猫額洞の日々

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2018年 08月 16日

そうか、スリップストリームとは東京ロッカーズなのか/(1)アンナ・カヴァン/山田和子 訳『氷』

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 クリストファー・プリーストのブログでアンナ・カヴァン『氷』を
知り、その紹介に使われていた言葉、"スリップストリーム"を知った。

 slipstream と辞書を引いてもよく分からない。wikiの、
<高速走行する物体の直後に発生する現象、スポーツ競技に
 おいてその現象を利用し直前を走行する人物・物体を抜き
 去る際に用いられる技術>という説明でもよく分からない。

 けれども、プリースト・ブログによれば面白そうだ。読んだひとを
うっとりさせるか、激怒させるかのどちらか、というのがいいし、
プリーストが完璧だと言っている。
 むかし、てっきりフェミニズム小説だろうと思って、サンリオSF
文庫を読まずに売った__値段がついたし__けれど、wikiで読む
彼女の人生もすてきだ。作品ではなく、作家自身の物語に興味を
持って読んでみようなんて、軽蔑すべきアプローチだが、きっかけは
何であれ、読んでみなくては始まらない。

 今日届いた、ちくま文庫版にはプリーストの序文がついている。
アンナ・カヴァンを名乗る前は実名、ヘレン・ファーガソン名義で
小説を書いていたらしいが、この名前では華がない。
 北欧系みたいな硬さが感じられる(日本語耳には、だが)アンナ・
カヴァンが正解だ。
 痛み止めから始まったヘロインを常用しながら、作家でありつつ、
実業のひとでもあった、というのが不思議に感じられるけれど、車と
カーレースが大好きというのは、20世紀的だ。

 序文の初めの方に、
< "スリップストリーム"は、一九八〇年代の終わりにアメリカで提起
 されたアイデアで、当初の意図は、当時のSF界にあふれ返っていた
 宇宙旅行や異星人の侵略やタイムトラベルなどのパルプ雑誌的枠組み
 の内にはおさまらない先鋭的なSF作品に、>(p5)
この概念/パラダイムを適用しようとするものだったと、述べられる。
 バラードやディッシュたち、SFジャンル以外でボルヘスやウィリアム・
S・バロウズ等々が含まれる、新ジャンルだ。

 漠然と感じられてはいても、名づけられていないモノ/コトは、存在しない
に等しい。名づけられて初めて、存在が可視化する。
 ということで、"東京ロッカーズ"を思い出した。1980年ちょっと前、"パンク
ロック"という名前も、"ニューウェーブ"も可視化というには弱かったからかしら
と、わたしは解釈するのだが、東京でバンドをやっている人々、及びそのバンド
たちの集合名詞として"東京ロッカーズ"という呼称が考え出された、と思うが、
違っていたら、関係者の方々、お許しください。

 しかし、
< この初期のスリップストリームにはひとつ問題があった。それは、
 アメリカのスリップストリーム唱道者たちが、事実上、小説市場に
 新しいカテゴリーを作り出そうとしていたことだ。スリップストリーム
 は、それまで売るのが難しかった小説にマーケットを見出す突破口に
 なるかもしれないというというわけだったが、書籍販売業界はそう簡単
 に変化するものではなく、結局、この点ではたいした成果はもたらされ
 なかった。>(p6)
などという記述を読むと、ますます"スリップストリーム"≒"東京ロッカーズ"
説を唱えたくなる、ヨタローなので。

 
     (アンナ・カヴァン/山田和子 訳『氷』 ちくま文庫 2015初 帯 J)

8月18日に続く~





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by byogakudo | 2018-08-16 21:52 | 読書ノート | Comments(0)


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