しく、不合理を不合理と思わず(?)、耐えて生きていた
ように見えるけれど、これは戦前・戦中に人々に植えつけられた、
"上に逆らうと怖いことになる"という洗脳・締めつけを知らないから、
そう思うのだろう。

 人々の忍耐強さは、敗戦後、国家が解体され、軍隊も警察権も失く
なり、規制する権力が目の前から消えたとき、バネが弾けたように
裏返り、ひとを踏みつけても先に手にいれた者が勝ちの世界になる。

 一周回って、また敗戦を迎えたいというのが、近ごろの日本人の底流
に流れる願望なのかしら。


     (吉村昭『東京の戦争』 2005初 J)





呪 亜屁沈臓/呪 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/呪 吐爛腐・夷蛮禍/

 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)東京都の
安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF





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by byogakudo | 2018-08-01 21:31 | 読書ノート | Comments(0)


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