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猫額洞の日々

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2019年 04月 04日

(2)斎藤一郎 編訳『ゴンクールの日記(上)』、少し続く

(2)斎藤一郎 編訳『ゴンクールの日記(上)』、少し続く_e0030187_1873949.jpg













~4月3日より続く

 乱視気味という事情につけ加えれば、上下に分かれているのに、
一冊が非常に重い。厚さが、2.3cmはある。同じ厚みなら、ハード
カヴァである方が持ちやすい。文庫本の柔らかい表紙を支えながら
読むのは、結構、肘から手首までの筋肉を緊張させる。
 こんなこと、若い時期なら、気にもならなかっただろう。


 兄弟の女性観と荷風のそれは似ている。唯肉主義というか。
 
< わたしたちのような男に必要な女とは、育ちもさほどよくなくて、
 教養もほとんどなく、ただもう陽気であり、素直な心の持ち主である
 ほうがよい。そういう女なら、わたしたちも愛着できるような動物と
 おなじく、楽しませてもらえるし、好きにもなれるだろう。>
(p99『1857年 エドモン35歳、ジュール27歳』『5月21日 木曜日』)

 必要に応じて知的に見える会話もできて、見せびらかしがいのある
高級娼婦を愛人として囲えるほど、お金持ちではなかったからじゃない
かしら、とも思うが。

 日記に出てくる女たちは、ほぼ全員が、高い、安い、中くらい(?)
の区別はあるだろうが、専門的あるいは片手間の娼婦のようだ。女優は
まず全員、娼婦。身体を売らないと生きていけない薄給の身だ。大女優
になると、大パトロンがつくのだろう。
 ゴンクール兄弟が頼んだら、兄弟共通の愛人になってくれたマリアの
専門職が産婆業であるのは、珍しい正業であろう。産婆は出産と堕胎
の手助けをするから、つねに需要があるし、腕さえあれば年をとっても
できる、確実な仕事だ。

 ゴンクール兄弟の日記は、たぶん、死後の公開を意図して書かれた
だろうが、ポルノグラフィは意図していないようで、いまのところ、
共通の愛人たるマリアが彼らの部屋を訪れても、彼女のルーベンス的
豊満さ__いまの規準で見ると、抑えて言って太り肉(じし)、遠慮なく
言えばデブ__を讃えるだけで、閨房描写はない。
 片方と寝ているとき、もう片方は何をしているのかなどと、読者の劣情
を満足させるような記述はない。
(pp118-119『1858年 エドモン36歳、ジュール28歳』『5月27日』)


     (斎藤一郎 編訳『ゴンクールの日記(上)』 岩波文庫 2010初 )

4月7日に続く~





サイコパスども__
滅亡 亜屁沈臓/滅亡 汚池腐裏子/呪 共謀罪=ネオ治安維持法/滅亡 吐爛腐・
夷蛮禍/

 安保関連法(こと戦争法)の本会議投票行動(PDF)東京都の
安保関連法(戦争法)に賛成した議員名


 共謀罪強行成立記念! 安倍政権の暴挙を忘れないために振り返る
「共謀罪トンデモ答弁・暴言録」


 【票を入れるな危険】日本会議所属の都議候補一覧

 小池百合子氏 日本会議“本流”から外れた愛国者

 「共謀罪」法 衆参両院議員の投票行動

 上記のPDF





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by byogakudo | 2019-04-04 21:16 | 読書ノート | Comments(0)


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