2019年 02月 25日
~2月24日より続く 『3 西欧の知識人と日本の知識人』の『年齢と性について』 (1957年初出)より__ <学生時代及びその後の一定の年齢の時代に、多くの青年が知的 活動に従い、一見知識人の大群を作っているように見える。しかし その大部分は、しばらくすると特殊な専門的領域での仕事以外に、 その知的活動をほとんど全面的に停止する。その根本的理由は、 [略] 若い時代の活動そのものが、つけ焼き刃であり、なま半かであり、 何一つ確かなものを捉えていなかったという事実そのものにほか ならない。会社にはいってからの週刊雑誌的話題が、付き合いの ためならば、学生時代の総合雑誌的話題もまた付き合いのため だったろう。> (p136) さらに同章の『社会的立場について』より__ < 帝政治下の露西亜と明治以後天皇制治下の日本との間にどれ ほど大きな違いがあるかは今さら言うまでもない。しかし、日本 の社会に、[略] 革命前の露西亜に近い面のあることも事実であろう。少なくとも、 知識人の社会的孤立、さらにその教養の背景を主として西欧文化 に負うということから起らざるをえない精神的孤立に関してはそう だろうと思う。露西亜の帝政は、そういう知識人を自己の目的の ために組織することに失敗し、日本の天皇制は、ほとんど完全に 成功したのである。ことに太平洋戦争の直前、日本の学者のほと んどすべては、その教養の背景の如何を問わず、天皇制を支持し、 皇軍のいくさを熱狂的に支援した。知識人の多数が天皇制支配体制 という反民主主義的な機構の批判者として現れたのは戦後のことに すぎない。> (PP146-147) < 明治の天皇制権力は、文明開化の必要を痛感していた。急速に 官吏を養成する必要があり、大規模に技術を輸入する必要があった。 すなわち明治政府は官立の高等学校を作り、それぞれの目的に従って 文科と理科とを分け、官立大学をつくって能率的な教育を実行した。 [略] 有能な役人と技術者が養成され、組織された。知識人の動員は、何も 戦時に限られたことではなく、明治維新以来、敗戦まで大筋としては 一貫していたといえるだろう。理想が富国強兵にあるとき、どうして 役人に音楽を聴く必要があろうか。また技術者に社会問題を考える 余裕があろうか。世界最大の戦艦を造った日本の技術者は、小説を 読んで自ら楽しむどころか、一台の乗用車さえ国民のために作る余裕 がなかったのである。> (PP147-148) 長い間、日本の、年齢的には大人であるはずの、しかも知性もあるはず の男たちがセクシーじゃなかったのは、天皇制のせいなのだ! そして女たちは家庭にあって、マザコン男たちを支え、天皇制の維持に 協力していたのである。富国強兵であれ、戦後の高度経済成長であれ、 構図は変わらない。 いま、人口構造や、必要とされ、かつ儲かる仕事のジャンルが変わって きて、もはや、これまでのやり方が通用しないと解っているのに、安倍晋三 を担ぎ上げる日本会議・連中は、砂嵐の中の駝鳥のように、これまでの システムの維持・強化しか考えない、国賊なのさ。 (加藤周一/小森陽一・成田龍一 編『言葉と戦車を見すえて 加藤周一が考えつづけてきたこと』ちくま学芸文庫 2009再 帯 J) 2月26日に続く~ サイコパスども__ 滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・ 夷蛮禍/ 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)+東京都の 安保関連法(戦争法)に賛成した議員名 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る 「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動 上記のPDF
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by byogakudo
| 2019-02-25 16:11
| 読書ノート
|
Comments(2)
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saheizi-inokori at 2019-02-25 19:38
そして再びジリジリと知識人が天皇礼賛に走り初めていますね。
0
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byogakudo at 2019-02-25 23:38
さらに、安手のニヒリズムが、あたかも知的な身ぶり
であるかのように勘違いされていたり、とか。 |
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