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猫額洞の日々

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2019年 06月 16日

(2)Anna Kavan "Asylum Piece"報告/"2 Going Up in the World"

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 "Asylum Piece"には短篇もあるが、掌篇と呼ぶべきものも
収められている。"Going Up in the World"は短篇。

 ヒロインは河の側の低い土地に住む。冬中、霧がたちこめて、
部屋は凍えそうに寒い、
<the pillow freezes my cheek>(p21)
と、記されるくらいに。
 何か月も太陽を見ない、孤独で凍えきって惨めな生活。

 耐えかねたある日、保護者のもとを訪れ、助けを求めるしかない、
と決心する。断られると分かっているのに、それでも、行ってみよう
と思った途端、楽観的になる。自己欺瞞してるなあと思いながらも、
服装を整える。
 何か手みやげは? 彼女はお金がない、彼らは何不自由ない暮しを
している。
 家中探しまわって、林檎を見つける。ぴかぴかに磨き、バスケットに
入れて持ってゆく。貧しい手みやげだが、温室栽培の桃や葡萄に慣れた
人たちには、却って喜ばれるんじゃないか、と自らに言い聞かせる。

 保護者(と訳していいのだろうか? Patrons と、大文字で始まるが)
の住いは、彼女のそれとは、天国の夏と寒冷地獄の違いがある。
 霧に悩まされることのない高層階、蝶蝶でも飛びまわっていそうに
温暖で、人工美を究めた住いである。

 Patrons は、男性も女性も完璧を具現化したような人々だ。描写を
読んでいると、なんというか、ギリシャの神々のブルジョア化、みたい。
 彼らは礼儀正しいが、彼らの規範に外れた彼女を許すことはしない。
決して迷惑はかけないから、あの凍えそうな家から救い出してくれと
彼女は懇願するが、

<you have caused us a great deal of sorrow and anxiety by
your bad behaviour>(p25)
と、Patron の女性に言われる。具体的にどんなことをしでかしたかは
記述されない。「わたしたちのアドヴァイスに耳を貸さないで、困った
ときだけ泣きつく」とまで言われてしまう。

 ...、ああ、そうか。ヒロインはブルジョアジーの楽園からの追放者なのだ。
だから、知恵の木の実であろう林檎を持って、もう一度、楽園の門を叩く
けれど、ブルジョアの天国では、もう知恵になど興味がないから、そこらに
放っておかれる。たぶん、女中たちがゴミ箱に捨てる前に、ひと齧りする
かもしれない、その程度の扱いなのである。

 ヒロインの懇願は拒否され、再び楽園から追放される。彼女がそこに属する
べきと宣告された、冷たい、霧の流れるストリートに戻るしかない。


     (Anna Kavan "Asylum Piece"
     Peter Owen Modern Classic edition 2001,
     reprinted 2015)





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by byogakudo | 2019-06-16 23:34 | Anna Kavan | Comments(0)


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