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猫額洞の日々

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2018年 10月 19日

(1)田中西二郎 訳『グレアム・グリーン選集 第15巻 コンゴ・ヴェトナム日記』を読み始める

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 これを書く前に、矢野誠一『藝人という生き方』とガリコ『ハリス
おばさん国会へ行く』の感想文を書くべきなのだけど、さっきグレアム・
グリーンを読み出したら、もうとても好きで、上記2冊については後日
書くことにする。

 『コンゴ・ヴェトナム日記』の『序』によれば、第一章『コンゴ日記
__主人公捜索__』は、『燃えつきた人間』(読んでいない)を書く
ために1959年にコンゴへ行ったときのノート、第二章『西アフリカ
輸送船記』は戦時中(1941年)、
<自分の気ばらしのために書いたもの>(P4)で、どちらも公表を目的に
書かれたわけではないが、

<作家は作品中に保存するものよりも多くのものを捨棄しながら人生を
 進んでゆくものだが、彼がノートに記す事柄は、それが発生した瞬間
 には彼はそれを創作的な興味のあるものと考えているのである。>
(p5)

 この言葉は、『コンゴ日記』1959年2月2日 コキラトヴィルでの日記の
脚注(日記を公開する際につけ加えられた)で繰り返される。

 ひとから聞いた話__間男を殺し、警察が来るのを待って自殺した
老商人の話の、かなり詳細な顛末を記した箇所に、脚注して、

< 小説家の倹約ぶりは、いささか注意ぶかい主婦のそれに似ている。
 いつか役に立ちそうなものは何でも棄てたがらないのである。いや、
 あるいはこの比喩は、家鴨を料理するときにそのいかなる部分も使わず
 にすまさない中国人のコックにより近いかも知れぬ。この話は__コラン
 博士の口から出たことにして__『燃えつきた人間』のあるギャップを
 うずめるのに役立った。>(p15上段)

 『燃えつきた人間』は癩病の療養所が舞台で、それだけで重苦しそう
だけれど、グリーンによれば、

<こんなに書きにくい、気の滅入る小説ははじめてだった。読者は、日記
 ではXと呼ばれ、小説ではケリイと呼ばれた人物と、わずか数時間の読書の
 なかでつきあえばすむことであるが、作者は十八ヶ月間、この人物と一緒
 に暮らし、また彼の心のなかへ入りこんで暮らさねばならなかったのだ。>
(p4)
__と言われると、いつか読まなければね。生きてるうちに。


     (グレアム・グリーン/田中西二郎 訳『グレアム・グリーン選集
      第15巻 コンゴ・ヴェトナム日記』 早川書房 1965初 セロファン 函)

10月25日に続く~





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by byogakudo | 2018-10-19 21:05 | 読書ノート | Comments(0)


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